概要
CV:大友龍三郎
パライストラの学園長で、老齢の男性。だが本人はあまり学園におらず学園長代理に実務を任せっぱなしにして外出していることが多い。
当初より何か光牙に含む所のあるような態度を見せたり、聖闘士ファイトの開会の挨拶でアテナに一言も触れなかったりとあからさまに裏があるところを匂わせていた。
その正体はカプリコーンのイオニア、つまり山羊座の黄金聖闘士であり同時に聖闘士でありながらマルスの信望者である。属性は風。
「森羅万象全てを知り尽くした知恵知性の黄金聖闘士」「崇高なる裏切り者」を自称する。
黄金聖衣は旧作アニメ版を踏襲したようなヘルメット型のマスクに上半身部分の裾が伸びたデザインとなっている。聖衣石は緑色で楕円形。
身長もかなり高く、老齢であるにもかからわずその体躯は筋肉が隆々とした逞しい物。体力も全く衰えておらず、光牙のペガサス閃光拳を指先二本で受けて動じないばかりか逆に光牙を指先だけで壁にめり込ませるほど。
また技の「ドミネーションラングウェッジ」では表紙に剣の絵が描かれた書物を召喚し、「言葉」を用いて相手の体を操るなど技の面でも圧倒的である。
それに加えて闇の力を操れるようになっており、偽アテナとして祭り上げた少女アリアをコントロールしている。
かつては一度聖闘士を引退していたが、城戸沙織の招きで現役復帰しパライストラの学園長になっていた。しかしその後マルスの力に魅せられて密かに沙織を裏切り、マルス陣営から教皇の座を約束されていた。
裏切った時期については不明だが一摩が殺害される直前頃の時期には既にパライストラ内で不穏な動きがあったことが26話で判明しており、龍峰が入学した頃には既に学園を不在がちであった模様で裏切り時期はかなり早かったことが窺える。
強大な光の小宇宙を持つアリアを偽のアテナに仕立て上げ、パライストラの生徒を育成しマルス用の戦士として捧げていた。光牙のことも当初は利用しようと考えていたようであったが、彼にアリアの正体がバレたことで方針を転換したようである。
8話の終盤でパライストラの結界を破壊、学園を闇の牢獄としアリアを連れて去った。
30話ではハービンジャーをマルス側の黄金聖闘士要員としてスカウトしていたことが判明。
その実力は「我らが黄金聖闘士最強の戦士」と魚座のアモールの口から語られている。
最初の現役時がいつであったかは不明だが、城戸沙織が赤子として聖域に降誕した際には既に引退しており、OBの立場として聖域に出入りしていたようである。その際に赤子の沙織に魅せられ、彼女のために後進を育成しようと決意した。その後サガがシオンを殺害し沙織が日本にいた時期は聖域を離れていたようである。
しかしその沙織への忠誠心はある意味ストーカー的な独善性が強く、聖域を離れた後は聖闘士を育成する訓練所を独自で立ち上げていたが相次ぐ戦闘で沙織が身を削っていると聞き焦るあまり弟子達へのしごきが度をすぎたものになっていった(※毎回の如く沙織が護衛の聖闘士も付けず単身敵陣に乗り込んでは捕まるという事をやらかしているのが原因であって、別に聖闘士達が不甲斐ないわけではない)。
結果弟子達に反乱され、その際弟子を皆殺しにしてしまう。
そのことに後悔し自ら辺境の牢獄へ閉じこもり本を書いたり読んだりの暮らしであったが、成人した沙織(杖をついていることから13年前に魔傷を受けた後の時期のようである)が自らその牢獄に訪れ彼女に請われて現役復帰し学園長となった。
しかし学園長となった彼のもとにメディアが訪問し、「沙織をアテナであることの苦しみから解放できる」と囁き彼を引き込んだ。光牙、ユナと戦闘時に上記の経緯を語り、自分の行為を「アテナへの愛」と語るが、その独善性に怒った光牙に反撃される。しかし技でユナと同士討ちをさせ、光牙の闇の小宇宙を燃やさせるが結果それが光牙のセブンセンシズ覚醒を招きペガサス彗星拳を撃たれる。その拳の光に歓喜し防御することもなくダイレクトに技を受け、恍惚とした表情でさらに老いていきながら最期を迎えた。
彼の死後、聖衣は聖衣石の形でアテナ軍側に回収された。
彼の主張は「アテナさえ無事であるならば、地上の愛と平和は守られなくても構わない」というものであり、原作のアフロディーテが宣言した、「地上の愛と平和を守る力があるならば、それがアテナでなくとも構わない」という主張と、正反対のものになっている(どちらも平等に危うい論理ではあるが)。
また、歴代山羊座との共通点が少ないと言われているイオニアだが、アニメ版で性格が改変されたシュラは、アテナへの強すぎる忠誠心故に真実を見抜けなかったキャラクターとなっており、こちらとはある意味似た物同士と言える。
原作・旧作アニメ・派生作品を通じてハクレイ以来の珍しい現役老人聖闘士である(原作での童虎は年齢はいっていたが中身は若い肉体でありシオンは老人だったときはマスクを被って教皇をやっており、後に登場したときは若返っていた)。
上記の戦闘中に自身に技をかけて肉体を若返らせており、実年齢がいったいいくつだったのかは不明である。下手をするとシオンらよりずっと歳上だったのかもしれない。
また彼は沙織には独善的な愛を向けていたもののアリアにはまったく気遣いする様子を見せておらず、闇の力で締め上げて破壊に利用するなど酷い扱いをしていた。そのせいか、8話でのアリアの態度からすると彼女にも嫌われていた模様(彼女は自分を酷い目にあわせていたマルスやソニアにも慈愛を見せているのでここまで言われるのは相当である)。
いつの黄金聖闘士だったのか?
作中での沙織らの台詞から、イオニアはパライストラ建学以前にも黄金聖闘士であった時期が存在したことが明らかになっている。
この時期がいつ頃であったのかは作中では明言されていないが、原作開始の13年前の沙織降誕時点では既に引退していたと本人が語っており少なくとも当時10歳だったシュラより以前の代なのは確かである。
「何代ものアテナを見守ってきた」ことや、彼がエクスカリバーを受け継いでいる描写が見られないことや後の別作品の設定も加味すると、数百年前の以蔵のさらに前の時期に黄金聖闘士となっていたのではとも考えられ、下手したらクレストを上回り聖闘士星矢作品全体を通して最高齢の人物に名を連ねてもおかしくはない。
エクスカリバーを使っていなかったことも、イオニア以降の世代によって発明された技であるとか、ドミネーションラングウェッジの凶悪な性能故にイオニアがエクスカリバーを習得していても使う必要が無かったなどの説が考えられるが、この辺りの正確な事情は定かではない。
ただシオンのように仮死の法を施さずとも200年以上生きる者もおり、彼も数百年以上生きていたとしても特に矛盾は無い。
技
- ドミネーションラングウェッジ
表紙に剣の絵が描かれた書物を召喚し、相手の体の自由を奪い操る。
元はアテナへの崇拝を込め書物に向かった日々の積み重ねが、一種の悟りの境地となって具現化したもの。
- カプリコーンホーンスラスト
「アルティメットコスモ」で披露。
両腕を突き出し、聖衣の角を活かした頭突きを見舞う。今の所唯一の山羊要素。
ドミネーター・コンビネーションはドミネーションラングウェッジとのコンボ技である。
余談
尚、Ωでは水瓶座の装着者である時貞も『力そのものが目的で何のために力を振るうのかという美学がない』『修行面がおなざりだったのか実力が伴っておらず結局黄金聖衣を使いこなせなかった』等失態を晒しまくり水瓶座生まれを落胆させたためΩの最下位候補は水瓶座か山羊座となった。
が、時貞は二期で刻闘士に寝返った挙句かつて身にまとっていた黄金聖衣を自分の未熟さを棚上げして鉄クズ呼ばわりしてキグナス氷河(とみずがめ座ファン)の逆鱗に触れ、「最も弱く容易い敵」と酷評されながらフリージングコフィンで氷漬けにされ退場という醜態を晒したため、時貞はもはや装着者とすら認められない黒歴史扱いされてしまったのであちらよりはわずかにマシか。