パタリロ
ぱたりろ
本名パタリロ・ド・マリネール8世。作品の舞台であるマリネラ王国の国王。前国王ヒギンズ3世の死を受け、わずか10歳で即位した。「陛下」という敬称を「『屁、以下』みたいだ」と嫌っており、国王となった今も部下には「殿下」と呼ばせている。
天才的な頭脳を持ち、『人間コンピュータ』と称されるほどの演算能力(一時的であれば、最新鋭のスパコンすら凌ぐ速度での高速思考も可能)を誇る。生まれた頃から学問書を絵本代わりに育ち、乳児の頃には人体の組成を羊羹に変える機械を発明、更には10歳に満たない年齢で世界レベルの超難関大学を優秀な成績で卒業している。また、ギャグパート・シリアスパートの垣根をぶち破るほどの驚異的な生命力を誇り、時間跳躍や時間停止などの不可思議な超能力も体得している。
容姿は第1巻では普通の子供の体型で辛うじて美少年とも言えなくもなかったが、2巻以降急速に2.9頭身のずんぐりむっくりな体型になった(本人いわく、国王としての重圧によるものらしい。ただしアニメでは第1話の時点で既にずんぐりむっくり体型となっている)。同じように顔もギャグ風に変わり、その姿を周囲からは「へちゃむくれ」「つぶれあんまん」「顔面殺虫剤」「生ゴミみたい」「E.T.より酷い人種」など散々に言われている(なお、現在の顔は1巻ではギャグ描写になった時にたまに変化するという今で言うギャグ顔の設定であった。これもアニメでは第1話の時点で既にバカっぽい顔になっている)。ただし、たまに目だけが美化するなど将来的には美少年になるようである(というか、非常にかなり先の事だが、86巻「ベニクラゲ」などで本当に美少年に変貌するエピソードが少しだけ存在している)。
性格はわがままで悪戯好き。悪戯に関しては、特に意味も無く死傷者が出かねないレベルのイタズラを友人のバンコランや部下のタマネギ部隊など親しい相手に仕掛けたり、初対面の人物に対してもからかったりする。しかし大概はパタリロがしっぺ返しを食らう(特に色々規制の緩かった初期頃はギロチンで頭を切られたりマシンガンで口を撃たれたりと、普通の人間なら間違いなく死ぬような制裁を受ける場面が多かった。勿論これはギャグ漫画なのですぐに復活しているが)。
他人の不幸やタマネギをいたぶるのが好きだと公言するものの、本当に困っている人物を身を挺して助けてやったり温情を計るなど、国王としての資質は備えている。その性格を偽善者ならぬ「偽悪者」と言われることも。
他の特徴として、異常なまでに金銭に執着し、守銭奴であることが挙げられる。部下には「命より金のほうが大事なんじゃないか」とも言われている。と、守銭奴であることは確かなのだが、物的欲求というより性癖のようなもので、その傍証として紙幣より硬貨の方に反射的に強く反応する傾向がある。タマネギにも「理性では紙幣の方が何十倍も高価なことは解っていると思うんですが」と言われている。
また、『クックロビン音頭』が大のお気に入りで、事ある毎にタマネギたちを交えて踊り歌う(しかしこれは漫画の初期~前期頃まではよく見られたが、それ以降は83巻のエピソード「誰が殺したクックロビン」を除いて全く行われなくなった)。
毎回という訳ではないが、度々金儲けを考えて色々な事をする話も多い。しかしこの手のお約束というか、この漫画やこの漫画のように失敗に終わってばかりである。ただし後期頃になると意外と成功したり、最後の最後でパタリロも予測できなかった良い事が突然起こって儲けた話もやや多くなった。また、ヤバい方法で儲けたにもかかわらず、結局酷い目に遭わず終わった話もある(53巻「不運クジ」。終盤でタマネギの一人を宇宙人に売りさばいて損した10億円をチャラにしたかと思えば、偶然の悪運が更に重なり儲けていた)。逆にストレートに「特許を買い取る! いくら元手がかかってもボロ儲け確実なんだ!!」と投資を惜しまないこともあったが、それが逆にパーになってしまったこともあった。
話によってはタマネギ部隊達からたまに逆にイタズラされたり「腐れ外道」等と罵倒されたりしれっとバカにされたりする事もあるが、その際には大抵の場合オノで頭を斬ったり縛り首にしたり傘をぶっ刺すなどかなり過激な制裁をしている(稀にギャグで返すだけだったり怒鳴るだけで制裁まで至らない場合もあった)。
一方でタマネギがやらかしたり、バンコランの好色ぶりに起因するマライヒとの衝突など、厄介事を持ち込まれることもあり、そんなときに「しょうがないな」と言った感じで自分の労を厭わないことも多い。
ボケキャラではあるものの、毎回所構わずボケをかましているわけでもなく場面によってはツッコミに回るケースも少なくない。
上述の設定を見れば彼は絵に描いたようなギャグキャラではあるのだが、シリアスな場面であると本当に死んでしまった事もあった(実際、52巻の「黒山羊の尻尾」では部下の将軍が起こしたクーデターによって絶命してしまった。一応直後に一人のタマネギのある行動によって生き返っているが)。
シリアスモードの時は技術力・経済力的に現実世界のG11には入れるだろう準先進国であるマリネラの国主として、望まない非道・外道と解っていながらその決断を迫られる場面もしばしば存在する。
なお、昭和56年に発行された雑誌のインタビューの中で当初の名前は「ポコ・チンカーベル」と名付ける予定だったが、こりゃ卑猥かなと思いパタパタ歩くリロなんて感じでパタリロにしたと語っている。
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