プロフィール
真名 | 山南敬助 |
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クラス | セイバー |
性別 | 男性 |
身長 | 169cm |
体重 | 55kg |
出典 | 史実 |
地域 | 日本 |
属性 | 秩序・善・人 |
好きなもの | 子供と遊ぶこと |
嫌いなもの | 話の通じない輩 |
設定担当 | 経験値 |
ILLUST | 経験値(原案)、きばどりリュー(FGO) |
CV | 平川大輔 |
「親切者の山南さん」
概要
『Fate/Grand Order』に登場するセイバークラスのサーヴァント。レアリティは☆4。
初出は『ぐだぐだ邪馬台国』。特異点化した邪馬台国に生前の同胞である斎藤一と共に召喚され、主人公たちと出会い行動を共にすることになる。その時点では斉藤と違い実装は叶わなかったが、2年後の事実上の続編イベント『ぐだぐだ新邪馬台国』で、再登場と共に本格参戦と相成った。
真名
新撰組内部では珍しく、心優しく温厚な人物であったようで、新撰組を畏怖していた壬生の人々からも慕われており「親切者は山南・松原」という言葉が明治初期まで伝わっていたという。
実際に、新選組に関する代表的な資料である『新選組遺聞』などにも「芹沢などと違い、隊内の者にも、壬生界隈の人たちにも評判が良かった」という旨の記述があるほど、その人格は評価されていた。習得していた剣術に関しては不明瞭だが、北辰一刀流の免許皆伝であったと言われる。
しかし、最終的には組織の方針を巡って局長の近藤勇、副長の土方歳三と対立の末脱走する。結局連れ戻された後、法度に従い切腹した。一説では介錯を務めたのは沖田総司と言われている。
人物
一人称は「私(わたし)」。
新選組には似合わないほど穏やかな空気をまとった、眼鏡をかけた青年(第3再臨では外す)。
イベント内でも参謀的な役割を担うことがしばしばで、そこを見込まれて総長になったらしい。
多くの人から「親切者」と呼ばれるほどに思いやり深く、頭も回り気が利く性格だが、「自分はただの臆病者だ」と自嘲している。事実、良くも悪くも固い信念をもって突っ走る傾向が強い他のメンバーと異なり、過去を振り返って思い詰めやすい性格で、生前の当時は殺し合いの日々に誰よりも早く磨耗するなど、感性や倫理観も最も普通の人間(もっと言えば現代の一般人)に近いもの。
上記の最期や劇中で選んだ道もそこに由来している。しかし、2つのイベントでの経験と死に別れた大切な人との再会と言葉を交わしての別れを経て「もう逃げない」ことを決めたのであった。
能力
新選組らしく二種類の剣術を納めており、優れた剣術を使うが、本人が言うように沖田、土方、斎藤、永倉のような高い攻撃力は持っておらず、どちらかというと暗殺や支援の方に適性がある。
モーション中では、派手さは少ないが安定した堅実なイメージの剣術を見せている。具体的には、脇差を突き刺した後に打刀で追撃したり、素早く背後を取りつつ串刺しにしたりしている。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
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藤丸立香 | D | C | C | E | D | D |
保有スキル
対魔力(D) | セイバーのクラススキル。魔術に対する抵抗力。一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。魔力避けのアミュレット程度の耐性。 |
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騎乗(E) | セイバーのクラススキル。乗り物を乗りこなす能力。新選組が馬に乗って活躍、という話は寡聞にして聞かぬ故に、大した補正にはならない。 |
武人にして文あり(C) | 文武両道の山南を評した言葉。悪く言えば無頼の集まりであった新選組でも、学問に優れ理を弁えた者として新選組内外から評価されていた。 |
柳緑花紅(C) | 柔らかさの中にも理を具えた山南の剣技。ただし、とある古傷により腕の利きが悪い事がある(イベント中でも本人がその事に言及している)。 |
親切者(B) | 新選組の一員としては珍しく、温厚で心優しい性格は壬生の子供達や女性からも慕われており、新選組の「親切者は山南、松原」という言葉も伝わっている。「私はそんな人間では無いよ。ただ、臆病だっただけさ」 |
宝具
山桜(やまざくら)
- ランク:D
- 種別:対軍宝具(本来は自裁宝具)
- レンジ:1〜5
- 最大捕捉:30人
「皆の未来を拓く為に……」
「『山桜(やまざくら)』 散りてあとなき 花ぞ勇まし――征きましょう。是(これ)よりが……新選組の誠(まこと)の道ッ!!」
友と集い、友と走り、友を殺し、友から逃げたあの日の山桜。散りゆく己の霊基を削り、自陣にバフをかける強化宝具。本来であればその霊基を全て投げうつ自裁宝具であるが、過去を受け入れ認める事により対軍宝具へと進化し昇華された。あの日の己との決別を表した宝具と言える。
「――私はもう、逃げない」
誠の旗(まことのはた)
- ランク:B
- 種別:対軍宝具
- レンジ:1~50
- 最大捕捉:1~200人
新選組隊長格共通の宝具。
隊士達の生きた証であり、彼らが心に刻み込んだ「誠」の字を表す一振りの旗。
一度発動すると、共に時代を駆け抜けた新選組隊士達が一定範囲内の空間に召喚される。
現状では、マテリアルに記載がないために本当に保有しているかは不明となっている。
ゲーム上での性能
デオン、蘭陵王に続く3騎目のサポート宝具持ち☆4セイバーだが、コマンドカード構成は前2騎と異なりQuick2枚持ちである。それに加えて、第1スキルと宝具にスター獲得効果を持つため味方のクリティカル誘発が容易な他、第3スキルで全体回避・回復・一部弱体解除が可能となっている。
宝具「山桜」はArtsで、効果は【味方全体の攻撃力アップ(3T/LV:20〜40%)&NPチャージ(OC:10〜30%)+自身に毎ターンスター獲得を付与(3T/10個)+味方全体の新選組のクリ威力アップ(3T/50%)】。
欠点は耐久と支援スキルに特化した分、自身のATKが他の2騎をさらに下回る点だが、そもそも支援担当なので特に問題は生じない。また、宝具の都合上「新選組」のサーヴァントと組ませるのがベストだが、山南自身を含めて全騎が☆4以上の期間限定サーヴァントであるため、中々揃えづらい。
関連人物
生前
両者共に生前の同僚(後に上司)にして、試衛館時代からの仲間達。
後に思想や意見の違いから袂を分かってしまい、彼らに処刑される顛末となった。
それ自体については自分の弱さが招いた事と恨んではいないが、その後新選組が破滅的な末路を辿ったことは気に病んでおり「もっと良い結末があったのではないか」と考えた事もあった。
上記2人と同様に生前の同僚にして、試衛館時代からの仲間の1人。
隊を脱走した際、追手として来たのが彼女で、切腹の際にも介錯を務めた。
その死生観に共感は出来ずとも仲は良い方で、彼女からは兄の様に慕われていた。
事実芹沢を斬るのに躊躇の無かった沖田も、山南の処刑に対しては強い抵抗を示していた。
生前の同僚にして、近藤派の1人。イベント『ぐだぐだ邪馬台国』で再会し、共に行動する。
ヘラヘラしていて所属を変えることも多かった彼の事も、実は不器用な人間だと理解していた。
生前の同僚にして、試衛館時代からの仲間達。なお、井上のみ名前呼びである。
絆礼装にて彼らについても言及している。永倉からは「山南先生」と呼ばれている。
初代局長。会津藩の命令を受け、土方や沖田らと共に彼を暗殺した。
劇中では生前の後悔に起因して、彼の野心の行く末を見届けようとした。
カルデアに来た後も、彼もまた「新撰組の局長」だったとは認めている。
生前の同僚にして、新撰組の中でも親切者と名高い四番隊隊長。
彼も山南と並んで心優しかったが、それ故に破滅の道を進んでしまった。
生前の同僚で参謀を務めた人物。絆礼装にて追及されていて、彼とも親しかった模様。
切腹の際、彼に対して「皆に見識と知恵をお貸しください」と言い残した(絆礼装より)。
しかし、それは叶わず彼と近藤派(藤堂を除く)は対立し、とある惨劇を引き起こす事になる。
山南の宝具名の「山桜」は彼が山南に詠んだ句から取られており、詠唱にも一説が載っている。
新選組の前身である浪士組の結成に関わった幕臣であり、一刀流各派を極めた剣豪。
浪士組が京都に上洛する途中で、山南が村上俊五郎と口論になった際に仲裁に入った。
温和で知られる山南だが、この時は烈火の如く怒っていたという。
生前、山南の恋人だった芸者の女性であり「サンナンさん」と呼ばれていた。
切腹の際、山南のもとに駆けつけて今生の別れ「格子戸の別れ」を告げたとされる。
本作ではこの設定は採用されておらず、イベント終盤で真の別れを言う事が出来た。
Fate/Grand Order
契約したマスター。場面によって敬語のオンオフを使い分けている。
初登場時に敵対した際にも特別悪感情はなく、個人としては好感を持っていた。
マイルームでは彼/彼女が背負うどうしようもない運命を少しでも共有したいと願う。
イベント『ぐだぐだ邪馬台国』において敵対していた、邪馬台国の女王達。
彼女達とその国に迷惑をかけたことを悔いており、いずれ罰してほしいと語る。
カルデアから特異点に転送されてきたぐだぐだサーヴァント達。
彼らのようなビッグネームがわんさかといるカルデアに驚いていた。
イベント『ぐだぐだ新邪馬台国』における事実上の上司。だが実際は恋人である明里を人質に取られていたため従っていたにすぎず、山南本人も彼が敬意に直する存在だとは思っていなかった。
石田三成の協力者であり同陣営(『ぐだぐだ邪馬台国』でも一応は同陣営でった)。しかし、邪馬台国での経緯を見ていたため信用されておらず、対する山南も当然の反応だと受け入れている。
余談
山南敬助は温厚な知性派という史実の人物像からか『新撰組異聞PEACEMAKER』シリーズ、『薄桜記』、『ちるらん新撰組鎮魂歌』と他作品においてもしばしば眼鏡キャラとして造形されてきた。
史実の彼の名前の読みに関しては「やまなみ」説と「さんなん」説があるのだが『FGO』では「やまなみ」読みを採用しており「さんなん」は誤読が転じたあだ名という事になっている。
沖田役の悠木碧の推しで、ゲスト出演した「『FGO』 ウィンターキャラバン オンライン 2021 Vol.1」にて、アクリルスタンドの実物を見た際に喜び、写真に撮りTwitterにアップしている。
悠木氏は実装イベント『ぐだぐだ新邪馬台国』情報解禁生放送の一時間前に山南のイラストを描いており「実装されたらもちろん嬉しいし三日三晩寝ずのお祝いしちゃう」とツイートした。そして、生放送にて、実際に実装が発表され、悠木氏は喜びのツイートを連発した。下記の喜びツイートには『FGO』関連で大久保瑠美氏、杉田智和氏、Pako氏がそれぞれリツイートしている。
演じる平川大輔氏は『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』のメルヴィン・ウェインズ役を経ての『Fate』シリーズ出演となる。平川氏本人は「どちらも大切で大好きなキャラ」とツイートしていた。ちなみに平川氏は、ボイス収録時にスタッフから山南が悠木碧の推しキャラだと聞いたらしく「失望されたら大変だ!」と思っていたらしい。⇒スタッフの九条ケント氏ツイートより。
元々はイベント限定NPCキャラであり実装の予定はなかったのだが、あまりの人気ぶりと実装を希望するマスターの声が殺到した事からプレイアブル化に至った経緯があるため、実装の翌日には「山南さん」がTwitterのトレンド入りした。なお、彼と同時に召喚ピックアップされた千利休を演じる園崎女史の2人は偶然にプリキュアのラスボスでの起用となった。また平川氏がかつて演じたキャラクターの1人は香港におけるお茶のおかわりに関する豆知識を披露した事がある。
山南構文
定型文が存在する。
ちなみに、冒頭の「もうやめましょう」の部分は勝利ボイスに起用されている。
例文1:「もうやめましょう女王陛下……いえ、モルガンさん。しょせん妖精たちに文明を持たせるなんて土台無理な話だったんだ。私も一緒に大穴までお供しますから……」
例文2:「もうやめましょう頼光さん……血の繋がらない相手を勝手に息子と思い込むだなんて、こんなやり方で母親になんてなれるわけがなかったんだ。私が代わりに彼の父親になりますから……」
例文3:「もうやめましょうカルデアの皆さん……既に漂白された汎人類史を取り戻すだなんて土台無理な話だったんだ。私も共に終焉を迎えますから……」
実際の全文は違う形なのだが、名前と何を意図していたか、山南が代わりに何をするか部分を差し替えるだけでいい事や、台詞に棘がないことから「たかだか2万の課金で推しを引けるわけがなかった(私が呼符で引いておいたという煽りが追加される事も)」という絶望やら「バーヴァン・シーはどう足掻いても幸せにできない」という無慈悲なもの、果てはトンチキイベントや本編章ボス黒幕の後方共犯者面で計画の穴をあげつらった挙句、一緒に地獄へと道連れにしたり、最後に美味しいところだけ持っていこうとするなど、時と場合を選ばない汎用性から大いにネタにされている。
ちなみにこの構文の出所が『FGO』コミュニティで最も濃いとされる『FGOwiki』のレジライのコメントとするデマがあるが、実際にはそれよりも早く雑談掲示板にて改変された文章が見つかっているため誤りである。レジライ板の住人ならやりかねないというある種の信頼(?)が合わさって生まれてしまったデマだと思われる。レジライ民の幻覚の巻き添えになってしまったか……
ストーリーで該当する台詞はこちら(終節「光と闇の狭間に」より)
山南「……芹沢局長、いや、芹沢さん。もうやめましょう、我々の負けだ……」
芹沢「なにぃ?なんだと山南、もういっぺん言ってみろや!」
山南「……こんなやり方では、やはり国は救えないんです。」
「近藤さんも間違っていたのかもしれないが、私たちもやはり間違っていたんです。」
(同節、クコチヒコ撃破後)
芹沢「放せ!放しやがれ!おい、なんだこいつは!?」
山南「私たちは光に還ることなんか出来ない。」
「それだけのことをこの国に、民にしてしまいましたからね。」
「当然の報いです。」
「ですが、安心してください、芹沢さん。私もご一緒します。」
ちなみにこの構文の人気具合は公式側も把握しているようで、2021年水着イベント『カルデア・サマーアドベンチャー』において黒ひげが改変された方の文章を元にこの構文をネタにしている。
黒ひげ「もうやめましょうなぎこさん……吾輩が代わりに脱ぎますから……」
そして本人の実装紹介PVも、
「もうやめましょう、これ以上の争いは無益です」
の一文から始まる始末であった。
挙げ句の果てには、同イベントのおまけストーリーにおいて、彼が粗相したことにブチ切れて襲ってきた怨霊(という設定の演劇の役という体で)戦うことになった駒姫が持っていた小道具(バトルパートでは解除不可の永続スキルとして反映された)の名前が「もうやめさせる剣」であった。当然のことながら山南敬助にのみ効果が及ぶものではあるが、公式が全力でぐだぐだである。
更に、イベント『ワンジナ・ワールドツアー!』ではフリークエストで山南が登場するのだが、その際の名義が「聖杯は私がいただきますから」である。ついに改変された構文をネタにし始めた。