蟹座のデストール
きゃんさーのですとーる
蟹座のデストール(キャンサーのデストール)は『聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』に登場するキャラクター。
聖域十二宮の巨蟹宮を守護する蟹座の黄金聖闘士で、『棺桶屋のデストール』とも呼ばれる男。現世に未練を残し舞い戻ってきた亡者を、自作の棺桶に詰めて冥界へ送り返しているらしい。
生きた人間も棺に詰めて黄泉比良坂に送ることも可能(天馬と瞬を日本式の伝統的な省スペース型に詰め込んでいた。日本式は作り慣れていなかったらしく、落とす前に自然崩壊したが)。
赤毛の逆立った髪にしゃくれ顎の細マッチョでお世辞にも美形とは言い難い容姿の上にオネエ言葉で喋る聖闘士(性別に関しては自分が正真正銘の男であることは認めている)であり、アテナとハーデスの内勝った側に付くと豪語するなど日和見的で狡猾な面を見せる。
しかし「男を見る目は確か」と自称する通りガルーダの水鏡がアテナを裏切っていないことを見抜くなど、その洞察力は確か。
加えてその様なキャラに反して実力は相当なもので、水鏡の技を早々に見切った上にダメージで弱っていたとはいえ水鏡・天馬・瞬の3人を一方的に反撃の余地も与えず叩きのめすなど実力はかなりのもの。
しかし切り札とも言うべき「沈黙の棺」で3人まとめて送ろうとしたのが裏目に出て、天馬の騙し討ちで逆に「沈黙の棺」に閉じ込められてしまいやっと退場した。
退場時の叫び声は『AJYAPAAA~!!』
……と思いきや黄泉比良坂で棺に入ったままあわや冥界行きのところを冥闘士達に寝返りを条件に助け出され、あっさりと寝返りを了承し再登場。
カイザーと対峙、かと思いきや冥闘士を彼が始末したのを見届けるととっとと自分の宮に帰った。
その際カイザーに倒されて瀕死状態のワームの冥闘士を「ピーチアタック」で倒している。
瀕死になりながら前進しようとする水鏡を思って涙を浮かべ、彼を追おうとするカイザーを一喝してまで止める等、人情は意外とある模様。
フェニックス一輝とは特に戦おうとせず通そうとしたが、「借りを作りたくない」という主義の一輝の意向もあり彼に棺桶に亡者を詰めて黄泉比良坂に送る作業を手伝ってもらうも、黄泉比良坂から攻め入ってきたフェルメールと配下の冥闘士たちと対決。しかし、実力者のフェルメールが前に出てからは下手に出るが、聖闘士としての使命を果たそうとする一輝を始末と称して巨蟹宮まで戻し、一度はフェルメールを「沈黙の棺」に閉じ込めるも、彼のコズミックマリオネーションの糸が出ていたため閉じ込めに失敗し、全身を文字通りに丸め込まれて痛めつけられ、聖衣どころかカツラまで外される。そのときに実は2323だったことが判明した。
その後は、実は策のために自分を逃そうとしたデストールの助勢のため改めて一輝が現れて形成は逆転。最後はやられた借りを返さんと丸まった状態から転がってピーチボンバーを決めてフェルメールを倒した。
ファンの間では「カニカマ姐さん」などとも呼ばれており、本シリーズでは珍しく「美形じゃないのにものすごく強い」異色のキャラである。
また、フェルメール戦で一時は追い込まれた一輝を”沈黙の棺”の巻き添えにせぬよう配慮して現世に退避させる行動をとっており、巻き添えを出すことを屁とも思わない後世の蟹座を叱責して黄金聖衣を剥奪するぐらいの良識はある模様。
当該項目参照
- ピーチアタック
敵を尻で踏みつぶす技。
わざわざ黄金聖衣で覆われていない部位で攻撃しており、打撃技としての効果が期待できなさそうな格好だが、実際には冥衣を破壊して敵にとどめを刺す恐るべき威力を備えている。
打撃攻撃を繰り出す黄金聖闘士は牡牛座(掌)、獅子座(拳)、山羊座(手刀)がおり、牡牛座と獅子座は聖衣で保護された部位で攻撃している。
山羊座の聖闘士は指先まで聖衣で保護されていないにもかかわらず、全く問題なく必殺技を繰り出している。
つまりデストールのケツは山羊座の聖剣の位まで鍛え上げられていると考えられる。
他の蟹座の聖闘士がこの技を使う様子は無いが、技の難易度を考えれば無理もないところであろう。
- 蟹座八方美人(キャンサーオールビューティー)拳
その名の通り、八方から迫る敵を迎撃する、対多人数用の闘法と思われる。蟹座の聖闘士には珍しい物理攻撃。
「星座名+描写+攻撃方法」という技名は「ペガサス流星拳」と共通するが、こうした技名は実は非常に少ない。
他に確認できる例は「鳳凰幻魔拳」「カイトススパウティングボンバー」などがある。
「ヘラクレス猛襲拳」は星座名が該当するのかどうか微妙なところ。
- 娑婆陀芭陀亜(シャバダバダア)
一輝を黄泉比良坂から脱出させた技。デストールは黄泉比良坂へ足を踏み入れる機会が多かったため、そこから帰還するための手段として備えていたものと思われる。
- ピーチボンバー
通称「桃爆」。上記ピーチアタック同様のヒップドロップ(ただし、コズミック・マリオネーションで丸められた状態だったために転がって体当たりにも見える)で、この技により天貴星グリフォンのフェルメールを倒している。正式な技に含めていいのかは果てしなく謎(即興で繰り出したアレンジ技という可能性も高い)だが、その光景に色んな意味で気圧された一輝は、「恐ろしい技だ」と苦笑気味に評した。
外見はともかく冥界三巨頭の一人を撃破した威力は確かなもので、その功績は後世に語り継がれることだろう……が、残念なことに、その現場を目撃している一輝の記憶が消されてしまったため伝承が途絶えてしまう可能性が高い。
蟹組
エピソードG.A(重大なネタバレ注意)
(少なくとも)エピソードG.Aの物語においては後世のデスマスクの師匠という設定になっている。
だが、以蔵のように生き返ったわけでなく、死した状態(魂)でデスマスクを育てた。シュラ達を連れ戻すために冥界にやってきたデスマスクと再会し、助言した。私服は半裸ジャケットとやたらかっこいいが、顔立ちとオネエ言葉は相変わらずである。