黄金聖闘士の中で、蟹座担当は悪役であったり、ネタキャラ的な扱いをされることが多い。
どうしてこうなった
そもそもギリシャ神話的に「ヘラクレスに倒されそうになっている盟友ヒュドラを助けようと加勢した蟹(女神ヘラに命じられた・単なる通りすがりの説もあり)が、ヘラクレスに踏み潰されて死亡」と、黄道十二宮の中でも悲惨な話になっている。
原作の蟹座担当であるデスマスクは裏切り者の悪役であり、戦闘で一般人を巻き添えにして犠牲にする事も意に介さない外道だった。さらに「セインティア翔」においては敵勢力からの憑依対象になる危険があったとはいえ、聖闘士にもなっていない少女達を皆殺しにするという所業まで行っている。
その為最終的に聖衣に見放されて敗北する無様な最期を迎えてしまい、連載当時の蟹座生まれの少年達に非常に肩身の狭い思いをさせた。
ハーデス編で蘇った後もいかにも変わらず裏切り者らしい態度を貫き、ムウに敗北して冥界へ逆戻りさせられる。その際は命乞いをし、更にOVAではラダマンティスにボコボコにされてころころ転がるなど醜態を晒した。
その後の上昇(?)期
しかしハーデス編のデスマスクの行動には後でフォローの描写がつき、更に派生作品のエピソードGやギガントマキアではそれぞれ「ダークヒーロー」・「良い師匠」としての味付けがされた。
またロストキャンバスにおいては蟹座初の教皇就任者かつ善玉のセージ、その弟子で(元不良ではあるものの)やはり主人公の味方サイドに立つマニゴルドが登場し、蟹座の地位を急上昇させた。
そしてまた再び
しかしNDにおいてはおよそ美形とは言い難いオカマキャラのデストールが登場。当初は裏切り者ともとれる描写だった事もあり「黄金聖闘士=美形」のみを固く信じ期待していた層からは一時文句も出たものの、話が進むにつれ彼の外見では判断できない中身の味や意外な強さも解りネタ的な意味からも愛される向きも出てきた。
また、天貴星グリフォンのフェルメールとの戦いでは共闘していた一輝が追い込まれた時、切り札の沈黙の棺の巻き添えにしないように彼を巨蟹宮に避難させたりフェルメールのコズミックマリオネーションで身体が変形するほどのダメージを受けてもねを上げない根性を見せるなど、聖闘士としての矜持もしっかりと見せていた。
そしてΩで登場した蟹座のシラーは今までの蟹座担当には無い優男系の美形……。
と思いきややはり中身は自己中心的な非道裏切り者かつ強盗を重ねた犯罪者で、随所から「またか!」の慟哭が谺した。
そしてさらに小心者っぷりを披露したあげくにマグマに池ポチャという歴代でも情けない最期を迎え、再び「聖闘士星矢における蟹座=ネタキャラ」の安定っぷりを披露したのである(ただ、Ωでは蟹座に限らず扱いの悪い星座も割りといるので一概に蟹座ばっかりというわけではない。特に山羊座と水瓶座)。
二次創作において
原作および旧作アニメの十二宮においては蟹座は一方的な悪役イメージが強く、蟹座のファンにひたすら肩身の狭い想いをさせたものであった。
しかし上記の様に原作の進行や各派生作品でのそれぞれのキャラのベクトルは大きく違い、
結果「蟹座=なんでもあり枠」的な便利なイメージも産まれている。
そのせいか本編ではセージ・マニゴルド以外面識の無い彼らを組ませた二次創作作品も幾つかpixivにアップされている。
また星座占いにおける蟹座は「家庭的で面倒見がいい」という情報があり、その影響からかピクシブ内では「料理上手で身内に対して面倒見がいいイメージ」のデスマスクのイラストなどが多くあげられている。
余談
仮面ライダーシリーズ
何かと比較される仮面ライダーフォーゼでは、蟹座は「愉快犯」「根性の曲がった子」と評されるが一方で好きな落語をこよなく愛する飄々としたキャラで視聴者からの人気も高い。
メインライターの中嶋かずき氏は「蟹座は不遇な扱いが多いからかっこよく見せる為頑張った」事をムック本で語っている。
Starry☆Skyシリーズ
十二星座&蛇遣い座の性格特徴を持つ美形男性キャラクターが攻略対象の乙女ゲーム。
こちらにも蟹座生まれのキャラが登場するが、ゲーム作中での扱いは
・料理上手で家庭的な性格
(作中登場キャラから「オカン」と言われたこともあるが、言われた本人はれっきとした男子高校生である)
・作中で何かとケンカしがちな山羊座キャラと魚座キャラの仲裁をすることが多い
など、例外的に扱いではかなり優遇されている。
ちなみに星矢ロストキャンバスの蟹座キャラと本作の蟹座キャラには、中の人が同じという共通点もある。
聖闘士星矢Ω
第二シーズンでは専用のクロノテクター・フォトンテクターに蟹座のイメージを組み込んだ四天王・ガリアもかなりみっともない退場をしている。尤も彼女のみっともなさに関しては、氷河やカミュのファン達を逆撫でしまくり、黒歴史扱いされるまで落胆させた時貞の要素も大きいだろうが。
プリキュアシリーズ
星座要素は出てきたスター☆トゥインクルプリキュアでは黄道十二星座要素を含んだスタープリンセスがいたが、『彼女たちは今作の騒動の原因であり対策も杜撰という』星矢無印の蟹がマシなレベルの醜態をやらかしてしまっていた。
一方で歴代プリキュア戦士で誕生日が蟹座と設定されているキャラは2024年現在で六名もいる。しかも
- 海藤みなみ/キュアマーメイド(Go!プリンセスプリキュア):メンバー唯一の中学二年生であり(他三名は中学一年生)で面倒見のいいお姉さん枠。
- 愛崎えみる/キュアマシェリ(HUGっと!プリキュア):プリキュアにあこがれる小学生で、のちにプリキュアたちと知り合いになったのちに,ルールー・アムールと同時変身するタイプで覚醒。小学生で出自がプリキュアとかかわりがないのは彼女が初。
- 羽衣ララ/キュアミルキー(スター☆トゥインクルプリキュア):初の異星人キュア。世界を救うためのプリキュアを探す旅に出ていたところ地球で星奈ひかると出会い後に覚醒。彼女の持っているロケットは宇宙で旅するための移動手段となる。
- ローラ・ラメール/キュアラメール(トロピカル〜ジュ!プリキュア):故郷グランオーシャンを救うプリキュアを探す使命を課せられた人魚で夏海まなつの覚醒に立ち会う。後に自身も地上での経験を経て覚醒し、地上と海の軋轢に悩むことになる。
- 華満らん/キュアヤムヤム(デリシャスパーティ♡プリキュア):ラーメン屋の娘で割とハイテンション。初期は洗脳され悪の手先にされていた菓彩あまねことジェントルーの手で食べに行く先々で料理がまずくなるトラブルに巻き込まれており、自身のラーメン屋が標的にされた際に覚醒。後に洗脳が解けプリキュアに覚醒したあまねと和解する
- 虹ヶ丘ましろ/キュアプリズム(ひろがるスカイ!プリキュア):異世界キュア主人公であるソラ・ハレワタールの初めての異世界の知り合いであり居候先。ちなみに彼女は祖母ヨヨがスカイランド人のクォーター。
と、主人公こそいないものの二番手とか追加戦士枠で登場し世界観と密接にかかわる設定の持ち主であることも多々あるという割と重要なポジションを担うことが多く、いい意味で安定している。
シリーズでガチで不遇なのは今現在誕生キャラがいない水瓶座であろう。
宇宙戦隊キュウレンジャー
本作では蟹座のキュータマは変身用ではない「スキルキュータマ」のため、対応するキャラはおらずキュータマの能力としてはハサミが出てくるくらいである。
ただし、メインライターの毛利亘宏の誕生日は蟹座であり、本作のインタビューで星矢シリーズの蟹座の扱いについて若干言及はしているので、意識しているところはあるようである。
(毛利は1975年生まれなのでちょうどリアルタイム世代である)
メダロット
- クラバーニカ・・・メダロットRに登場した蟹座型メダロット。
左腕は防御パーツ並みに重装甲な重力射撃パーツで、カタログスペック自体は低いものの
ねらいうち行動(脚部の推進値が威力に上乗せされる)と貫通特性(敵のパーツ破壊時に
余剰ダメージが他のパーツに転移する)により、チートパーツと化している。
しかも、クールタイムも短いため、高火力を連発できてしかも頑丈と、かなり優遇されている。
- キャンサー・・・メダロットNaviに登場した蟹座型メダロット。
装甲はかなり低いが、頭部に単発クリア(ダメージを1回だけ無効化するバリアを設置)を装備。
両腕はビームやミサイル等に変形する威力タイプの対応変化パーツ。
歴代のラスボス等のパーツにも変形するため、なかなか凶悪。
関連タグ
ロストキャンバス ギガントマキア 聖闘士星矢Ωセインティア翔
そして再び…
↓以下ネタバレにつき注意!!
LegendofSanctuaryにおいてのデスマスクは、
巨蟹宮の死に顔たちにコーラスさせて自らも歌って踊るミュージカルシーンを披露したり、
(中の人が過去に声を当てた俳優へのオマージュだろうか)
ルックスがさらにガラが悪くなっていたり(隻眼、髭面&胸元・腕・背中に彫られたタトゥー)とかなり濃いキャラクターになっていた。
原作同様紫龍と戦い、彼を甚振るものの城戸沙織を小馬鹿にしたことで紫龍の逆鱗に触れてしまい、その上旧作同様聖衣が逃げて黒ビキニパンツ一丁となり、命乞いをして紫龍を不意討ちしようとするが失敗。
負け惜しみのように彼を「鉄屑」呼ばわりするも「屑はお前だ」と皮肉られた後、廬山昇龍波を喰らってシラー同様マグマに池ポチャされる最期を迎えた。
この時、旧作デスマスクは意気揚々と紫龍に打ち勝とうとしていたのだがこちらは特に抵抗もせず、思い切りビビりまくった挙げ句「こんな鉄屑如きにぃぃぃ!」という断末魔を上げるという旧作以上に情けない姿を晒しており、またしても蟹座のネタ枠化が加速してしまうのであった………………
……とはいえ「上司に瞬殺された人より出番と戦闘シーン多かったし、そもそも出番0の人もいたからある意味おいしいんじゃね?」という見方もあり、賛否両論が分かれている。
しかしその後、黄金聖闘士達の活躍を描いた黄金魂では原作のデスマスクが思わぬ成長と活躍を見せてかなり株を上げたため、現状は『カッコいいとネタを両方こなせるおいしいポジション』に収まっている。