概要
国際ダイヤモンド輸出機構に所属する凄腕の殺し屋であったが、「美少年キラー」の異名で呼ばれるMI6のバンコラン少佐に堕とされて彼の愛人となり機構より離脱。バンコランと同棲するようになった。
18歳。オーストリアの貴族、ユスチヌフ公爵の子息だったが、幼くして両親を事故で失い、悪徳弁護士に遺産を奪われて寄宿学校に放り込まれる。そこで悪い先輩に同性愛を仕込まれるが、恋人ではなく弄ばれていたことを知って学校を飛び出し、後に彼を殺し屋に育て上げることになるラーケン伯爵と出会う。なお、本人も知らずにいた、腹違いの妹キアイラの存在が後に判明している。
ナイフ技を中心とした各種殺人技術に加えて頭も切れ、ミステリー物ではしばしば天才児パタリロをも超える推理の冴えを見せる。
劇中ヌードシーンやベッドシーンが最も多く、オナニーやレイプシーンまである、要するにパタリロのお色気担当。
人物
外見・内面ともに女性的で、作者の「男の子の体を持ってしまった女の子」という発言通り、恋人であるバンコランの前で見せる姿は、可愛らしい女の子そのもの。
極度のヤキモチ焼きで、バンコランの浮気癖には心労が絶えない。しょっちゅうぶち切れてはバンコランをボコボコにし、パタリロやその他もよくとばっちりをくらう。ヤキモチが頂点に達したときの戦闘力は全キャラ中最高クラスを誇り、核シェルターすら破壊する。
女装そのものはそれほど好まないが、普段の服装がショートパンツにミュール履きだったり、外出時にはきらびやかなマントや毛皮のコートにピンヒールのブーツを合わせるなど、ファッションはなにかと派手で女性的。また、バンコランの前でウェディングドレスを着たいという願望を持っていた。
宝石が好きで、カラーダイヤを報酬として、度々パタリロに協力させられている。
二度の妊娠を経験しており、一度目は流産、二度目が現在の息子フィガロである。もちろん普通の赤ん坊ではないが、パタリロ以外は彼の正体を知らない。
現在は親子三人で暮らしている。
・・・男がどうして妊娠するのかはもはや詮索するのもヤボである(一応、二度目の妊娠については作中で理由が明かされている)。
一方で、その存在はあくまでも「少年」であり、年下の少女から憧れられる場面もある。
成り行きから女の子とデートすることになったときには、相応のふるまいで確りとエスコートしている。また、兄と名乗ることはできない立場ながら、妹キアイラが可愛らしい女性に成長していたことを喜び、彼女を秘かに守りつつ恋人との未来を祝福するという一幕もあった。
演じた俳優
1982年のアニメ『パタリロ!』(途中で『ぼくパタリロ!』に改題)では藤田淑子が、2016年の舞台劇では佐奈宏紀が、2022年の舞台劇では後藤大が演じた。
また、番外編の『パタリロ西遊記!』の三蔵法師としてのマライヒは2005年のアニメでは高木礼子が、2007年の舞台劇では永木貴依子が演じた。
その他
- 作者によれば、元々は捨てキャラで、バンコランに2-3回絡んだところで死亡退場の予定だった。マライヒという名前も、殺し屋と言うことで不気味さを強調するべく、ルブランの『アルセーヌ・ルパン』シリーズに登場する不気味な青年「マルライヒ」に『レンズマン』シリーズのやっぱり不気味な宇宙人「アイヒ族」をかけあわせて造ったものである。
- 作者である魔夜峰央の夫人、芳実がモデルと言われてきたが、マライヒは魔夜夫妻が出会う前から登場している。が、その後登場を重ねるうちに少しずつ、芳実夫人の性格などが反映されていったという。そのため美少年でありながら女性化の傾向が強まっていった。
- なお、2人の出会いは魔夜27歳、夫人18歳の折で、奇しくもバンコランとマライヒそれぞれの設定年齢と同じだった。しかも互いに痺れる程の一目惚れだったとか。
- ちなみに娘の山田マリエの「魔夜の娘はお腐り申し上げて」で上記の誤解をネタにした話でマライヒと芳実が一緒に登場している。ちなみにマライヒの方が背が高く描かれている。そういう事もあってかマリエが描く母はマライヒとあまり似ていない。
- 舞台版では女性と男性のどちらをキャスティングするかが問題になったが、家族会議にかけたところ全員一致で「男性で」となった。