我は…完全暗黒物質… ゼムスの憎しみが増大せしもの…。
我が名はゼロムス 全てを…憎む…!!
解説
ストーリー上の悪の張本人ゼムスの魂が「完全暗黒物質(亡霊)」として復活したもの。
まずはメイン画像の姿で現れるが、この形態にはあらゆる攻撃が通じない。しかしイベント後に光のクリスタルを用いることで正体を暴くことが出来る。ここからラストバトルへと移行する。
その姿はどうみてもミジンコ。
※SFC版の頃から頭部先端に人に近い顔が描かれていたにもかかわらず、青い水晶体があまりにも目立ちすぎたためミジンコ呼ばわりが定着。DS版で真実に気付いたプレイヤーも多いとか。
おかげでpixiv上に投稿されるゼロムスのイラストも本来の顔自体が描かれていなかったりする。合掌。
倒すと「グ……ズ……ギャアアアム!」と個性的な断末魔を残すが、あの御代の断末魔ほどにはネタにはされていない。
SFC版でこいつに対して、エクスカリバーを個数バグ("た5"でお馴染みのアレ)で増やしてエッジに投げさせるのはお約束。
イージータイプでは全くの別デザインになっており、中央からエロい女の子が生えていて「抱擁」を使ってパーティを石化しようとする。SNES版ではイージータイプに準拠しているためゼロムスの外観はこちらである。
このイージータイプ版は、後にアドバンス版にてゼロムス:EGというボスキャラとして出演しているが、こちらは「抱擁」を使ってこない。ゼロムス:EGは、「ゼロムスであってゼロムスでないもの」とされており、力試しのような形で戦いを「挑まれる」。いわば、悪意の無いゼロムスと言えよう。倒しても完全消滅ではなく再び次の戦いまでに眠りにつく。
続編のFF4TAでは「ゼロムスマインド」として引き続き登場。長い雌伏の時を経て出た結論が「悪意こそ純粋な進化」。ある意味人間の進化はその通りかもしれない。
生態
最大HPは65498。ただし残りHPが16000を切ると第二形態に移行し体力が全回復する。このため実質的なHPは11万を超える。
攻撃はビックバーン、バイオ、ブラックホール。終盤ではメテオを連発して来るが大したダメージではない。
聖属性魔法にはワール、召喚魔法にはフレアかバイオ、それ以外の魔法及びゼロムスに対する道具使用に対してはフレアでカウンターしてくる。
見ての通り全て魔法攻撃である。
抜け穴らしい要素も無いことからシリーズ最強のラスボスという声も多い。逆に言えば、単純に攻撃に耐えられるほどパーティを強化(全て魔法攻撃なので、魔法防御を上げたい)すればシンプルに倒せる。良くも悪くも直球勝負の、分かりやすい強敵である。
聖属性が弱点だがホーリーに対してワール(単体のHPを1にする)でカウンターして来る。ビッグバーンでスリップ状態だとスリップダメージで即死は免れない。回復役のローザが倒れたら目も当てられない。
完全暗黒物質ゆえか「ダークマター」を盗む事ができるのだが、入手したところで何の役にも立たない。かつてこれを盗むとゼロムスからのダメージが軽減されるとの噂があったが、解析によって全く関係がない事が判明している。GBA版以降で入手すると説明に「none」とだけ書かれている。次作である「5」では調合アイテムとして、「3Dリメイク」では隠しボスに挑む為のアイテムとしてきちんと役割がついた。
攻略
ゼロムスはビッグバーンにケアルガの回復が追い付くなら十分に勝てる。つまりローザがビッグバーンに耐えられるようにしないといけない。リディアは即死するようならあえて死なせたままにしてケアルガの回復量を増やしてしまおう。
逆にリディアが耐えられるくらい育っているパーティーなら問題なく勝てるだろう。ゼロムスのカウンターに耐えられるならリディアにフレアを撃たせてもよい。
魔法防御を固めるならイージスの盾やルーンの腕輪などが有効。
体力が低下するとひたすら弱いメテオを連発して来るのが、ここまでくれば後もう少し。
ゼロムス:EGに関してはゼロムスよりもパラメータは高いのだが、道中で入手できる『奥義の書』の一部を使うと『ミニマム化』『トード化』で一定ターンはやたら体力が高いだけのザコになってしまう。その状態のまま倒すとかなりシュール。
特にGBA版(初期ロットのE3版)はバグが存在した為、ゼロムス:EGで使うと召喚技にならなかった為、これもバグだと思われた事もある。なお、『奥義の書』はそれぞれ基本一つしか入手できないので『ミニマム化』『トード化』の効果がある書を大量に持ち込んでフルボッコはできない(まぁ、チートツールで個数を弄るとかすれば可能だが)。
ちなみにゼロムスの方には一切効果は出ないので注意。
正攻法では強化されているため、相応のレベル上げが必要だが、こちらの強さが十分ならやはり楽勝になる相手。ただし追い詰めると、残りHPに応じた割合回復をカウンターで使ってくるため、一撃あたりの破壊力が回復量を上回らないと勝つことができなくなる。
追加効果で魔法が発動する武器とか、あるいはジャンプやためるといった一撃の破壊力を高めるアビリティがあると助けになるだろう。
活躍
FF4
黒幕であるゼムスだったが、乗り込んで来たゴルベーザとフースーヤとの戦いで敗死。これにて物語は幕を下ろした……かに思われた。
ゼムスは初めから二人に力を使うだけ使わせて死ぬつもりであり、目論見通り亡霊ゼロムスへと生まれ変わる。あらゆる攻撃が通用せず、起死回生を狙ったゴルベーザのクリスタルすらも無効化した(操られていたとはいえ闇に落ちたゴルベーザでは光クリスタルを使いこなせなかった)。
遅れて駆け付けたセシルたちも打ち倒し、もはやゼロムスを倒せる者はいないと思われた。
しかし傷ついた仲間たちはミシディアに残った仲間たちの想いによって、セシルはフースーヤとゴルベーザの想いによって傷を癒され再び立ち上がる。しかもパラディンであるセシルが光のクリスタルを用いたことで正体を暴かれ、ゼロムスとしての醜い姿を晒すことに。
無敵防御を破られたゼロムスは主人公たちの絆の前に敗北。今度こそ跡形もなく消滅した。
FF14
過去作からのオマージュキャラクターが多数登場するMMORPG『ファイナルファンタジー14:新生エオルゼア』にも登場。
「暁月のフィナーレ」パッチ6.4での登場であり、第十三世界の大妖異として光の戦士の前に立ちはだかる。
ただし元々いた妖異ではなく、ゴルベーザが原初世界との間の次元の壁を破るために、遥かな過去に第十三世界に侵入したまま取り残されていた七大天竜が一翼「月竜アジュダヤ」を捕え、その膨大なエーテルと『故郷(=原初世界)に帰りたい』という想いを利用するため、アジュダヤを核にしたもの。
アジュダヤの核に、原初世界でゾディアークが討滅されたことによってただの闇のエーテルとなって霧散していた第十三世界に封じられていた分のゾディアークの欠片を組み合わせて生まれた妖異である。
月竜アジュダヤを原初世界へ連れ帰るため、そして原初世界への侵食を食い止めるために、光の戦士は数々の仲間の協力を得てゼロムスに立ち向かう。
結果、ゼロムスの討滅には成功するものの、闇の世界で最も闇のエーテルが濃い場所では妖異は倒してもすぐに復活してしまうため手詰まりに陥る。
しかしゼロが第一世界で得た光のエーテルと「仲間を信じ手を取り合って共に歩む」という想いを元に再起。妖異でありながら光の力を宿した存在に成り、ゼロムスの肉体を一瞬霧散させた隙に核であるアジュダヤの魂を切り離し、残るゼロムスの肉体を構成していた膨大な闇のエーテルを全て「メモリア」の力で結晶に封じる事に成功。
こうしてゼロムスは討滅され、原初世界への侵食は防がれた。
このゼロムスの闇のエーテルを封じたメモリアは光の戦士の手で第一世界へと送り届けられ、光に偏重しすぎた世界である第一世界に闇を齎す材料として今後利用される事が示唆されている。
余談
ディシディアにてゴルベーザの最強武器として「ゼロムスの結晶」と言う武器が登場している。