概要
『聖闘士星矢』本編では、聖域には黄道十二星座に従って十二宮があり、それぞれを守護する12人の黄金聖闘士が存在するが、神話の時代には13の宮殿、13人の黄金聖闘士が存在した。
その13番目の宮が、天蠍宮と人馬宮の間に位置する宮「蛇夫宮(だふきゅう)」であり、この蛇夫宮を守護する13番目の黄金聖闘士が、蛇遣座のアスクレピオスである。
神話の時代
13人の黄金聖闘士中でも最も仁・智・勇に優れ、その行ないは気高い者であった。
傷ついた者や病気に苦しむ人々すべてを救ったことから、いつしか人々から神のように敬われた。
しかし増長して、本当に神になろうとしたために、神々の怒りを買うこととなった。
アテナにより聖域を追われ、射手座の究極の矢である「女神の矢」に討たれ、聖域の墓場の最奥の凶区、タルタロスの井戸に堕とされた。
この井戸は死界への穴であり、底に堕ちるまで9昼夜かかる。
その底には常に暗い霧が立ち込め、死界とはいえ冥王ハーデスすら忌み嫌って近寄らない永遠の獄であり、アスクレピオスの魂はそこに幽閉されていた。
以来、蛇遣座の黄金聖闘士は、その存在を抹消されており、「13番目の黄金聖闘士」は「神話の時代の作り話」といわれていた。
彼の守護していた蛇夫宮も消滅して、現代においては「伝説の魔宮」と呼ばれていた。
聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話
アテナこと城戸沙織が、星矢を冥王ハーデスの呪いから救うために現代から前聖戦に時代に来たことで、時空が乱れてタルタロスの獄が開放され、アスクレピオスはオデッセウスの肉体に憑依する状態で甦る。
アテナへの復讐を目論むアスクレピオスは、アテナに代わって地上の神にならんとする。
十二宮を突破していき、自身の宮である蛇夫宮に辿り着くにあたり、オデッセウスの肉体を完全に支配して、ついに復活を遂げる。
このときは目がヘビのように縦長の瞳孔となり、オデッセウスとはまるで違う形相となっている。
蛇夫宮に到着するや、そこにいた紫龍、氷河、瞬、一輝を一蹴し、毒に侵されていたアテナを亡きものとしようとする。
アテナ殺害を目前としたそのとき、射手座の黄金聖衣を纏った天馬の女神の矢に討たれる。
死界の獄で神話の時代から生き延びてきたアスクレピオスは、それでもなお通用しないと見え、鱗を巻き散らしてヘビが脱皮するかの如く、矢に耐えてみせる。
しかし、最強の布陣「黄金の結界」をはった黄金聖衣たちの小宇宙を矢に浴びることで、ついにその魂はオデッセウスの肉体から追放され、捨て台詞を吐きつつ、タルタロスへと帰って行った。
「余は諦めぬ 何万年経とうがきっとまた甦って地上を手に入れてくれるぞ このアスクレピオスは不死身なのだからな クワーッハハハ」