概要
冷静沈着で紳士的、的確な判断と高い戦闘力でミッションを遂行するベテランスパイ。
ボディーの至る所に武器や秘密のメカを装備しているのが特徴。一例を挙げると、
・ライト奥に収納されたミサイル
・フェンダーダクト部分に収納された機関銃
・ホイールのセンターキャップに収納された小型爆弾
・追跡する敵をスリップするためのオイル
・変装用ホログラム
・タイヤ部分は磁石になっており、小型ウインチと合わせることで建造物の外壁も登れる
・水上航行が可能。更にシュノーケルも装備し潜水もできる
といった感じ。これらの武器を駆使して作中のヴィランズと戦闘を繰り広げる。
モチーフは言うまでもなく007シリーズのボンドカー。中でもアストンマーチン・DB5に近いが、ボルボ・P1800やBMW・507に通じる意匠もあるため、厳密なモデルは存在しないと思われる。
劇中での活躍
冒頭で同僚のリーランド・ターボから連絡を受け、漁船のクラビーに乗り太平洋上の油田に潜入する(なおリーランドはフィンの到着前に処刑され、キューブ上のスクラップになるという人間ならR-18Gレベルの凄惨な最期を迎える)。彼を発見したザンダップ教授一味、「ペッパー・ファミリー」と戦闘になるが辛くも逃走。
その後東京で開催されていたワールドグランプリの開会式に潜入し、ホリー・シフトウェルと落ち合う。更にアメリカのスパイであるロッド・トルク・レッドラインとも合流予定だったが、彼は合流前にペッパーファミリーの構成員であるグレム(ベースはAMC・グレムリン)とエーサー(ベースはAMC・ぺーサー)に襲撃されてしまう。
彼が咄嗟に機密情報を託したメーターをスパイと誤認し、ホリーに接触させる。
なお誤解した理由はメーターがレッドラインと同じアメ車(インターナショナル・ハーベスターL-170)であったことと、「VW・カルマン・ギアにはラジエターが無い」→「空冷式だから」という合言葉を答えられたため。自動車修理のエキスパートでありフィルモアを友人に持つメーターにとっては常識だったのである。
東京での第1レースの最中、メーターを追跡するペッパー・ファミリーと死闘を繰り広げる。この時に空手も披露。
その後マックイーンに責任を追及され、失意の中で羽田空港から帰国しようとするメーターと接触。グレム達の追撃を振り切りつつ、同僚の飛行機シドレーに乗ってホリー・メーターの3台でパリに移動。市内の闇市に潜伏している旧知の情報屋・トンベ(ベースはリライアント・リーガルと思われる)の協力を得て、組織のビッグボスについての情報を得る。
イタリアの観光地ポルト・コルサでの第2レースでメーターをペッパー・ファミリーの会合に潜入させるが、途中で正体が露見。更に破壊工作を行うグレム達を追う最中に捕らえられてしまう。
最終レース開催地であるロンドンのビッグ・ベントレーの時計室に監禁され危うく処刑されかけるが脱出(なおこの時に当初のメーターに対する誤解が解ける)。市内を逃走するザンダップ教授を捕獲(この時に教授の部下である戦艦を爆破)し、メーターやラジエーター・スプリングスの仲間たちの活躍もあってペッパー・ファミリーの幹部を全員逮捕。その後、ビッグボスの正体に気付いたメーターの推理ショーをマックイーンや女王陛下と共に見届けた。
エンディングではホリーと共にラジエーター・スプリングスでのレースを観戦。今回の任務を通じて築かれたメーターとの友情を噛みしめつつ、次のミッションに向けて旅立っていくのであった。
余談
・アメリカ本国版で彼を演じたマイケル・ケインは1965年の映画『国際諜報局』において主人公のスパイ、ハリー・パーマーを演じている。日本語版吹き替えはディズニー映画でもお馴染みの大塚芳忠。おぞましい海の番人と対極をなすダンディーなスパイを好演した。
・実はキャラクターの原案は前作『カーズ』の時点で存在した。マックイーンとサリーがデート中にドライブインシアターで鑑賞する映画に登場するスパイというもので、謂わば劇中劇のモブキャラだった。このシーンは最終的に没になったが、監督のジョン・ラセターがアイディアを気に入ったため、今作で引き継がれることとなった。
・ラストでメーターが披露する「女王、マックイーン、マックミサイル」という早口言葉は、本国版では「Queen, McQueen, McMissile」という言葉遊びになっている。