概要
CV:関智一
37話で初登場する、乙女座(バルゴ)の黄金聖闘士。
「断罪と救済の黄金聖闘士」・不動明王の化身を自称する。属性は火。
緑髪長髪、褐色肌、左目が金色・右目が紫のオッドアイをもつ美形。血液型はO型。
体格は所謂細マッチョで背が高い(58話では玄武と大差ない)。また、両耳に黄金のピアスをつけている。
実はマルスの友人で、彼の「世界を一度破壊し作り直す」的なディストピア思想に賛同しておりそれを「救済」と称している。
「遥か長い年月人類を見守ってきた」と言っているが、いったい年齢は幾つなのか不明である。
貴鬼に「黄金聖闘士の中でも一二を争う小宇宙の持ち主」と言わしめる実力者。
神々しい演出と前任者を彷彿とさせるチート的な強さも相俟って安定の乙女座と評するに相応しい。
生身でも圧倒的な力を持っており、聖衣無しで光牙ら5人を圧倒。尚も諦めない彼らの決意に感じ入り涙を流すと、「全力をもって倒す」決意で聖衣をまとい再び5人を完膚無きまでに叩きのめす。
そして5人に止めを刺そうとした所で現れたエデンと対決する事になる。
エデンに明王来臨を破られると「宇宙の真理を静かに教え諭す姿」で周囲を静かな竹林と化し蒼摩ら4人の戦意を失わせた……が光牙やエデンには効かず、エデンが光牙ら5人を先へ飛ばしたためエデンと1対1の勝負を行う。
最後の「悟りそのものを体現する姿」での審判の間で彼を追いつめたもののセブンセンシズに覚醒したエデンに吹っ飛ばされた。
さしたるダメージはなかったようだがエデンの姿勢に思う所があったようで「マルスとどちらが正しいか見極める」として処女宮を元通りにしそのまま彼を通した。
48話では天秤宮までやってきて貴鬼、ハービンジャー、玄武とともに青銅聖闘士達を火星に送り届けた。その後は地球の崩壊を防ぐべく彼らと4人で共同で小宇宙を発揮して守り続ける。
黄金聖衣は肩付近のパーツは旧作と近いが膝当てなどのパーツが大きめになっており、より下半身が重厚な感じになっている。首元からはフリル状のスタンドカラーが覗き、羽衣のような布をまとわせている。ちなみにΩのマークが膝当てと肘当てと襟首部分にあり、中央付近の装飾もΩに見えなくもない。
普段は目を閉じ口元に笑みを浮かべ、光牙らにも丁寧な口調で諭すように話しかけているが、感情が高まった際は荒々しい口調となり、後述の技を使った時は殆ど顔芸な恐ろしげな顔に変貌した。
「三輪身」と呼ばれる3つの姿を持ち、それぞれ「自身に逆らおうとする者を力ずくで止めようとする恐ろしい姿」・「宇宙の真理を静かに教え諭す姿」・「悟りそのものを体現する姿」となっている。
処女宮の内部は、
- 「自身に逆らおうとする者を力ずくで止めようとする恐ろしい姿」では花畑に夕日の空が広がる風景
- 「宇宙の真理を静かに教え諭す姿」では静かな竹林の風景
- 「悟りそのものを体現する姿」では曼荼羅の広がる「審判の間」
へ変化する。
58話では沙織の前に他の黄金聖闘士らとともに詰めており、アテナ軍に正式加入したことが確認された。
その心境は長らく語られなかったが、マルスの目指す救済を阻止したアテナ軍が、地上の未来をどのように築いていくのかを、間近で見届けてみたいという想いからの行動であったことが、82話にて語られている。
こうした経緯や、(自称した通りなら)神と仏というある種対等な存在であることも手伝ってか、沙織の行動に対しては、意見を唱えることも多い。87話でハイペリオンからアテナとパラスの共倒れ計画を聞かされ聖闘士達を気遣って自分だけで行こうとした(というか以前の突進癖が出始めた)アテナを止める星矢と紫龍、自分だけで進もうとしたアテナを「神のすべき事ではない」と叱責したもののアテナと聖闘士達の「互いが想い合う心」という関係に理解と称賛を示す。もっとも、事情を知らないインテグラなどには、こうした態度を「無礼」と咎められることもあった。
玄武の死後は聖域に残った4人の中で仕切るようなポジションになり、パラスベルダの小宇宙の動きを遠く聖域からモニターして戦況を把握するなどしている。
73話では沙織の聖衣発動に貴鬼、ハービンジャーと立ち会ったのちパラスベルダの前線に共に降り立ち、パラサイト達に「新たな救済」と称した宣戦布告を行った。
Ω覚醒編
新シリーズである“Ω覚醒編”のOPでは、紫龍や貴鬼と共に、あの禁断の技を使用して87話ではハイペリオンを倒す為に実際に彼等と共に放っている。その技でハイペリオンの聖剣を破壊した後は光に飲み込まれ一時小宇宙が消失したものの、96話で3人共瓦礫の下に埋もれて無事だった事が判明した。
またパラス城突入後は、アテナがパラスの元に近づくにつれて生命力が削られていくのを星矢に示唆し、事態の深刻さを物語っている。
戦いの終結後は他の黄金聖闘士達とともにハービンジャーを教皇に推挙、受諾させることに成功した。
技
- カーン、オーム
念仏の後の一喝による攻撃。乙女座の伝統技。
- 諸行断罪
左手に持つ羂索(不動明王の持つ縄)により相手を縛り上げる。
- 生死即涅槃
諸行断罪で縛り上げた相手を右手の剣の剣閃で斬り裂く。肉体的ダメージのみならず、心も打ち砕く。
- 明王来臨
相手を磔にし、召喚した五大明王が光の槍を突き刺す。本人曰く「五大明王の裁き」。
この技を使うとフドウも不動明王のような憤怒の形相となる。
- 菩提証悟
「悟りそのものを体現する姿」での技。
右手の剣を媒体に衝撃波を放ち、相手を「審判の間」の下層へと叩き落とす。
余談
中の人ネタ的には某作品の某キャラは散々黄金聖闘士だのと言われていたが今作で本当に黄金聖闘士役になった。
キャラクターデザインの馬越嘉彦氏のインタビューによればフドウは聖闘士と聖衣のギャップを表現したくて、中身を華奢な美形にして聖衣のデザインをゴツくしたようである。
不動明王はシヴァが原型とされる存在であり、乙女座の聖闘士のうち二名がインド神話の最高神関係者という事になる(シャカの元ネタである釈迦はヴィシュヌ神の化身に数えられる。残るは梵天ということになるが…。)