CV:曽我部和行(2006年の『パタリロ西遊記!』では子安武人)
演: 青木玄徳(2016年舞台版)宇野結也(2022年舞台版)
人物像
本名ジャック・バルバロッサ・バンコラン。イギリス秘密情報部(MI6)の殺人許可証を持つ(いわゆるダブルオー要員)凄腕エージェント。階級は少佐。
「ジャック」は父が付けた名。
幼少時代、母親に借金のカタとして身売りされた時のことで女性不信になった。これ以後、母親が付けたミドルネームを決して使わずジャック・バンコランと名乗っている。
容姿は長身と黒の長髪、そして天然のアイシャドウがトレードマーク。かなりの現実主義者で、心霊現象やオカルトの類は一切信じない。作中ではそういった現象にしばしば遭遇するが、信じないながらも様々な手段で乗り切っている。
女性には基本一切興味がなく(上述の事情もあってむしろ大の女嫌い)、それでいて男女問わず魅了する絶世の美男子振りから「美少年キラー」の異名をとる同性愛者。ちなみにバンコランの一族はほとんど同性愛者であり、女性に比較的抵抗の少ない者や数少ない異性愛者が子孫をつないできた。彼の父は一族では珍しい異性愛者。
敵対する美少年を籠絡して戦意を失くさせることも多いが、特にかつて国際ダイヤモンド輸出機構からの刺客であったマライヒとは生涯の伴侶として同棲している(のちに何故か子供が誕生)。しかし浮気癖があり、たびたびマライヒを悩ませている。さらには2人の知己の間柄であるパタリロが巻き込まれることも多く、しかもこの浮気癖を矯正しようとするとなんらかの弊害が発生するため結局元の木阿弥になる。この為パタリロも「色魔」「節操なし」と断言している。
なお、唯一接することに抵抗がない「女性」の例外として、パタリロの母エトランジュには何かしら思うところがあるようである。
特殊能力として『眼力』を持っており、バンコランに視線を向けられた者は彼に強く惹き付けられる。通常は10~20代の男性に強く作用するが、強めれば誰にでも作用する。しかし本人は前述のとおり現実主義者な上に、普段からその美貌だけで他者を惹き付けがちなこともあり、この能力を単なる色目程度にしか思っていない。この眼力はバンコラン一族の男性が代々持っている能力である。また、バンコラン菌なる細菌の保菌者で、彼が出入りした場所では同性愛者が急増する。この菌は美青年にしか効果がない。主な被害者はタマネギ部隊であり、部隊のほぼ全員が同性愛者になった原因の一つである。
他にも死神がスポンサーについていると言われる程、如何なる窮地でも生還するという能力を持つ。実際に超遠距離からバンコランを狙撃しようとしたスナイパーがスコープの中に死神の姿を見て怯んでしまうという事例があり、比喩でも何でもなく死神に護られているようである。
食事に関しては、弱みを握ろうとしたパタリロすらも呆れるほどかなり大雑把で、食べるスピードは非常に早いが、食べるものは専ら大きなステーキにワインの大瓶だけと偏食が目立つ。牛肉ではなく鴨肉を食べたこともあるが、肉類以外の食べ物は基本的に食べず、野菜類はステーキの付け合せ以外では頑なに口にしないほどに嫌っている。だが、それが理由で体を壊したことは無いらしい(タマネギによると、「肉食獣のように体内でビタミンを作り出しているのでは?」とのこと)。
徹夜後も一杯のウォッカを睡眠代わりにしたり、朝食代わりに白ワインを飲むなど、大酒飲みであることも窺える。
また、ヘビースモーカーでもあり、禁煙の場所でも誰かに注意されない限り構わずタバコを吸っている。
因みに単行本では84巻辺りを超えた頃から何故か出番が著しく減少し、85巻等収録回全てに於いて未登場という事が多くなっている(これはマライヒも同様である)。
パタリロとの関係
マリネラ国王であるパタリロ・ド・マリネール8世とは王子時代に警護を担当して以来の腐れ縁。縁を切りたいとは思っているが、能力は認めている。互いに行動パターンを理解しており、利用することも多い。
ちなみに、バンコラン一族の眼力が効かない唯一の一族がパタリロの一族である。
(ラシャーヌは眼球の神経速度を遅くするというパタリロ並みに人並み外れた能力で対抗し、当初バンコランを自信喪失させかけていたが、効かないわけではなく、マトモに見てしまったときは本人の惚れやすい性格も相まってこれ以上なく効いてしまった)
射撃能力
スパイ、エージェントという立場上、拳銃とは縁が切れない関係である。が、一方でその職種故に派手なガンアクションというものを年中やるわけでもない。
愛銃はワルサーPPK。
その射撃能力だが、精度においてはおそらくあの野比のび太と比肩する。早撃ちに関しては特別に数字が出ていないものの、振り上げられた山刀の1点に1弾倉分(9発)を一瞬にして打ち込んでへし折ったことがある。
ここまでならのび太も似たようなことをやったことがあるが、のび太の精密射撃が基本的にブローバック機構がない銃(リボルバー、もしくは「ショックガン」など光線銃の類)なのに対し、バンコランはブローバックによる反動の大きいオートマチック銃でやってしまうのである。
また拳銃以外では狙撃銃の扱いも凄まじい。立射ですらなく走りながら、高所の敵スナイパーのスコープを正確に撃ち抜いたことがある。
敵スナイパーのディズニーが直前に死神のイメージに怯まなければHSとなっていた。
超能力である眼力、パタリロと付き合える精神力などが注目されがちな彼だが、射撃に関しては野比のび太No.1説に疑問符をつける数少ない人物である。
余談
魔夜峰央の娘にしてBLの洗礼かつ英才教育(?)をモロに受けた山田マリエは同じBL趣味のある友人と、バンコランの無節操っぷりにBL流の「受け」としてのお仕置きを想像したのだが、腐の逞し……耽美な想像力をもってしてもバンコランの超人っぷりは「受け」にするのは不可能である結論に至った。
つまりバンコランは魔夜ワールドでも絶対的な「攻め」キャラクターだと言える。
『パタリロ源氏物語!』では彼をモデルにした光源氏が主人公となっているが、そちらではツッコミのみならずボケをかますシーンも割と少なくなく、その際に(ギャグ表現ではあるが)パタリロ並に頭身が低くなったり、回によっては逆にパタリロをモデルとしたキャラを怒らせてしまう一幕も存在した。
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