概要
pixivにおいては『ちるらん』のタグが一般的。
明治45年(1912年)、市川真琴と言う一人の女性記者が、生き残りである永倉新八から聞き出した伝記を描いた作品。幕末に活躍した新撰組を「不良少年グループ」に見立て、ヤンキー漫画テイストで描いている。
2017年には舞台化された。
『月刊コミックゼノン』2016年7月号からは橋本本人によるスピンオフコメディ『ちるらんにぶんの壱』も連載されており、2017年1月より3月までそのテレビアニメ(外部リンク)が放送された。
物語
時は幕末、ただ己の強さを求め、闇雲に道場破りを繰り返す24歳の若者がいた。
土方歳三 ―――後に新撰組 鬼の副長とよばれる漢である。
土方は何を考え、何を求めたか。動乱の時代は土方にどう接したのか。新撰組の数少ない生き残り、永倉新八が語る、鬼の副長『土方歳三』の新の物語とは!? 今だかつてない幕末悪党伝!!
登場人物
新選組
試衛館組
本作の主人公。
新選組副長。粗暴な言動が目立つが生粋の「いくさ人」であり、幕末の動乱が苛烈化していくにつれ、近代式兵法にも率先して力を入れていく。
語り手。
新選組二番隊組長。努力家であり、ド根性の持ち主。戦いには刀のみならず籠手を用いた格闘術も使用。
新撰組局長。「オヤジ」と慕われる度量の広い親分肌。味音痴で料理が下手。巨大な素振り木刀による鍛錬で培われた怪力を武器とする剣士。
新撰組一番隊組長。小柄な優男だが、胸の奥に「鬼子」を買う、生来の人斬り。その剣技は土方がついぞ1勝もできなかったほど。
常に襟巻を巻いている。かわいい。
新撰組三番隊組長。白髪三つ編みの無頼漢。超が付くほどの嗜虐趣味の持ち主で、峰が鋸になった抜けにくい大小二本を武器に使う。
新撰組八番隊組長。試衛館組の中では最年少でみんなの末っ子ポジション。
中村半次郎の剣気に気圧された事を切っ掛けに薩摩に対する恐怖心を抱くようになり、池田屋事件での負傷、山南の造反と死、それにつけ行った伊東甲子太郎の策謀により心身を病み、新選組を離れる。
新撰組十番隊組長。愛媛出身で訛りが強い。
新撰組六番隊組長。寡黙な髭オヤジ。試衛館組の中では影が薄い。
新撰組副長→総長。新選組で最も聡明な人物。眼鏡を着用したインテリ。
元々は尊王攘夷派の組織であった新選組が佐幕派に一統された事を憂い、新選組を討幕派に引き込むべく薩摩に接近する。
試衛館の中では一番背が低い隊士。二刀流。
兄の仇を討つべく設立直後の新選組を脱走するも、久坂玄瑞と新見錦により殺害される。
新撰組監察。ドレッドヘアに色黒のとても日本人に見えない大男。金棒を振り回す怪力無双。
その他の派閥
暴力的であるが非常に狡猾で天才的な頭脳を有する。水戸天狗党七鬼衆を率いて近藤一派と戦うも、鬼子となった沖田に敗れる。
七鬼衆のリーダー格。左目を縫っている。
このマンガがヤンキー時代劇からトンデモ剣術とんち漫画になった原因の1人。
新選組副長。芹沢の同輩。毒刃を用いる卑劣漢で、芹沢すら利用しようと目論む上昇志向の持ち主。
新撰組監察。常にガスマスクのような覆面をしている色黒の隠密。一度聞いたことを絶対に忘れず、再生できる驚異の人間テープレコーダー。
金次第で平気で裏切るが、金さえ渡しておけば絶対に裏切らないという、機械みたいな男。
新選組参謀。おべっかを使う小物だが、実はトーマス・グラバーに通じ、新選組と薩摩藩の両方から利を得ようとしていた。
幕臣・佐幕派
15代征夷大将軍。容保とは又従兄であり親友。
英米代理戦争、つまりアヘン戦争の二の舞を避けるべく自らがヘイトタンクになろうとするが…。
会津藩当主。髷がハート型。傘下である会津五流と浪士組(後の新選組)を戦わせる試合を取り仕切り、浪士組が全勝したことに伴い彼らを雇い入れる。
京都見廻組幹部。「小太刀日本一」と称される達人でオカマ口調。
幕府海軍奉行並。江戸城無血開城の立役者。
幕府海軍軍艦頭。運に拘りを持ち、幕府でも薩長勢力でもない第三勢力を立てようと考えている。
勤王派
薩摩藩
薩摩の生んだ豪傑。凄まじいカリスマ性を有する指揮官。
西郷の相棒。伊東と結託して新選組を潰そうと画策する。
西郷の腹心。幕末四大人斬りの1人で、西郷を狂信する。
幕末四大人斬りの1人。矛を操る。
薩摩藩志士であるが、久坂と結託して人斬りを行う。
西郷の従弟。大砲に西洋人の女性名を付ける大砲オタクだが、類稀なる遠距離砲術を有する。
土佐藩
土佐藩脱藩浪士で、薩長同盟の立役者。『天翔の龍馬』の主人公だが、本作では死ぬ。
土佐藩脱藩浪士。幕末四大人斬りの一人。
当初は温厚な性格であったが、兄貴分である武市半平太の入れ知恵により、鉄砲玉として数々の凶行に手を染めていくが、徐々に立場を失って追い詰められていく。
土方と関わった事で人生に光を見いだすことが出来た。
土佐藩士。龍馬と中岡慎太郎の仇と思い込み、新選組の殲滅に燃える復讐鬼。
長州藩
長州藩士たちのリーダー的立ち位置。常識人であり、頭のネジがぶっ飛んだ同志に頭を悩ませている苦労人。
松下村塾四天王随一の天才にして、ある意味本作を象徴する人。常に二丁拳銃を携え、眼鏡をかけた怪しすぎる風体の青年。自らをGODと称する超絶ナルシストで、革命に命を懸けている奇人変人。その強烈すぎる、太く短い一生は、良くも悪くも土方に大きな影響を与える。
四天王の中で最タカ派な。色黒でメカクレの異相の持ち主。「であります」口調で喋るテロリストで、目的の為なら手段を選ばない。爆薬使い。
四天王の中で最ハト派なおっとりした優男。槍の達人。
不世出の天才軍師。爆発頭で陰気で人の話を全く聞かないが、その戦術眼は長州一。
その他
怪物と称される異形の公家。筋肉ムキムキで、恐らく創作物史上最強の岩倉具視。
過去に京を追放されたことにより、再び権力の座に返り咲くべく西郷らと手を組む。
熊本出身の少年。普段は臆病な美少年だが、実は二重人格であり、幕末四大人斬りの1人。
周囲にあるものすべて(敵の武器や自分の四肢も含む)を用いて相手を虐殺する。
その他の登場人物
市川真琴
本作の聞き手。女性記者で、新選組の__そして、自分の祖父である土方のことを知る為、永倉に取材する。
琴
会津藩の雇った暗殺者の女。
後に土方歳三の子を宿す。
大英帝国の大商人。日本に武器と阿片を売って莫大な利を築くべく、武力討伐を推し進める薩摩藩に加担する死の商人。
旧幕府幹部の暗殺の為に、大英帝国傘下の7国から選りすぐった元死刑囚の暗殺者集団亡霊の騎士団(ウォリアーズ・オブ・レヴェナント)を派遣し、大阪から江戸まで撤退する慶喜らの船を襲わせる。
舞台化
舞台ちるらん
関連タグ
天翔の龍馬:スピンオフ元。本作とはパラレル設定。