「勝負はテーブルに着く前から始まっているのですよ、同期殿」
概要
サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごとの登場人物。
「結界の魔術師」の肩書きを持つ、リディル王国最高峰の魔術師七賢人の一人。
契約精霊のメイド、リィンズベルフィールド(リン)を連れている。
同期は「沈黙の魔女」モニカ・エヴァレット。
魅力的なキャラクターが多い本作の中でも特に個性的な人物である。
小説家になろうで連載されていたサイレント・ウィッチの前日譚、「記憶喪失軍医ロザリー・ヴェルデ」をベースにしたスピンオフ「結界の魔術師の成り上がり」では主人公として活躍する。
人物
丁寧な言葉遣いの上品な紳士……ではあるが暴力的な思考を持つ元ヤン。毒舌で笑顔で暴言を吐き、弟子にはよく手が出る。弱い者苛めではなくモニカや竜といった強者を対象とした強い者苛めが好きで、性格破綻者扱いされることも。
中性的な整った見た目で女と思われることを気にする。
負けず嫌いで勤勉な努力家で、反発することで成長するタイプ。
同期のモニカとは関わりが多くウォーガンの黒竜討伐に彼女を連れ出したり、任務を押し付けたりしている。七賢人選考の魔法戦で戦った彼女の才能と実力を高く認めている。
第一王子のライオネルとは学友で、第一王子派の立場を表明している。そのため政敵の第二王子護衛は警戒されていて難しく、モニカの手を借りることになった。
かなりの愛妻家で、七賢人を目指した理由は彼女との婚約に関わっている。妻ロザリーが懐妊した時はモニカに宛てた任務の連絡で「パパになります」と伝えるほど浮かれ、リンからは浮かれポンチ呼ばわりされていた。
リディル王国北部の出身でかなりの酒豪。また、大の甘党でワインにジャムを混ぜて飲んだり一日一瓶ジャムを消費したりすることも。(自炊は一応出来るらしいが最後のジャムで大体台無しなんだとか。)
過去
極寒で貧しい村の娼館で育つ。偶然訪れた魔術師養成機関ミネルヴァの教授ギディオン・ラザフォードが落とした教本を拾って読み、魔術を覚える。その後彼の与えた課題をクリアしたことで推薦を貰いミネルヴァに入学することになる。
「コトコト煮込まれたくなけりゃ、俺にジャムを献上しな、クソども」
このころはまだ荒々しく、度々問題を起こす不良で広まった呼び名はミネルヴァの悪童。
ミネルヴァでは後に妻となるロザリー・ヴェルデ、姉弟子のカーラ、第一王子ライオネル、後に魔法兵団の部下となるオーエン等と出会う。師匠となったラザフォードの魔術に対抗するため結界術を学ぶようになり、それが得意技となる。
卒業後は魔法兵団に入り「結界の魔術師」の肩書を得て、最終的に団長まで上り詰めた。
この頃には現在と同じ上品な紳士となっている。
高位の精霊であるリンと契約し、竜討伐をこなし、ミネルヴァで事件を起こしたグレン・ダドリーを引き取り弟子にするなど七賢人となるために実績を積み選考まで辿り着くが……?
戦闘能力
竜の単独討伐数が歴代二位の武闘派魔術師。
得意な魔術は「結界の魔術師」の肩書き通り結界で、国内最高クラスの防御力を誇る。
だが、敵を逃がさないように強固な結界で周囲を覆ってその中に魔術を連打するのが基本戦術である。結界を杖や手足に展開して殴る蹴る、体を覆って飛行魔術で体当たりして轢く、収縮させて潰すなど物理攻撃として活用することも。
魔法兵団出身のため接近戦もでき、魔力温存のために杖や斧を振るうこともままある。
得意な風属性以外の属性も扱え、鉄壁の防御と高い機動力と対応力を兼ね備えたオールラウンダーである。
余談
ちなみに、直接関係性があるわけではないが作中では2代目ミネルヴァの悪童と呼ばれている当時のルイスに匹敵する問題児が登場する。
タチが悪いのが初代。気持ち悪いのが2代目。