概要
CV:久川綾
マルスの娘で、ハイマーシアンの1人(他のハイマーシアンは現時点では未登場な為、彼女が唯一のハイマーシアンであるとも考えられる)。
姫カットのピンク色の髪が特徴。素顔は青緑の目をしたキツめの顔の美女。体には多数の傷跡がある。
火星士の一員であり聖闘士でないにもかかわらず何故か仮面を着用し、白銀聖闘士を率いている。聖域をマルス軍が乗っ取った後は、白銀聖闘士への昇格権もある程度握っているようであるが、面接もろくにしないでヒドラの市を昇格させてしまうなど妙にアバウトな面もある。
マルスの封印中も対アテナ陣営への工作を行うなど活動していた模様。
スピードを活かした高速攻撃を得意としており、同タイプの戦い方をするユナとの初戦闘では圧倒した。一方で18話の蒼摩戦では場所が蒼摩にとって火の力を借りやすい火山地帯の場所であったこと、彼がソニアを仇敵として特に気合いの入っていた戦いであることも手伝い負傷し撤退している。この事から高い実力はあるものの圧倒的と言う程の力ではない事が分かる。
銀河衣のモチーフはホーネット。闇属性の針を多数打ち出す技を使う他、鎧の手先には鋭い爪のパーツがついている。のちに蠍座の黄金聖闘士に任命されたのも毒針を持つ虫という繋がりからであろう。
家族
マルスがルードヴィグだった頃に前妻ミーシャとの間に設けた娘で、容姿は生母のミーシャ似のようである。幼少期は両親と何不自由なく幸せに暮らしていたお嬢様で、ピアノをたしなんだりプレスクールに通うなど普通の生活を送っていたのだが、ミーシャの死のショックで父が変わってしまいさらにメディアと再婚したことで彼女の人生もまた翻弄されることになってしまった。
父マルスには忠実で彼を「父上」と呼び、幹部クラスでありながら積極的に前線に出る。弟のエデンには「姉上」と呼ばれているが、彼とは姉弟というより上司と部下のような態度で接してもいたが、彼が前線に出るのを止めようとするなど姉としての情は厚いようである。
あまり感情を表に出さない弟の気持ちも察することができるようで、光牙たちの手でアリアが塔から連れ出されたことで怒り心頭のエデンに対し「今は耐えろ、己の小宇宙を高めておくのだ」と気遣うこともあった。
エデンとは異母姉弟であり少なくとも母・メディアとは血縁関係がないが、母は違えどエデンのことは大切である様子で汚れ仕事を弟にさせたくない意志を表明している。
21話でアリアについて「アテナでなければ見捨てていた」と言っており、彼女をよくは思っていないようであり、またアリアの扱い等でマルスに抗議したエデンをきつく叱りつけており、あくまで彼が父に忠実であることを希望しているようである。
継母のメディアに対しては26話の回想シーンで「メディ……母上」と呼び方を迷う場面が見られる等複雑な感情を持ちつつも逆らえない関係のようであるが、幼少時の回想では彼女を「母様」と素直に呼び、40話では「マルス様もエデンもメディア様も家族だ」と叫んでおり彼女にも娘として認めてもらいたかったようである。しかし41話において彼女のソニアへの心中の態度はあまりにも冷たいものであった。それ以前にも彼女はソニアに危険な物事を自らの意思でさせるよう仕向けるなど、愛情のなさはあからさまであったが言葉の表面のみでは彼女を持ち上げるような態度もしていた。
実父のマルスは闇の遺跡での出来事から、メディアと同じくソニアに対し愛情がないと思われていたが、41話にてソニア死亡の報を聞いたとき激しく怒りをあらわにしたことから、ソニア本人が愛されていないと思っていただけで、彼は娘に対してもちゃんと愛情を持っていたことがうかがえるが、ミーシャの死で父が荒れていた期間があったり、長らくの封印や彼が度々火星に赴いていたことで親娘として触れ合う期間が乏しくなっていてすれ違っていた模様である。
また父の部下であるミケーネもメディアの謀略に気づかず彼女を救えなかったことを後に悔いており、周辺の人の愛情はあったにもかかわらず結果的に彼女が孤独を感じるような状況になってしまっていたようである。
35話ではアリアの死に落ち込みマルスに疑念を持つエデンに鉄拳制裁を加えるが、ミケーネにその際「小宇宙が乱れている」と指摘されている。
性格
家族以外の者に対しては非情かつサディスティックで、倒したユナの胸を踏みつけてヒールでグリグリするなど、自身に倒される事を「名誉」と称するなどプライドも高い。
当然自身の実力にも自信を持っており、敵を挑発して理性を失わせ技の精度を落とそうとする等狡猾な面もある。
しかしながら、本質的には非常に繊細な心の持ち主でありとどめの確認を怠る等ツメの甘い面もみられ、また26話で闇の遺跡が見せた父マルスの幻覚に不要呼ばわりされた時は激しく動揺している事から両親に見捨てられたくないという気持ちを強く持つ精神的に脆い平凡な少女であった。
45話のマルスの回想シーンで描かれた、実母ミーシャと暮らしていた幼少期頃は両親の愛に包まれて無邪気に過ごす少女であり、彼女の元々の性格はそうしたものであったと思われる。
アリアに対しても憎んでいるような態度を表面的には取っていたが、任務から帰り孤独に泣いているときに聞こえて来るアリアの歌を聴き涙していたこともあった。
自由がない身ではあるが物質的には不自由のない生活を送りエデンにも深く愛されている彼女と、家族から外されたような状態に置かれ命がけの生活を強要されている自身の境遇から愛憎半ばする複雑な感情を持っていたようである。
仮面を付けているのは自分の本当の感情や本心である弱さを隠す為(恐らく付けたのは一摩を殺害する時)であり、サディスティックな一面は自分の本性を悟らせたくないが故の演技であった。
悪役の立場ではあるが、強い自分を装いながらも誰かに認められたい、家族に愛されたいと願う繊細な内面を持っている。
蒼摩との因縁
中の人はSDの畑野森生に「17、8歳くらい」と設定を聞いており、エデンとは3歳くらいの差のようである。
異母弟であるエデンが生まれたての頃に初めて彼に引き合わされた幼い日が彼女にとって最も幸福な思い出として残っていたが、その後は両親はエデンにばかり気がいっていてまともに愛された記憶はなかったようである。
一摩の殺害当時は11歳前後だったと思われ、義母であるメディアの指令によるものだったが、出撃前から既に迷いがありエデンに小宇宙の乱れを指摘されている。また明らかに背丈などから子供であったため戦闘中も一摩に情のある言葉をかけられまた彼の殺害に成功したのもその彼の情の厚さ故の油断であったため、彼を殺害した直後にはショックで泣き崩れており、任務を終え帰宅した際も「疲れた」とメディアに弱音を吐いた後自室で号泣していた。
出撃前はエデンに対しても普通に優しい姉だったのだがこの一件は彼女の深い心の傷となって残ったようで、思う所があったのか一摩の聖衣石を持ち帰り長年持っていた。しかし後に蒼摩との戦闘中に落とし蒼摩の手元へと渡った。
蠍座のソニア
39話終盤で裏切ったエデンを追撃する為に出撃を決意した際にメディアにより「審判と戒律を司る」蠍座の黄金聖闘士として任命された。
事前にイオニアから報告を受けていたはずのマルスが、このことを知らなかったことから、本来の任命者から土壇場で変更されたものと推測される。
メディア曰く「それを身につけるのは貴女しかいないと思っていた」と言うが、時貞のように聖衣の意思を押さえ込む措置もされておらず、別の意図があったと思われる。経緯がかなりイレギュラーな急造ではあるが、2人目の女性黄金聖闘士となった。
※ただしソニアは、黄金聖闘士にとっての必須項目であるセブンセンシズに目覚めている描写はなく、光牙達が数人がかりでも圧倒された他の黄金聖闘士と違い、蒼摩相手に一対一でやや優勢といった状態から考えるに、「黄金聖衣で強化された白銀聖闘士」並の実力と思われるので、厳密には黄金聖闘士とは言えない。
その際着用する仮面は普段の顔全体を覆うものではなく、黄金色で顔の上半分を覆うタイプのものとなっている。また黄金聖衣は胸元や腰回りは女性用のカスタマイズがされているものの基本は旧作に近くなっている。
この際何か思う所があったのか前の両サイドを残して長かった髪をばっさり切っており、聖衣を纏う時はハイマーシアンの衣装から最初に白いオフショルダーのミニ丈ワンピース(解説書ではアンダードレスと表示されていた)となってその上から聖衣を着用していた。
40話で天蠍宮にてエデンを迎撃せんと待ち、先に到着した光牙らと対峙。蒼摩と3度目の因縁の対戦となった。
その際蒼摩が落とした南十字座の聖衣石を砕くも、闇の遺跡で彼女の心を知り、復讐心を捨てた蒼摩にその内心を問われ「自分を大事にしろ」と詰め寄られ、蒼摩に止めを刺しかけたかに思えた瞬間も一摩を殺害したトラウマが蘇って激しく動揺していた。しかし蒼摩に差し伸べられた手も拒み、家族に対する自身の夢に固執し続けていた。
その動揺が小宇宙の乱れにも繋がり、必殺技アンタレス・メイルストロームを放とうとした時に黄金聖衣が離れ、技が暴走し自らの炎に巻かれ倒れる。宮の床に横たわり混濁した意識の中、歩み寄った蒼摩を父と思い込んでか、
「父様なの?・・・お願い、側に居て」「一人は・・・こわいから・・・」
と記憶の中の優しい父に甘えるような言葉を残して息を引き取り、黄金聖闘士2人目の死亡退場となった。なお、最後に来ていたワンピースも死ぬと同時に剥がれ落ちるように消えていった。
一摩の聖衣石を持っていた件についても、蒼摩に「望まない殺人を犯して苦しんでいる自分を見守ってくれてるように思っていたのでは」と指摘されており最後まで「優しい父親の愛」を求め続けていた模様である。
なお、父やエデンやミケーネは彼女の死を悲しんでいたのだが、散々彼女を利用したメディアは全く悲しまなかったばかりか「自分の娘にはなれなかった」「ここまで使えないとは食えない娘」と冷淡に切り捨てている。
後に天蠍宮に辿り着いたエデンは彼女の死に顔を「穏やか」と表現し、この自滅がある意味彼女の選択だったのではという見方をしている。
アプスが倒されて戦いが一段落した後、アリアの光が地上に降り注いだ際彼女の遺体から傷跡が消えた。蠍座の聖衣石はその後アテナ軍側に回収されている。
技
- ホーネット・スティンガー
闇属性の針を多数打ち出す。
- トワイライト・マリオネット
闇の小宇宙を球状にして時間差攻撃で相手を襲う。
- ターン・バック・ジス・ダークネス
小宇宙を腕から螺旋状に展開してぶつける。
- クリムゾンニードル
紅い針状に展開した小宇宙を多数放つ。
- アンタレス・メイルストローム
宮内が崩壊しかかるような強力な衝撃波を放つ技であったようだが、この技の発動途中にソニアの小宇宙の乱れが影響したのか、蠍座の黄金聖衣が体から外れ、彼女は致命傷を負った。
関連イラスト
余談
キャラデザ担当・馬越嘉彦氏の過去作である、ハートキャッチプリキュア!の登場人物キュアムーンライトと中の人が同じで、暗黒卿と化したムーンライトとも呼ばれる事も。もともとムーンライト自体聖闘士星矢のキャラみたいと呼ばれていたので、全く違和感がない。最後までクールだったムーンライトに比べると、ソニアの方が若干目元が穏やかである。
しかし他にも、衣装や髪型などがそっくりで色違いのムーンライトと呼ばれるキャラもいるので、色々ややこしい。ツリ目具合や顔立ちも含めて、こっちの方がムーンライトに似ていると思われる。
彼女の最期のエピソードは「蠍が炎で体を焼かれる」(いわゆる「蠍の火」)という点から、銀河鉄道の夜のオマージュを指摘する視聴者も少なくない(この回の担当はサブライターの横手美智子)。
因縁のあるみなみじゅうじ座は同作では終着駅であり、いわば天上の国に通ずる場所であった。
なお、蠍座の心臓部である「アンタレス」の語源はギリシャ語で「火星に対抗するもの」(英語的にいうならば「アンチ・アレース」)とされる。弟が蠍が殺したオリオン座の聖闘士だったり、父が火星の神たるマルスであったりと親族が蠍座の敵対者ばかりなのは皮肉なものである。
先ほどの「蠍の火」とはこのアンタレスのこと。
また、二次創作ではあるが「アンタレス・メイルストロームの時に蒼摩がソニアを助けられていたら」というIfの世界線の作品は多数あり、いずれも十二宮での騒動後、正式に蠍座の黄金聖闘士に就任していて、蒼摩との絡みが多く、彼の実父である一摩を手に掛けてしまった後悔の気持ちを抱く一方、彼の真っ直ぐな面に対してツンデレ気味で描かれている傾向が強い。⇒ソニアを幸せにさせ隊
別名・表記ゆれ
関連タグ
マルス(聖闘士星矢Ω) オリオン座のエデン メディア(聖闘士星矢Ω) 火星士
ラウ・ル・クルーゼ - 自身の弱さを隠す為に仮面を付けている者同士。ちなみに声優はハーデス編ミロの関俊彦。