解説
聖衣の中で特に強力なもので、黄道十二宮=太陽の力が蓄積されており、太陽の光が弱点である相手への効果も高い。また、体を覆う面積も大きく、露出しているのは頭部の一部、首の一部、二の腕の一部、大腿の一部ぐらいである。
地上最強の聖衣と謳われ、神話の時代より多少の破損はあれど完全に破壊されたのは現代まで一度足りともなく、絶対零度でなければ凍結させられない。
十二星座を元にはしているが、「星座絵」(天球図に描かれている星座の絵。プラネタリウムなどで目にするもの)を元にしている訳ではないので、オブジェ形態が星座絵とは乖離しているものも多い(黄金聖衣に限った話ではないが)。また、どう考えても『聖衣箱』に入らないとしか思えない大きさの聖衣も多い。
射手座(サジタリアス)の聖衣には「黄金の矢」が装備されているものの他に、神話の時代に女神より形状の異なる女神の矢も授けられ、対『蛇遣座のアスクレピオス』に用いられた。
天秤座(ライブラ)の聖衣は分解して武器にもなる(掟により使用には制限がある)。
下位の聖衣は基本的に聖衣箱にいれて持ち運ぶ必要があるが、黄金聖衣は持ち主が呼べば離れた場所からも召喚できる。また過去の装着者の思念が宿っており(※)、後に主人公達が青銅聖衣を破壊された際は、黄金聖衣が飛翔し分解装着し危機を脱する場面が何度かある。
更には装着者全員が行動不能に陥り、アテナすら同じ危機的状況の場合は勝手に装着者の手を離れ、彼女を十二方位に取り囲み鉄壁の陣を敷く。1箇所だけ欠けたら終わりだが、射手座の方位ならば罠と言わざるを得ない。何故なら遠方から射れば魂すら冥府の底へと送還させる『女神の矢』で滅するのだから。
白銀以下の聖闘士でも一時的に着用すること自体はできるようであるが、十分に力を引き出せるには、小宇宙がセブンセンシズに達している事と、それ相応の高い技量が必要。
例外
相討ちになった後、紫龍の志を認め彼を救うために纏わせた。
※デスマスクは重ねた悪行により聖衣に見放され装着が自動的に解除されたが、アテナ抹殺を図ったサガや、聖域を完全に裏切ってマルスの手下になったイオニアにも着用を許しているというケースもあるので、聖衣の意思の基準がどのあたりにあるのかは不明。まぁ蟹座の聖衣が装着解除されたのもデスマスクが劣勢になってからの話なので、装着者の小宇宙が弱まらないと何もできないのだろう。
実は主役五人の十二星座に対応したものを装着している。
瞬と一輝は物語終盤エリシオンで装着するも、直後に五つの聖衣は、死を司る神族「タナトス」の攻撃で破壊される。彼より格上であるポセイドンの攻撃には何とか耐えていたが粉砕されたのは謎。恐らくアスガルドでのグングニルの槍を巡る邪神ロキとの死闘で、黄金聖衣が著しく疲弊していたのが原因ではないかと推測される。
但し、ロキとの闘いは後年の後付け設定なので、当時は「ポセイドンが本気(本調子)でなかった」という説が有力であった(そもそも『ポセイドン編』はカノンが起こした「偽の聖戦」であり、ポセイドンが本気を出すのは200年以上先の予定)。
各聖衣についての解説
装着者についての解説は黄金聖闘士や、各黄金聖闘士の個別記事を参照。そこにここには書かれていない聖衣解説文が書かれている場合もある。なお、以下の文で「初登場/披露」と述べている場合には「聖衣分解装着図」や扉絵で描かれている事などは初登場に含めないものとする。
牡羊座
特徴は装着時に肩に乗っている羊の大きな角。初登場は十二宮編の最初、星矢たちが第一の宮白羊宮を訪れた時にムウが身に纏っていた。聖衣よりも装着者の方が先に登場していたが、ムウが装着者である事はこの時初めて明らかとなった。オブジェ形態の登場はハーデス編終盤で嘆きの壁を打ち破った後。
牡牛座
特徴はヘルメット型のヘッドパーツに付いている牛の角。初登場は十二宮編で星矢たちが第二の宮金牛宮を訪れた時にアルデバランが身に纏っていた。装着者と聖衣の登場が同時。オブジェ形態の初登場はポセイドン編でアルデバランがソレントと戦った際。
双子座
特徴はヘルメット型のヘッドパーツの側面についているダミーの仮面。黄金聖衣中最も体表を覆う面積が大きい。初登場は十二宮編で星矢たちが第三の宮双児宮を訪れた際に装着状態を披露した。オブジェ形態は双児宮戦が終了した際。ただしこの時は遠隔操作状態であったため、実際の人物が装着していた訳ではなく、実際の装着状態が披露されたのは星矢が教皇の間にたどり着いた際。
蟹座
特徴は額あて型のヘッドパーツの左右についている蟹の脚状の飾り。初登場は十二宮編の開始前に童虎抹殺のために装着者であるデスマスクが装着状態で五老峰に現れた時。オブジェ形態の披露は十二宮編で巨蟹宮で紫龍と交戦した際、黄泉平坂において。
獅子座
特徴は東洋の獅子のような模様がところどころにある事。初登場は十二宮編の開始前にアイオリアが星矢抹殺のために星矢の入院している病院に装着状態で現れた時。オブジェ形態の披露はハーデス編終盤で嘆きの壁を打ち破った後。
乙女座
特徴はオブジェ時には羽根であるパーツが装着時には肩をガードするパーツになっていること。初登場はデスクイーン島で一輝が暗黒聖闘士のジャンゴを倒した際に、シャカが装着して登場した。オブジェ形態の初登場は十二宮編で処女宮での戦闘が終了した後。
天秤座
特徴は聖衣が6種類の武器になる事。初登場は十二宮編で天秤宮に鎮座していた事。装着状態の披露はポセイドン編で紫龍が装着した時。
蠍座
特徴は肩についているトゲ。初登場は上述のアイオリアが星矢抹殺の使命を受けるために教皇の元に現れた時、その場に現れたミロが纏っていた時。オブジェ形態の披露はハーデス編終盤で嘆きの壁を打ち破った後。
射手座
特徴はオブジェ形態でも装着時も変わらない羽根(一応装着時に収納することも可能だが収納されたことは無い)。現代での射手座の星座図には羽根はない(ギリシャ神話のケイローンにも羽根は無い)が、射手座が産まれた古代バビロニアにおいては射手座はパピルサグという怪物であり、しばしば羽根を持っている生物として描かれているので、この要素を取り入れているとするならば何もおかしくはない。初登場は序盤の銀河戦争編であるが、この際は城戸光政が細工した偽の姿であり、本来のオブジェ形態は上記の「獅子座」で述べたアイオリア襲来の際、装着状態はその際に星矢が身に纏った時に披露した。
山羊座
特徴は額あて型のヘッドパーツに付いている角。初登場は十二宮編で磨羯宮を訪れた際にシュラが装着していた事。オブジェ形態は同じく十二宮編で一輝が磨羯宮を訪れた際に披露した。
水瓶座
特徴は水瓶部分が腕パーツになる為、オブジェ状態での腕部分は脚パーツになる事。初登場は十二宮編で氷河が天秤宮に飛ばされた際にそこで氷河を待っていたカミュが装着してた時。オブジェ形態はポセイドン編で氷河の危機に現れた際に披露した。
魚座
星座図では二匹の魚であるが、この聖衣のオブジェ形態は一匹の魚であり、これではみなみのうお座との区別がつかない可能性がある(黄金聖衣である魚座はパーツが多い分、青銅聖衣か白銀聖衣かのみなみのうお座とは差別化できるであろうが…)。特徴は全身に魚のうろこっぽいトゲトゲした感じがある事。初登場は十二宮編で双魚宮を訪れた際にアフロディーテが装着していた事。オブジェ形態の披露はハーデス編終盤で嘆きの壁を打ち破った後。
Ωにおいての設定
本作では聖衣が聖衣石の形態になっており黄金聖衣も例外ではない。が少なくとも天秤座、水瓶座、蠍座の聖衣はオブジェ形態の設定は残っている。装着者はオブジェ形態を聖衣石形態に自身の意思で転換する事が出来るようである。
また「聖衣の意思」設定も健在であり、天秤座の聖衣は主人公らの味方に立つ玄武の手へ管理していた紫龍のもとを離れ自ら飛んで行ったが、水瓶座の聖衣はマルス側の選んだ人物に着せられるのを嫌ったらしくメディアが術をかけることで無理に時貞に着せているが、聖衣に選ばれていない時貞は十分な力を発揮しきれず戦闘が少し長引き出すと消耗が激しく、聖衣に選ばれていた玄武に破れている。
また、同じく急遽火星士から任命されたソニアも内心の動揺から小宇宙が乱れたため、技を発動する際に暴発したが、その直前に聖衣が自ら離れている。
天秤座、水瓶座の前任者を考えると、死してなお弟子らに思うところがあったのであろうか。
黄金魂での設定
嘆きの壁で黄金聖闘士全員が落命するも、その後彼らはアスガルドにて蘇生。
その際、双子座・蟹座・山羊座・水瓶座・魚座・牡牛座はアテナの涙を受け、射手座はかつて赤子のアテナを助け、さらに獅子座はアテナよりアイオロスからの遺品を受け取った事で、不完全ながらも神聖衣に進化する力を得ていたことが判明する。またアテナの加護を受けていない乙女座・蠍座・牡羊座・天秤座も、かつてアテナが自身の喉に突き当てた黄金の短剣の力を借りる事で同じく不完全ながらも神聖衣に進化できる。(但し小宇宙の消耗は半端ではなく、短剣の力で神聖衣を発動させたミロは、その後すぐに力尽き、ユグドラシルの根に囚われてしまった)
またユグドラシルを巡る最終決戦では、エリシオンのアテナより霊血の染み込んだ花びらが届けられ、12体の黄金聖衣は完全な神聖衣へと進化を遂げた。ただ12体の黄金聖衣は、いずれも一度ロキの罠によってユグドラシルの糧に利用され、さらに激戦に次ぐ激戦のために強度が低下し、前述の通りタナトスから容易く破壊されたのではないかとされている。
LegendofSanctuaryの設定
大型のレリーフより聖衣が召喚されるシステムに変更されている。(青銅聖衣はドッグタグから召喚される)
かなりメカメカしいデザインになっており、全力で小宇宙を燃やした際にはマスクがフルフェイスモードに変形する。また資格者の心が邪悪に満ちた時は、原作通り資格者を見限って自分の意志で外れる。