終局的犯罪(ザ・ダイナミクス・オブ・アン・アステロイド)
- ランク:A+
- 種別:対軍宝具
- レンジ:1〜99
- 最大捕捉:100人
「Fate/Grand Order」に登場するジェームズ・モリアーティの宝具。
モリアーティが目指す「惑星破壊」を具現化した宝具。
サーヴァントとして召喚されたため「対軍」に留まっているが、力を増幅させれば「対都市」「対国」と範囲は広がっていく。モリアーティが目標とする究極の破壊。
真名判明前は『????』と表記される。
詠唱一覧
真名判明後
「宝具解放。我が最終式、終局的犯罪を此処に証明しよう……『終局的犯罪(ザ・ダイナミクス・オブ・アン・アステロイド)』!!」
「宝具展開。世界はたっぷりと破滅を抱え、我らはそれを突き崩す!究極犯罪、此処に成立だぁぁッハハハハハハァ!!」
「終局的な光景をお目にかけよう。歓喜の闇、悲嘆の光。即ち――『終局的犯罪(ザ・ダイナミクス・オブ・アン・アステロイド)』!!」
真名判明前
『真名封鎖、疑似宝具展開。お仕置きの時間だネ!素晴らしい!! 世界は破滅に満ちている!ああっはっはっはははははは!』
『疑似宝具解放、全火力一斉掃射!ようこそ、混沌の世界へ!あぁ~楽しいナァ~!!』
『真名はナイショだヨ?でもまぁ、君が死ぬことは請け合いだァ!崩れ落ちたまえヨォ!』
性能
ゲーム内での種別はBuster。効果は【敵単体の防御力ダウン(3ターン)&敵単体に超強力な攻撃】。
担いでいる仕込み棺桶から機関砲とミサイルの一斉掃射で弾幕を形成して目標を蜂の巣にする。トドメに相手に零距離まで接近し、最大出力で魔力光を発射する大変にアグレッシブなもの。
おかげで多くのプレイヤーから新宿のランチャーと言われてしまうことに…。
敵として使用する際には「終局的犯罪(カタストロフ・クライム)」と漢字表記は同じだが読みが異なっている(宝具演出は同じ)
序盤のモーションで、満月の夜に霊子が舞う摩天楼をから眼光鋭く飛び出すさまは、正直コッチの作品の人じゃねえかと言いたくなるほどやたらとスタイリッシュ。
特に真名解放前は、そのセリフと相まって違和感無さ過ぎである。
なお、巨大な棺桶片手にダイナミックなアクションを決めるのは、かなり腰に悪いというちょっと切実な中高年的な弱点を抱えているらしく、あまり多用したがらない。
「これが終局の風景だ。3000年の応報を!『終局的犯罪(カタストロフ・クライム)』!!」
「さあ、世界崩壊まであと僅かだ。私も少々、それに加担するとしよう。『終局的犯罪(カタストロフ・クライム)』!!」
ちなみに、演出速度を等倍にしていると、台詞が妙なとこで途切れる。
真名判明前の宝具台詞が好きなプレイヤーも多いことなどから、台詞の修正および追加が待たれており、2018年の12月に切り替え機能が実装された。
元ネタ
宝具名の元ネタはモリアーティが書いたとされる架空の論文「小惑星の力学」と、三大SF作家の一人に数えられるアメリカの作家・生化学者で、熱狂的なホームズファン「シャーロキアン」としても知られるアイザック・アシモフの短編推理小説集『黒後家蜘蛛の会』にてその考察(後述)が記述されている章の題名「終局的犯罪」から。
一般には、数学教授であるモリアーティが天文学の論文など書いているはずがなく、この題名は後世における誤訳(または意図的な曲解)であると考えられている。
幾何学の分野にはアステロイド曲線と呼ばれる図形(乱暴に説明するとしいたけ目の星部分である)が存在し、こうした図形を解析する分野を数論力学と呼ぶ。つまり『小惑星の力学』とされている論文は、実際には幾何に関わる純粋に数学的な論文だった(と現実の作者ドイルは想定していた)可能性が高いのである。
但しFGOにおいては、とあるイベントでの過去騙り(誤字に非ず)で「実際にこの論文を書きはしたが、その危険性を見抜いた当時の数学者達の手によって闇に葬られた」と語られている。
「過去騙り(誤字に非ず)」なのでどこまでが本当なのかは不明だが果たして・・・。
アシモフの考察
アシモフは「終局的犯罪」の中で、論文の内容について以下のような推測を残している。
19世紀当時、火星と木星の間にある小惑星帯(アステロイド・ベルト)は、同じ軌道を公転していた惑星が何らかの原因で爆散した後の残骸であると考えられていた(いわゆる「惑星破壊説」。現在、この説は科学的に否定されている)。惑星の破片の挙動は万有引力などの古典力学の法則に従って計算されるが、文字通り星の数ほどに散らばった小惑星の動きを正確に予測するのは、現在のスーパーコンピューターの機能をフルに活用させたとしても容易ではない。
モリアーティはその天才的な数学的頭脳を駆使してその挙動を計算。惑星滅亡の原因となった異変のエネルギーの大きさを含め、現在の小惑星帯が形成されるまでの動態を完璧に予測・シミュレートし、得られたその成果を上記の『小惑星の力学』と題した論文にまとめたのである。
しかし、それはあくまでも表向きの話であり、この論文の真のテーマは「地球を爆砕して無数の小惑星へと変えてしまうための方法論」に関する研究だった。天才数学者であると同時に稀代の大犯罪者でもあるモリアーティにとって、「惑星の破壊」すなわち「地球の破滅」をもたらす手段を考察することはこの上ない愉しみ・悦びであり、その方法論を確立・証明することは自らの最終目標に値いする「終局的犯罪」とも呼ぶべき究極の研究テーマであったのだ。
そして、“実在の人物である”はずのモリアーティが遺した論文が現存しないのは、彼の残したその成果に隠された恐るべき秘密に気づいた当時の学界・研究者らが徹底的に隠蔽・抹殺したためと考えられている。
- アシモフを含む「シャーロキアン」の間では、ホームズやモリアーティ、およびシリーズに登場する人物や出来事をあえて“史実”と見做し、その前提に立って「研究」するという一種の遊びが定着している。アシモフはシャーロキアン団体の一つである「ベイカー・ストリート・イレギュラーズ(BSI)」のメンバーであり、BSIからの依頼で『小惑星の力学』に関する論文を執筆した。その論文を基に『黒後家蜘蛛の会』の一編として執筆したのが、「終局的犯罪」である。