「聖闘士星矢」の旧作においては、山羊座担当の黄金聖闘士・シュラは裏切り者キャラであり、多くの山羊座の者達が星座カースト制度で涙を流した。
しかし紫龍に対するエクスカリバー関連の扱いやハーデス編での勇姿にその評価はじわじわと上がって行く。
加えてロストキャンパスの山羊座のエルシドにネクストディメンションの以蔵と山羊座の担当キャラはいずれも聖剣を使う硬派な男前として描かれ、星座カースト上位陣程チート能力や派手な活躍はないものの地味に好感度を上げていくいいポジションが築かれていたのだが……
それから幾星霜経ち……『聖闘士星矢Ω』で「黄金聖闘士が2人いる」という設定が3話で明かされると、旧作黄金聖闘士の蘇生を期待する者や旧作の白銀聖闘士・青銅一軍メンバーの昇格を期待する者・ついに出るかアリエス貴鬼などと多くのファンが妄想と期待に胸をふくらませた……
がしかし。
2012年4月下旬、とある幼年向け雑誌において。
「学園長 (カプリコーンのイオニア) 正義の黄金聖闘士だったが、マルスの力にひかれ、アテナをうらぎった」
との豪快なネタバレが公表され、ネタバレチェッカーの間で動揺が走った。
またこの時は雑誌の正式発売日がGW最中であったことから、雑誌のフラゲ→ネタバレ系スレッド等への投下が行われる日程がさらに前倒しになったという事情もあった。
ネタバレを見ない主義の者達や存在を知らなかった者達は8話の予告で公表されたタイトル「宿命の出会い!衝撃の黄金聖闘士!」に期待と不安に胸を膨らませつつ第8話のオンエア当日の2012年5月20日を待った……
そして当日。
- ネタバレ通り、山羊座はよくわからないジジイ(イオニア)
- やはり今回も出た黄金聖闘士の裏切り者。自ら早々に「崇高な裏切り者」宣言
- 前任者シュラの細身美形の容姿に対し、イオニアの爺とも思えぬごっつい巨体
- エクスカリバーのエの字も無し 前任との関係・過去不明
と正に阿鼻叫喚に叩き落とされ、ある意味タイトルが間違ってなかったことを痛感した。
影では「ジャイアントカプリコーン」「オールド聖闘士、いやこれこそシルバー聖闘士か」などとささやかれている。
余談だが同じニチアサの『仮面ライダーフォーゼ』でも同日のオンエアにおいて山羊座の敵キャラが退場し、もはや山羊座にとっていじめとしか思えないシンクロであった。
そしてまた悲劇は繰り返される……
その後
イオニアの初登場当時の2012年5月頃は「黄金聖闘士=若くてイケメンでかっこいい」という先入観を持っていたファンも多く、それ故に上記のように「山羊座が悪役で老人」という設定は当時としては全くの予想外であり、多大なインパクトを与えた。当時NDで美形でない黄金聖闘士であるデストールも既に登場していたもののデストールはオネエキャラならではの面白さや、高い洞察力と戦闘力と生存力を兼ね備えた強者の為、ファン全体に免疫をつけるには至っていなかったようである。
28話からΩ本編の方は「十二宮編」に突入、結局当初の「黄金聖闘士は2人」は完全にブラフであったことが判明した。
他の星座担当にも色々と濃そうな面子が用意されており様々に波乱があったが、山羊座と獅子座で免疫の出来た視聴者も多かったのか騒動はだいぶん落ち着いている。
が、イオニアは最期に赤子のアテナに惚れ込みストーカー的な愛をこじらせたあげくの裏切りであったことが判明し、さらに学園長時代の威厳を感じる事ができない無様な闘いをして敗退したため山羊座者を再び地獄へ叩き込んだ。
また、上記のエピソードにより視聴者からは「ペドニアさん」との渾名も付けられている。
それだけでなく、Ωにおける星座カースト制度の最下位か下から二番目にまで叩き落とされるという事態になった。
山羊座は泣いても怒ってもなんの問題もない
そしてまさかの…
2014年6月21日に原作の「聖域十二宮編」をモチーフとした映画『LegendofSanctuary』が公開された。
その映画作中での山羊座の扱いにも、驚くべき展開が待ち受けていた。
↓以下ネタバレ注意!!
映画本編中盤、ミロのスカーレットニードルによって人馬宮に飛ばされた星矢・瞬をシュラが迎え撃つ。
逆に一輝を返り討ちに追い込む。
そしてシャカによって真の敵の正体を知らされ、他の黄金聖闘士たちと共に聖剣を駆って敵の操る巨大石像を破壊するのであった。
山羊座の株は回復したといえよう。
またキャラ設定画でも、オールバックで両耳に4個のピアスを開けており、
真のアテナの正体を知らされた時、彼は「マジかよ!」という台詞を発した。
また性格設定も公式サイトにて「血の気が多く好戦的な性格」との記述がある。
生真面目でアテナへの忠誠心篤い性格として描かれていた旧アニメと比べると、
かなり現代風なアレンジが加えられたキャラであることが窺える。
が、ブルーレイ購入者の抽選特典での台本プレゼント当選者からもたらされたネタバレによるとそんな彼の本作での年齢設定は36歳であり髭のおっさんキャラと化したデスマスクよりも1歳上になっており、再びファンに「マジかよ!」と驚きを与えたのだった。まぁこの点に関しては原作同様に濡れ衣を着せられたアイオロスの追討に向かったのが16年も前となっており、その時に大人の黄金聖闘士としてサガとともに挟撃してる姿がオープニングで描写されているので仕方ないのであるが。
更いえば原作では13年前に起きたとされるこのイベント、当時のシュラは僅か10歳で原作では相応にガタイのあるサガやアイオロスと老齢姿の童虎以外の黄金聖闘士が幼少の姿で黄金聖衣を纏っていたにもかかわらず、アニメだと大人の背丈で戸谷公次の大人の男性声でアイオロスと交戦しているという更にカオスなことが起こっている。