ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

モニカ・エヴァレット

もにか

『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』の主人公。リディル王国七賢人が一人〈沈黙の魔女〉。世界で唯一の無詠唱魔術の使い手。
目次 [非表示]

「世界は数字でできている」


「……わたしが、おとうさんは、罪人じゃ、ないって………………証明する、から」


「七賢人が一人〈沈黙の魔女〉モニカ・エヴァレットが証明してみせましょう」


CV:会沢紗弥


概要編集

サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』の主人公。魔術師としての二つ名は〈沈黙の魔女〉。


極度の人見知りかつ内気な性格で、緊張と恐怖から人前で詠唱ができず実践魔術の授業で落第寸前だったため詠唱をしなくて済む努力をした結果、世界で唯一無詠唱魔術を会得した天才。その才能からリディル王国における魔術師の最高峰七賢人に史上最年少で選ばれる。同期は10歳年上であり同じ師を持つルイス・ミラー。16歳(本編開始時点)。誕生日は冬招月(現実の12月相当)の初週1日。


経歴編集

天才学者であるヴェネディクト・レインの娘として生まれる。母を早くに亡くし、父によって大事に育てられる。数学・物理学・薬学・魔術・生物学の研究者である父の影響を大きく受けており、幼い頃から数学書を読んで育つ。なお、父親とは異なり創作を理解する素質までは無かったため数学書以外に興味を示さなかった。

5歳の頃には面積や体積の計算までこなすことができ、身の回りの物の面積や体積を調べてみたいがためにメジャーをねだるほどの学術的好奇心に満ちた才女であり、市井の学校には通わずに父親から直々に教育を受けている。


10歳の頃、父が知り合いに冤罪(蘇生魔術の研究容疑)を着せられて処刑される。その後、叔父(ヴェネディクトの弟)に引き取られるがヴェネディクト処刑の件で仕事に支障が出た彼から鬱憤晴らしとして虐待を受け、苦痛のあまり数字の世界へ逃げ込むようになる。それから1年後、衰弱死寸前だったところを父の助手だったヒルダ・エヴァレットに発見されて養女となる。この際に、「モニカ・レイン」から「モニカ・エヴァレット」へ改名している。なお、この改名にはヴェネディクトを処刑に追いやった者たちからモニカの足取りを誤魔化す一環としての意味合いもあった。


ヒルダとの共同生活を開始して数カ月経った頃、クッキーを焼くために見よう見まねで高度な魔術式を組み上げたことから魔術の才能を見出され、ヒルダから勧められて将来的に役立つ魔術師資格を取得するために魔術師養成機関の最高峰ミネルヴァを受験、13歳になる年に中等部へ編入する。入学当初は身分の低さと無口故に同級生から虐められていた(〈無言のエヴァレット〉という渾名まで付いていた)が、貴族の矜持としてそれを看過しなかったバーニー・ジョーンズにより助けられ、それから彼に甘えるようになる。その際の「バーニー助けてぇぇぇ」は半ば口癖として同級生たちに覚えられている。

入学から半年経た辺りで始まった魔術の実技訓練の際、極度の緊張と衆人環視の恐怖から詠唱を行うことができずに失敗、それを見かねたバーニーから短縮詠唱を教わる(短縮詠唱については非常に高度な技術と聞いて気後れしていたため今まで手を付けていなかった)。そして次の実技訓練までに短縮詠唱を無詠唱へ昇華させ、周囲を驚愕させた。それ以降は、特待生扱いとなった上で飛び級し、ミネルヴァで最も権威のあるギディオン・ラザフォードの研究室所属となる。この間は、通常授業が免除されていたため好き勝手に研究を行っており、現存する魔術式の殆どを解読した上で20を超える新しい魔術式の開発に成功して多数の論文も執筆している他、精霊王召喚にも成功している。特に、精霊王召喚は行使可能なものが国内に僅かしかいない(七賢人でも半数が扱えない)最上位魔術であり偉業とされた。


15歳になった冬、七賢人に空席が生まれたことから選考会が開催され、事前に無断で推薦状を出していたギディオンから参加するように言われ、研究室のカーテンに包まって全力で拒否するも彼によってカーテンに包まれたまま選考会の会場へ放り込まれて参加することとなる。前半の実技審査(魔法戦)では他の候補者2名を上位魔法の連発によって完封して圧倒的な実力を見せつけるも、後半の面接審査では緊張のあまり泡を吹いて気絶する。しかし、選考会中に他の七賢人(グレアム・サンダーズ)が急病により引退を表明して枠が増えたことで合格し、史上最年少の七賢人となる(彼女本人も補欠合格だと認識している)。

七賢人就任式典の日、唯一の友人にして恩人であるバーニーに感謝を伝えに行くも、それをモニカへ劣等感を抱えていた彼から皮肉と捉えられて真っ向から拒絶される。この一件で人見知り気質が悪化し、最寄りの村から1時間以上かかる山小屋に引き籠るようになった。山小屋に引き籠ったのも「貴女なんて、人のいない山小屋にでも引きこもっているのがお似合いだ」と言われたためである。なお、七賢人に選ばれた時点でミネルヴァを卒業した扱いになっており、上級魔術師資格も取得している。


山小屋に引き籠って以降は、在宅で行える他の七賢人から任された雑用や計算作業、それ以外は魔術の研究をして暮らしており、食料も月に一回最寄りの村から届けてもらうようにして人との接触を最小限にしていた(ヒルダの家に帰省もしていない)。しかし、同期のルイス・ミラーによって度々強引に外へ引きずり出されている。16歳になって半年経った頃には、後に「ウォーガンの黒竜事件」と呼ばれる大規模な竜害の対処にも引きずり出され、精霊王召喚を駆使して単独にて黒竜やその取り巻きをしていた大量の翼竜を撃退・撃墜した。事件解決以降、一部の者からは国の英雄として扱われるようになる。

さらに、事件から約3か月後、今度は国王から第二王子フェリクス・アーク・リディルの護衛を秘密裏に命じられていたルイスの差配によってセレンディア学園への潜入護衛任務を実質強制的に引き受けさせられ、任務期間となる1年弱(初秋から初夏にかけて)は山小屋を出ることとなる。

護衛に際して、ルイスがケルベック伯爵家に協力を取り付けたため学園内ではケルベック伯爵家の養子という設定(厳密には先代夫人が養女として引き取った設定なため現当主の義妹)になっており、学園内では「モニカ・ノートン」と名乗っている。なお、貴族の振る舞いができないのと今まで社交界等に顔を出さなかった理由付けとして、「養子故に夫人亡き後は一族全員から冷遇されていた」という設定も追加されており、サポート役として同時に編入したケルベック伯爵家令嬢イザベル・ノートン(設定上は)から表向きには虐められている。


人物編集

性格編集

極度の人見知り(コミュ障)かつ内気かつ泣き虫。人前で喋るのが大の苦手で、初対面の人とは会話にならない。そのため、学会やパーティといった衆人環視の場には出席義務がない限り出向かず、出席を強制された際にはフードを深く被って黙り込むか休憩室へ逃げ込んでいる。その結果、「史上最年少の七賢人」という国中の誰もが知る有名人でありながら〈沈黙の魔女〉として素顔を知っている者は非常に少ない(国王、他の七賢人、ヒルダとその家政婦、ケルベック伯爵家の面々、ミネルヴァ時代の知り合い程度)。さらに、外界への興味も無く、自国の王子たちの顔さえ知らない。

上記の性格な上に、唯一無二の無詠唱魔術さえ大したものではないという認識(理由は後述)であり、「計算しか能の無い小娘」「人見知りの根暗」という自己評価なため、自己肯定感が非常に低い。そのため、他人への評価が高く、尊敬を欠かさない。


得手不得手編集

数字をとにかく愛しており、数字が絡むこと(計算や魔術式)になると非凡な才能を発揮する。具体的には、不自然・不規則な数字の羅列を一目で見抜き、難解な数式・魔術式を一瞬にして解き、数字として覚えたものは絶対に忘れない。その応用により、人相や背格好を正確に覚えたり図形や模様の正確に模写したりするのも得意としている。また、数字や魔術式に関する話になると人見知りな性格は鳴りを潜めて饒舌になる。逆に、数字(や魔術)が絡まないものに関しては凡人未満であり、語学や教養が主なセレンディア学園の授業では度々落第寸前となっている。

数字に夢中になっている間は他のことが一切気にならなくなり、普段のオドオドした態度は鳴りを潜めて無表情となる。この時の集中力は凄まじく、声をかけられたり頬をぶたれたりする程度では全く動じず、肉球ないし唇で頬に触れるか一段落しない限りはそのままである。そのため、状況が切羽詰まると虚ろな目をして数字の世界へ逃げ込んで外界を拒絶する悪癖がある他、研究や論文執筆などが佳境に差し掛かると平然と徹夜や絶食を行うほどに没頭する。また、この状態の時に口元に食べ物を近づけられると無意識に食べてしまう癖があり、普段の態度や木の実を常食していることと合わせて一部から「子リス」とからかわれている。

学園でチェスに出会ってからはチェスも楽しむようになる。その腕前は初心者にして学園でも指折りの実力者を倒すほどである(圧倒的と言うほどではなく負けることもしばしばある模様)。持ち前の圧倒的な計算力に依拠した腕前であり、自然と早指しになる(思考時間は3秒以内)。


一番苦手で嫌いなものは人間である。父が処刑された際に普段は優しかった近所の人たちが父を罪人と罵る姿を見たことや、叔父から虐待を受けたこと、無詠唱魔術を披露したことで周囲が掌を返した経験(バーニーの件も含む)が原因であり、極度のコミュ障になったのもこれに由来している。叔父が大柄な人物だったことから大柄な男性を特に苦手としている。当初は他人とまともにコミュニケーションが取れず閉じこもってしまうほどだったが、ヒルダとの共同生活を通して辛うじて学生生活が送れるほどに緩和、バーニーの件で若干悪化して引き籠り生活をするようになるも、学園潜入後にシリル・アシュリーの執念に感化されたこととラナ・コレットのような親身な人たちと知り合ったことで再度緩和された。一方、彼女たちでさえ自分の正体を知ると掌を返すのではないかという不安も抱えている。

また、虐待時に数字の世界に逃避していた経験から世界や人間が数字の塊のようにしか認識できないことがある。人の顔なども、各部位の位置や角度など数字として捉えられる要素の集合として記憶している。加えて、学園に潜入してから得た大事な人たちへ執着している部分があり、彼らが傷つけられそうになればどこまでも残酷で無慈悲になれ、殺すよりも残酷なことできてしまう。

片付けも苦手であり、規則的に整理させても独自のルールにより整頓するため他人には理解不能な他、自宅の山小屋は足の踏み場が無いほど仕事と研究の書類で溢れかえっている(一応本人はどこに何があるか正確に把握している)。そのため、寝る際は机に突っ伏すか、机の下で丸まっていた。王城に用意されている個人の執務室も机が埋もれて見えなくなるほどのゴミ部屋と化しており、何かあればドア前の床で作業している。一方、学園潜入後の居住場所である屋根裏部屋は私物も雑用も殆ど持ち込まなかったため綺麗に片付いている。

幼少期から物語の類を読み慣れていないのに加えて十分な情操教育を受けて育っていないため、他人の心情を読み取ったり自身の心情を分析したりすることも苦手としている。比喩表現の類が全く理解できないため文学作品を苦手としており、読んでも話の筋は理解はできるが登場人物の心情等に全く共感できない。


極度の運動音痴かつ運動不足で体力も無く、動きが何かと愚鈍である。これが原因でバランス感覚を必要とする飛行魔術が扱えなかった(後に授業を取っている乗馬の経験を活かして馬に見立てた箒や棒に乗ることによりバランスを強引に安定させる術を身につける)。


容姿編集

薄茶色の髪と瞳(瞳の方は光の当たり具合で少し緑がかって見える)、地味で素朴な顔立ちをしており、笑えば人並み程度の愛嬌はあるとされている。

一方、父親が死亡してからの虐待や食欲不振、その他不健康な生活習慣(不規則かつ不足気味な食事や睡眠)の積み重ねにより、青白い肌をしている上に年齢に対して体型が貧相である(12~13歳相当に見える)。人との接触を避ける生活をしていたため身だしなみには無頓着、背中の虐待痕も気にしておらず異性に下着姿や裸を見られても動じないほどだが、体型については学園潜入後に友人たちと比べるようになったため少なからず気にしている。


地位編集

七賢人に選ばれた際に、伯爵に相当する魔法伯の爵位を賜っており、国内に10人もいない爵位を持つ女性でもある。しかし、貴族としての自覚は一切なく、自身の爵位だからと伯爵位を最も低い爵位と勘違いしていた他、貴族であることを証明する書類や指輪も紛失している(七賢人にのみ与えられるローブや杖も定期的に必要になるため紛失こそしていないが雑に扱っている)。また、貴族としての作法等も一切知らない。もっとも、魔法伯と紐づいている七賢人としての自覚も薄く、その地位に全く執着がないため、ルイスから「昔(学園潜入前)なら帝国の誘いに乗って寝返っていた」と評されており、本人も否定していない。なお、魔術師としての自覚だけはある。

魔法伯が非世襲の宮中伯なため領地こそ持っていないが、七賢人としての雑用は概ね忠実にこなし、そうして得た収入を引き籠り故に殆ど使用しなかった結果、16歳時点で王都に家を建てられるほどの貯蓄があり、金には特に困っていない。山小屋時代には手間賃込みとして届けられる食料の2倍近い額を報酬に渡していた。なお、収入の割りに高額な買い物をする習慣も無いため大金(金貨)は持ち歩かない。


嗜好編集

父と同様にコーヒーを愛好しており、父の開発した形見のコーヒーポットを愛用している。食べ物としては白身魚のレモンソテー(魚と柑橘系)、レーズンフロランタンを好み、ヒルダが1か月間煮込み続けたものを食べて寝込んだことがトラウマになった羊肉を苦手とする(後にグレン・ダドリーアイザック・ウォーカーの羊肉料理により緩和された)。なお、食事には基本的に無頓着であり、誰かが作ってくれたものは喜んで食べるが、一人の時はパンや木の実を少し齧ってコーヒーを啜る程度しかしない。そのため、料理も計量を除いて最低限しかできず、少しでも凝ったモノになると失敗する(それでもヒルダの養女と知っている者からは遥かにマシと思われている)。なお、形見のコーヒーポットが優れているとはいえコーヒーを入れるのだけは非常に上手い。

非常に酒に弱く、ワイン一杯で泥酔し、人前で肉球を求め出した挙句に服を脱ぎ出し、そのまま寝てしまう。泥酔時の記憶はないものの酒に弱いという自覚はあり、自ら飲もうとすることは無い。


沈黙の魔女編集

魔力の行使を苦手とする人間が魔法を使うには「専用の複雑な術式」と「それを用いて魔力を編み上げるための詠唱」が必須となり、そうして行使された魔法を魔術、専用の術式を魔術式と呼ぶ。モニカは魔術式を数式のように捉え、その圧倒的な計算力をもって一瞬で最適解を導き出すことによって無詠唱を実現している(魔術式への深い理解により省略を行うのが短縮詠唱であり、その究極系と言える)。「複雑(難解)な数式を見て、(途中式を必要とせずに)いきなり答えに辿り着く」ようなものと例えられ、それほどの頭脳を持つ魔術師はあり得ないとされて机上の空論扱いだった。彼女の実力では行使できないほど高難度な魔術(六重強化魔術、違和感のない動的な幻術など)、精霊王召喚などに用いられる儀式的な意味を持つ詠唱(儀式詠唱)は無詠唱で行使できないが、モニカの実力で十分行使できるものなら詠唱に数時間かかるような魔術式であっても無詠唱にて行使可能で、結果的に現存する魔術式の約8割を無詠唱にて行使することができるようになった。これが彼女が七賢人に選ばれた最大の理由であり、「沈黙」と呼ばれる所以である。


その魔術発動の早さと魔力操作の精密さ、平均的な上級魔術師の1.5倍以上ある魔力量により、大規模攻撃ないし精密狙撃の連発による先行制圧、あるいは相手の魔術式を解析して主導権を奪取することによる封殺を得意とし、ルールありの魔法戦(つまりは面と向かってよーいどんする魔法オンリーの戦い)では無敵、モニカに敵う者は七賢人にもいない。魔力節約術式等を追加で組み込んで膨大になった魔術式であっても無詠唱にて行使可能なため、魔法に詠唱を必要とせず膨大な魔力を持つ上位精霊を相手にしても防戦一方とはいえ戦いを成立させられる。そのようなことが可能な魔術師は彼女を除けば数人しかいない。

本人が自覚してない上に意外と知られていないが七賢人の中でも武闘派の一人に数えられており、これまた自覚していないが周囲から「天才」「化け物」と評されるほどの実力者である。師のギディオンも「(ミネルヴァの学生が半年かけて学ぶ内容を1週間で覚えた貧民出の)ルイス・ミラーを百年に一人の逸材とするならば、モニカは千年に一人の逸材だ」と評している。

一方、実戦(厳密には対人戦)馴れはしておらず、何でもありの実戦では元魔法兵団団長のルイスに勝てない(魔法戦でも彼がなりふり構わまくなると怪しい)他、帝国の工作員を相手にした際も心理的駆け引きに敗れて無力化されている。

極一部を除いたあらゆる魔術(特に基礎魔術)を卒なく扱えるが得意な魔術属性は風であり、精霊王召喚にて呼び出されるのも風の精霊王シェフィールドのみで、風属性以外の精霊とは契約できない。


文字通り人外レベルの魔術式理解力から魔術式研究の第一人者であり、開発・改良した魔術式の中には早くも魔術教本に記載されたものも存在し、現在の基礎魔術の3割に影響を与えている。それを指して「近代魔術のセオリーをひっくり返した」とも評されている。一方、開発したばかりの魔術式は「魔術式が長すぎて無詠唱を扱える本人以外では実戦レベルで扱えない」「無駄を削るのに専念し過ぎて分割が考慮されておらず丸ごと覚えるのが難しい」といった指摘を受けることがある。


あくまで無詠唱魔術を支える魔術式理解の大天才に過ぎず、魔術の同時維持は他の上級魔術師と同じく2つまでしかできない上に、魔力量や魔力操作技術も上澄みではあるが更に上が何人か存在し、個々の魔術に関する理解力・応用力・精度・威力においても他の七賢人をはじめとする専門家には数段劣る(要するに器用貧乏)。本人もそれを自覚している上に、魔力の扱いに長ける魔法生物は無詠唱魔術と等価なことを当たり前にこなしていたり魔道具を用いれば同じようなことができたりするため、「短縮詠唱も無詠唱も、言うほど大したものじゃない」「メリットは発動が速いことと、こっそり使えること。ただそれだけ」と、無詠唱魔術にそこまでの価値を見出していない。むしろ、魔術式に対する深い理解と、それを活かして魔術を最大効率にて運用することの方を得意だと自負している。つまるところ、モニカの本質は無詠唱魔術ではなく魔術式理解力の方である。

また、完璧でない魔術式とその使用には抵抗感があり、どれほど膨大な魔術式でも無詠唱にて行使できることから術式分割は特に毛嫌いしている。術式分割すれば使い手が殆どいない四重強化魔術など一部の高難度魔術が行使可能となる他、無詠唱により分割のタイムロスを殆ど踏み倒せるため最も術式分割の恩恵を受けられる身だが、「分割による冗長部分があって非効率(=汚い)だから使用したくない」とギリギリまで使用せず、その信念を曲げて使用した際には深く気にしている。さらに、自信作だった魔術式を普及面を考慮した弟子たちによって3分割(モニカ視点では実質4分割)された際は泣き崩れている。


沈黙の魔女〉という二つ名は恩師のギディオンが考えたものであり、七賢人就任≒上級魔術師資格取得時に魔術師組合から与えられたものである。


余談編集

初出編集

実は『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』の原作『サイレント・ウィッチ』ではなく、その世界観を固めるために書かれた習作『記憶喪失軍医ロザリー・ヴェルデの考察』が初出となる。

ロザリーとルイスを主人公として七賢人選考会での騒動を描いた当作にはルイスのライバル役として登場し、ロザリーに重傷を負わせた容疑者候補にもなっていた。

また、若干の設定変更があり、習作の方では選考会参加時点でミネルヴァを卒業して二つ名を得ていたが、本編では七賢人になったタイミングで卒業し、上級魔術師として二つ名を得た設定となっている。


バーニーが短縮詠唱を教えた真意編集

モニカが無詠唱魔術を習得する足掛かりを担ったバーニーだが、彼がモニカの面倒を見ていた最大の理由は自尊心を満たせるからであり、そのためにモニカが同級生から陰ながら虐められているのを敢えて放置して自分に頼るしかないように仕向けていた。そんな彼が純粋にモニカの力になりたい・彼女の努力を実らせてやりたいと思って教えた数少ないものの一つが短縮詠唱であり、それが結果的にモニカの才能を完全に開花させ、彼が劣等感に苛まれる原因になったのは皮肉である。


ギディオンへの認識編集

ルイス同じくギディオンを師に持つが、ルイスにとっては魔術を教わった師匠である一方、モニカにとっては研究室で面倒を見てくれた教師止まりであり、「恩師ではあるが師匠ではない」としている。なお、結果的にギディオンのおかげで七賢人になれた身だが、それについては全く感謝していない。

ちなみに、モニカが七賢人内で唯一ルイスだけを二つ名ではなくファーストネームで呼ぶのは、研究室時代にギディオンからルイスの悪口を聞かされ続け、ルイスのことを共に七賢人になる前から「ラザフォード先生がよく口にする、お弟子さんのルイスさん」と認識していたためである。


選考会の裏側編集

面接試験で必ず失敗することが分かり切っていたモニカを強引に参加せたギディオンだが、実は彼女が合格するとは考えておらず、最近調子に乗っていた他二人の候補者(特に弟子のルイス)へ灸を据えるためだけに参加させた。なお、その二人は選考会直後こそモニカに惨敗したことで不合格になったと落ち込んでいたが、その晩にロザリーを巡って一悶着あったため、灸を据えた意味はあまりなかった。

選考会後の七賢人内では、バーランド・ヴェルデが他国に流出させては大損害になる才能の保護という名目でモニカを推したものの、衆人環視の場に出る機会が多い七賢人として極度の人見知り気質は問題だとするメアリー・ハーヴェイの意見により合格が見送られかけていた(保護については七賢人の弟子にするという代替案が考えられた)。そんな中、候補者の一人が犯した殺人未遂事件の犯人として捕まった(厳密には睾丸を失って再起不能となった)ため、モニカが繰り上がって合格することとなった。つまり、補欠合格だと思っているモニカの認識は正しいが、その理由がグレアムが引退したからではなく他の候補者が脱落したからという部分で食い違っている。


同窓であるグレンとの面識編集

ルイスによってモニカと同時に編入したグレンも元ミネルヴァ学生だが、グレンが通っていたのは11歳の時かつ数カ月間、モニカは13歳になる年から通い始めた(つまりグレンが退学した翌年にモニカが編入した)ため面識がない。


潜入任務を任された理由編集

ルイスがモニカに語った部分では、素顔が知られていない点、素人故に一周回って警戒されない点、無詠唱魔術が隠密面で優れている点が挙げられる。語っていない部分では極度の人間不審な点があり、簡単に他者を信用しないのが護衛に最適だと考えていた。しかし、蓋を開けてみればモニカは親身な相手に対して素直に心を開く性質だったため、それを確認した際には釘を刺している。

結果的に人間不審な点以外は正確な人選だった。


ケルベック伯爵家養女設定の理由編集

学園潜入に際してケルベック伯爵家の養女となっている理由だが、前提としてケルベック伯爵家はウォーガンの黒竜事件の際にモニカに助けられた恩があり、学園が基本的に貴族の子供に対して開かれたものというのもあるが、王位継承権争いが過熱している時期に編入してきたモニカに対して探りを入れられた際にバックについているケルベック伯爵家が牽制になるという部分も大きい(ケルベック伯爵家は伯爵家ながら竜害対策として大規模な軍隊を有している大貴族であり、公爵家だろうと迂闊に手出しできない)。

なお、一応は貴族の子女として編入したにもかかわらず寝泊りが寮の屋根裏部屋なのは、人見知り故に二人部屋での生活に耐えられず極秘任務もあることを考慮したイザベルが自然な形で一人部屋を手に入れられるように学園長と交渉した結果である(寄付金を積めば容易に一人部屋にできたが冷遇設定のモニカのために寄付金を積むのは不自然だった)。


偽名の安直さについて編集

潜入時の偽名でもファーストネームはそのままだが、「モニカ」は珍しい名前でない点、学園内に素顔を知っている者がいない点、七賢人=国内トップエリートが学生に混じって生活することが非常識な点、何よりモニカの挙動不審っぷりが七賢人に対する世間のイメージから程遠い点により、「モニカ」が〈沈黙の魔女〉の名前と被っていることを指摘した者はいたものの、学園内でモニカ・ノートン=モニカ・エヴァレットという図式にまで思い至る者は二人しかいなかった(その二人も元ミネルヴァで学生時代のモニカと面識があった)。物的証拠(杖)と無詠唱魔術を見てもなお半信半疑なほど両者を結びつけることは難しく、この手のことに人一倍聡いアイザックもモニカが一般人では無いこと自体は即座に見破ったが、その正体を知った際は「〈沈黙の魔女〉に対する憧れが大きすぎて目が曇っていた」としている。

この他、モニカ自身が魔術関連の授業は取らないようにしていたり人前で魔術を使わなかったりなど、魔術を使えること(途中までは魔術関連の知識があること)さえ隠していたのもそれなりに大きい(人前で詠唱できないことから隠さざるをえなかったという事情もある)。


関連イラスト編集

サイレントウィッチ


モニカ


関連タグ編集

サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと サイレント・ウィッチ


モニカ・レイン:旧名。

モニカ・ノートン:学園潜入時の偽名。

沈黙の魔女:二つ名。

無言のエヴァレット:ミネルヴァ編入当初の渾名。


この記事のカテゴリ編集

キャラクター・人名

関連記事

親記事

サイレント・ウィッチ さいれんとうぃっち

子記事

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

pixivに投稿された小説 pixivで小説を見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 61813

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました