概要
『ファイナルファンタジー4』の悪の黒幕で、諸悪の根源である。
物語の主な舞台となる「青き星」から見える2つの月の内の1つに住む「月の民」の一人。フースーヤら仲間の「月の民」は、「青き星」の人類が自分たちを受け入れられるレベルに進化するまで移住を待とうという方針を持っていた。しかしそれを待てないゼムスは力ずくでの移住を図ったため、月の中心核に封印された。だが封印されてなお野望を捨てず、精神波で操ったゴルベーザを傀儡として動かし、密かに陰謀を進めていった。
ただでさえ青き星の人類よりも強大な力を持つ月の民の中でも抜きん出た才能(フースーヤ曰く「素晴らしい力」)の持ち主だったらしく、少なくとも一族が青き星に到達した時点では最強の力を持つ月の民の実力者として君臨していたほどの人物(「もう一つの月」の中枢とも言える月のクリスタルたちが総出でゼムスの思念波を中和するのがやっとという有り様だった)。しかし、己の力に溺れて悪の心に目覚めたことで、目的のためには手段を選ばない苛烈な野心家となってしまい、上述の滅茶苦茶な侵攻作戦を独断で企図するに至った。
手始めにゴルベーザを使ってバロンを乗っ取り、地上各国にあるクリスタルを奪わせた。次に地底にあるクリスタルも手中に収め、バブイルの塔の次元エレベーターを起動させ、バブイルの巨人を地上に降臨させる。この圧倒的な力を以て地上を破壊し尽くそうとしたが、結局は地上と地底の連合軍によって阻まれ、セシルたちによって動力部を破壊されゼムスの陰謀は阻止された。
なお、ゴルベーザを洗脳しただけではなくゴルベーザ四天王たちまで復活させており、彼らもまたゼムスに忠誠を誓っている様子を見せた。
呪縛から解き放たれたゴルベーザはフースーヤと共にゼムスの討伐へ向かう。二人の力の前にゼムスはなす術もなく倒されるが、その精神(怨念)は完全暗黒物質ゼロムスへと変貌。
ゴルベーザとフースーヤー。そしてセシルたちを容易く打ち倒すも、セシルたちは仲間たちの力と想いによって復活。ゴルベーザが弟に託した光のクリスタルによってゼロムスは真の姿を暴かれ、セシルたちと最後の戦いを繰り広げる。
ゼムスの見た目はハゲ頭にシンプルな青いローブ、ただ腕を広げただけという地味なデザインである。
ちなみに各地でモンスターが活性化したのも、彼の悪の思念の影響である。
今作における全ての元凶で黒幕なのだが、存在が判明するのが終盤に差し掛かってからとかなり遅く、更に洗脳していたゴルべーザの方がプレイヤーの印象に残ること、見た目のビジュアルもいまいち冴えないことから黒幕としての影は薄い。
またゼロムスは、ゼムスの憎しみが増大した存在であり、その人格はゼムスとは同一ではない。
ゴルベーザ&フースーヤとの戦いでは劣勢にもかかわらず「使うがいい。すべての力を」と口にしていることからゼロムスになるつもりだったことが窺える。
関連タグ
ガーランド(ファイナルファンタジー):FF9に登場する黒幕。設定や目的がゼムスとよく似ており、過去に召喚士一族の村を破壊している。ただしゼムスのような私利私欲な独裁者ではなく、自分の星の安寧を優先して行動している。主人公の兄によって討たれるが意識だけが現世に残り続け、主人公たちを導き最終的に和解する。
ミルドラース:スクエニのRPGで、全ての黒幕かつ元凶でありながら手先である敵キャラクターが活躍しすぎて影が薄い黒幕繋がり。
アウナス:スクエニのRPGでローブを纏い、腕を広げた容姿繋がり。