モニカを壊したらお前なんて 頭からバリバリ食ってやる
概要
『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』の登場人物。CV:生天目仁美
リディル王国七賢人の一人〈沈黙の魔女〉モニカ・エヴァレットの使い魔。普段は人の言葉を喋る黒猫の姿をしているが、20歳後半の成人男性の姿に変化して行動する時に「バーソロミュー・アレクサンダー」という、愛読している小説の登場人物の名前を借りている。
猫の姿でも人の姿でも毒や呪いの類は殆ど通じず、人の姿での身体能力は非常に高い。
人物
基本的に自由気ままで傲岸不遜な性格をしている。人間ではないということもあり、人間社会の常識や制度、風習に疎い。そのため、王族を相手にしても不遜な態度を変えることは無い。
また、興味を持った相手でもない限りは他人の名前を覚えようとせず、相手に対して抱いた印象で呼んでいる(例えば、シリル・アシュリーは「ヒンヤリ」)。「バーソロミュー・アレクサンダー」という名前は流石に偽名だと丸分かりということでモニカが別の偽名を用意してもすぐに忘れる。
人間に興味が無いと自称するが、人間の文化や創作物には非常に興味があり、大衆小説を愛読したり、カードゲームを嗜んだりしている。
モニカとの関係性は、対外的には飼い主とペットないし魔術師と使い魔となっているが、実際は上下関係のない対等な相棒に近く、魔術的な契約の類も行っていない。最初は利害や興味からモニカの傍にいたが、現在はある種の絆で結ばれている。モニカはネロに心を許し、ネロはモニカを害する者には一切の容赦がなくなる。
黒猫の姿でいることが殆どだが、好物は魚類ではなく肉類である(魚類が嫌いというわけではない)。
関連イラスト
関連タグ
この先中盤以降のネタバレ注意!
オレ様の主人を壊したな?
・・・同胞のよしみだ。これ以上、その哀れな姿を晒さなくていいよう、一瞬で塵にしてやる
正体
その正体は、〈沈黙の魔女〉に退治されたことになっている、第一級危険種〈ウォーガンの黒竜〉。
竜族で唯一、万象を例外なく灰燼と化す黒炎を吐くことができる希少種であり、その危険性故に発見次第討伐することが常識となっている。そんな黒竜を使い魔にすることは前代未聞なケースであり、戦争や政争に利用されかねないことを考慮して正体を隠している。自ら正体を明かすことは無く、不可抗力で正体を知ってしまった者に対しては脅迫同然の口止めも行っている。
猫や人間の姿では黒炎を扱うことはできない上に、肉体の物理的耐久力もその姿相応にまで低下している(猫の姿では野良犬相手に死にかけることさえある)。一方、毒や呪いへの耐性は継承しているが、同時に寒さへの耐性の無さも継承している。
生物としては魔力によって身体を構成している精霊に近く、外界から魔力を吸収するだけで生きていられる。そのため、本来は食事を必要としないが、人間に近い味覚が存在しており嗜好品として楽しんでいる。また、精霊とは異なり吸収する魔力の質を問わないため、魔力が薄い場所でも問題なく生存できる。
人間社会の常識や制度などに疎く他人の名前を覚えないのも、黒竜として独自の価値観を持っており人間に対して興味が無いためである。その興味の無さは人間によって住処を追われても特に気にしないほどである。
経歴
黒竜として、時に一部文化圏では「神」として信仰の対象となり、時に第一級危険種として討伐対象となりながら人類に畏怖されてきた存在。リディア王国では黒竜(ネロではない)による大規模竜害が歴史上2回発生しており、発生する度に国が半壊する被害を被っていた。
各地を転々としており、ウォーガン山脈に移動する前は帝国の山に住んでいた。
帝国の山が開発によって騒がしくなったため静かな場所を求めてウォーガン山脈に辿り着いたは良いものの、その周辺に住んでいた翼竜たちからボスとして認識された上に、それによって調子に乗った若い翼竜たちが人里を襲う事態となった。これが後に「ウォーガンの黒竜事件」と呼ばれる大規模竜害であり、この対応のために王都から竜騎士団と共に派遣されたのがモニカである。
ネロ自身は人間を襲うつもりは一切なかったどころか、野鳥を丸呑みにした際に喉に骨が刺さり、その苦痛からウォーガン山脈の一か所に留まって日夜喚き続けていた。そこに、極度の人見知り故に単身にて黒竜を討伐するためにウォーガン山脈を訪れていたモニカが現れたため骨を抜いてもらう。
その後の問答により、モニカの能力や精神性に興味を持ったため、黒竜はモニカに討伐されたということにして自身は使い魔の黒猫として彼女の側にいることにした。
以降、ネロはモニカの側を離れることなく、本編に入ることになる。
余談
黒竜(や白竜)には食って取り込んだモノの情報を吸収して再現できるという特性があり、変身している黒猫や男性の姿は約50年前に取り込んだものである。そのため、男性の姿の際に纏っているローブは古風なものとなっている。また、「ネロ」という名前も取り込んだ黒猫の名前な他、ネロが猫に対して抱いている価値観も取り込んだ男の遺言をもとにしている。ちなみに、「オレ様」という一人称も、取り込んだ男性の一人称が「オレ」だったことと、当時〈クユラの民〉から「神様」と呼ばれていたことが由来である(「オレ」にはしっくりこず、神様は偉いから「オレ様」という流れ)。
黒竜は非常に希少な種であり、同種が遭遇することはまずない。個体識別を行う必要が無いため、黒竜自身は名前を重要視していない。一方、人間側にとっては大規模災害相当の脅威なため、その黒竜が初めて確認された土地・場所の名前を冠詞として付けることで個体識別を行っている。