概要
聖闘士星矢本編から約7年前の時期の物語であり、少年時代の黄金聖闘士達とティターン神族との戦いを描いた前日譚。作者は岡田芽武。
原作に登場する黄金聖闘士のローティーン頃の活躍を独自の解釈で描き、ロストキャンバス同様に人気を博する。
聖闘士達と一般社会との関わりが比較的多く描写されているのも特徴である。
2013年7月の掲載で連載を一端終了。2014年から掲載誌をチャンピオンREDいちごに移して同年4月から新章「聖闘士星矢エピソードG.アサシン」が開始されていたが、同誌が2014年夏に休刊したため同年秋に後継Web雑誌「チャンピオンクロス」に移籍して再開された。
あらすじ
教皇に扮した双子座のサガがアテナ殺害を目論み、それを阻止せんとした射手座のアイオロスが聖域を追われてから約6年後、冥府に封印されていたティターン神族が復活し、聖域に封印されている神器・メガスドレパノンを奪取し、その本来の持ち主にして彼らの王たる大神クロノスの復活と世界征服を目論んで聖域へと侵攻を開始。
神そのものであるティターン神族に立ち向かうは黄金の聖衣と小宇宙を纏いし少年達。
その中には、かつて聖域を追われたアイオロスの実弟・獅子座のアイオリアの姿もあった。
時にアイオリア13歳…。
登場人物
本作独自の事項のみ簡潔に記す。詳細はそれぞれの該当記事を参照。
黄金聖闘士
主人公。聖闘士星矢本編とは違い、髪を赤く染めている。神を滅ぼす雷(ケラウノス)の力を有する。また母国のギリシア語以外にも、英語と日本語、片言ながら北京語を話すことができる。
また、本作時点では兄の冤罪は晴れていないためか斜に構えた言動多し。
故人。後述の長谷川美子をガイドした事があった旨語られている。当作品では彼の現役時代のエピソードも多く描写されている。当作品での彼は非常にお茶目な性格である。
アイオリアとはお互いに「馬鹿猫!」「サソリ野郎!」と呼び合うような仲良くケンカする関係。
原作同様、聖域を離れジャミールで聖衣の修復を行なっている。アイオリアとはこの時期に初対面という設定。
孤立しがちだったアイオリアの良き理解者。原作・アニメでのかませ犬っぷりが嘘の様に活躍する。尚、巨体故に着れる服があんまり無くて困ってるらしい。
もっとも神に近い男。今作ではティターンの力を弱めるために強大な術式を展開するなど、原作同様に凄まじい力の片鱗を見せる。
「どんな相手でも目的の為なら殺すことができるのがオレの力の根源」と原作同様に残酷な性格だが、自身の行為に誇りを持って行動している。星座カースト制度の解消に一役買った。
尚、この時期にサガの正体を知らされた設定。
アイオロスの事を心から尊敬しており、討伐という形とはいえ彼と戦えた事は何よりの誇りとしている。陰ながらアイオリアの事を見守っている。「アサシン」では日本の新宿に赴く。
熱くなりがちなミロの抑え役
原作と違い「信念のある行動は美しい」、「美しき美の元の正義」等、強い信念の元に行動している。これまた星座カースト制度の解消に一役買った。
原作同様にハーデス軍の封印の監視のため、五老峰を動けないが、ポントスの力の前に危機に陥ったアイオリアの元へ、小宇宙で作った若いころの幻影と黄金聖衣を送った。
原作同様に教皇に化けて聖域の全権を握っている。普段は殆ど悪の人格が主導権を握っているが、クロノスの聖域侵攻等の時は、善の人格がそれを阻止すべく立ち上がった。
この作品では教皇殺害及びアテナ暗殺未遂の原因が、カノンが唆した後にクロノスが最後に後押しをした設定になっており、原作にも登場する「黄金の宝剣」はクロノスが与えたものであり、神殺しの力を秘めている。
本筋には絡んでこないが、海底神殿にて海龍として聖域との聖戦の準備中。
ハーデスとの前聖戦末期の回想シーンのみ登場。
白銀聖闘士
ティターンの聖域侵攻や各地で発生した異常の解決の為に尽力している。
アイオリアに窮地を救われた後、戦闘で倒れた彼を背負っていた。アイオリアは彼女を「戦友(とも)」と呼んでいた。
三角座のノエシス
ティターンの影響で復活したゴルゴンエウリュアレの討伐に赴くが、レツを庇ったために石化されて死亡する。死ぬ寸前に全ての小宇宙をエウリュアレに叩きこんでおり、レツの勝利の鍵となった。
青銅聖闘士
山猫星座のレツ
ノエシスの弟子の新米青銅聖闘士、死闘の末に師匠の敵であるエウリュアレを倒す。その後はシャイナやミスティ達と活躍中。
※ペガサス星矢達は本作では修行中の為出番は無いが、回想シーン等で偶に登場する。
ティターン神族
当該項目を参照
その他の神族
当該項目を参照
エウリュピア
プロメテウス
人間に火を伝えた事で罰せられた神。イアペトスとテミスの子どもにあたる。
アポフィス
エジプトの元・太陽神。ポントス復活の際に発生した霊血によって蘇ったが、アイオロスに倒された。
一般人
リトス・クリサリス
アイオリアの従者で本作のヒロイン。いわゆるボクっ娘(当初アイオリアには男に間違えられていた)。
ガラリアン・シュタイナー
同じくアイオリアの従者。故あって隻腕隻眼。
長谷川美子
考古学者。嘗てアイオロス・アイオリアと共にエジプトの事件に立ち会った。
聖域からエジプトの怪現象の調査を依頼され、ガイド兼護衛を務める蜥蜴座のミスティと共にエジプトに行く。その際、水浴びをするミスティにハァハァする場面あり。
原子炉溶融犯
人を殺しすぎたため山羊座の黄金聖闘士になり損ねた男。スリーマイル島でアイオリアと対峙。
ジョン・ブラック
前述の原子炉溶融犯と交渉するためにアメリカ政府が呼んだ交渉人。その死はアイオリアに大きな影響を与えた。
余談
「星矢」シリーズの公式派生作品としては最初の作品であり、絵や台詞回しの癖がかなり強いことなどもあり当初は一部ファンからの反発が非常に強く、賛否両論が分かれていたが一方で独自の視点によるダイナミックな描写は支持も得て、本編では休載を挟みつつも10年の連載を終えた。
岡田のtwitterによると当初の風当たりのきつさは原作者にも心配されていたようで、後に車田から労いの言葉と続編の執筆を頼まれたとのことである。