「恐竜に未来はなかった。代替エネルギーこそが未来だ!!」
概要
再生可能資源燃料を手掛けるアリノール社のCEO。車体は2ドアのSUV。
卿の称号を授かっており、少々気取ったようなところがあるが、レーサーたちの口喧嘩に落ち着いた対応を見せたり、後述の問題が起きた際でも、結果的にとはいえ自らを助けた形になるライトニング・マックィーンにお礼を言いに行ったりなど、まさに紳士的というにふさわしい性格の持ち主。
かつては石油王として富を得た。だが、GPS無しの世界一周を敢行し遭難した際、現地にて見つけた燃料によって生還。これがきっかけで自身の油田を売却したのち、なんと自身を電気自動車に改造した。
そして、未来のために誰もが使うべきとする再生可能資源の開発に尽力するようになる。これによって生み出された代替燃料「アリノール」の性能を証明するために、世界各国のレーサーを招いて「ワールド・グランプリ」を開催した。
しかし、アリノールを使ったレーサー達が次々とエンジン爆発による事故を起こす。これにより、「これ以上レーサー達を危険にさらせない」とアリノールを指定燃料から外さざるを得なくなってしまうが、そんな中でもマックィーンはアリノールを使うことを宣言し、アクセルロッドは「最後のチャンスを貰った」と彼に礼を言った。
関連タグ
何なんだお前は、「解除」!!
電子音声
「爆弾、解除。」
「良い一日を、アクセルロッド卿^^」
「レッカー車のくせに、どうして分かったんだ!?」
実はザンダップ教授に続く、今作のもう1人のディズニーヴィランズ。
CEOとしての姿は表の顔で、その実態はザンダップ教授ら欠陥車によって構成される国際マフィア「ペッパー・ファミリー(原語版ではレモン・ファミリー)」の黒幕とされるビッグボスの正体。この時の彼は、スクリーンにボンネットの中のエンジンのみを映し出し、スパイにも識別が難しい音声加工によって話している。
太平洋に大量の油田を発見していたが、その時世界では石油に代わる新しいエネルギーを探していた。そこでこの油田の価値を落とさないようにと、偽物の代替燃料「アリノール」を使い、代替燃料が問題だらけであるかのように見せかけ、世界中が再び石油を使い始めるように仕向けようとしていた。
ちなみにアリノールの正体は、強力な電磁波を浴びることによって爆発を起こすように細工された、ただのガソリンである。
一時はこの目論見は成功したかに見えたが、マックィーンがアリノールを使うことを宣言したため、彼を爆殺すべくザンダップらに指示をする。
しかし、個人的にアクセルロッドを信用できなかったサージが、独断で燃料をこっそり普通のものに変えていたことで計画は失敗し、街中で暴れようとしたザンダップらも捕らえられる。
そして、自身が設置した音声認証式時限爆弾をくくりつけたメーターが、黒幕と読んだ彼を道連れに爆発しようと迫ってきたため、解除コマンドを言う形で自身の悪事や正体を自白する事を余儀なくされる。
更にボンネットも開けられ、エンジンがビッグボスの物と一致したことで即座にロンドン市警察に逮捕、「ワールド・グランプリ」も中断する事態となった。
ここまで読んで察した人もいるかもしれないが、実は「電気自動車に改造した」というのも真っ赤な嘘で、外見だけを取り繕った欠陥車であった。東京でのパーティーでオイルを漏らしたのも、実際はメーターではなくアクセルロッドである。
その証拠に、見た目と走行音は電気自動車そのものだが、車軸は錆びている。これが電気自動車でないことへの伏線となっている。
ビッグボスとしてペッパー・ファミリーと接触していた際、欠陥車であるが故の恨み辛みを呟いてメンバーを焚きつけていたが、先述のようにアクセルロッドも欠陥車であることが判明したため、彼も過去にメンバーと似たような扱いを受けていた可能性が高い。
本作での彼らの目的は「世界に再び石油を使わせること」だったが、自分たち欠陥車を虐げた世界を見返すのも目的の1つにあったのは想像に難くない。
表向きには「未来のため」と度々口にしていたが、本人たちは「過去に受けた不当な扱い」を間違った方向への原動力とし、「過去となりつつあった石油」に執着していた。彼らが本作でやったことは決して許されることではない。しかし未来や新しい可能性を見出せず、過去に縋ることしかできなかったのはある意味では哀れといえるだろう。
余談
最終的に小型SUVの彼に落ち着いた今回の黒幕だが、実は原案では全く異なる風貌をしている。
特典ディスクで見られる絵コンテや初期のスケッチではシルエットしか登場していないものの、ボンネット中央にライトが付いた3灯の大型セダンとなっている。
この車のモデルは1948年式タッカー・トーピードである可能性が高い。
上記イラストの通り、前述の外見上の特徴はこの車のデザインと合致する。
更にこの車は当時としては極めて先進的な設計で(特徴的な中央のライトはステアリングと連動している)、航空機用エンジンを流用し動力性能も高く、名車になれる可能性を十二分に秘めていた。
しかし会社の設立者であるトマス・タッカーの逮捕をはじめ様々な原因から量産計画は頓挫し、生産台数が極めて少数に留まったために歴史の彼方に葬られてしまったのである。同じく不祥事が原因で製造元が消えたが、大人気映画でタイムマシンに生まれ変わったスポーツカーと違い、一般社会に広く認知されるような機会も無かった。
こうした経歴から幸か不幸か「ペッパー・ファミリー(=歴史的欠陥車の集団)」のボスに相応しい存在となっている。
関連タグ
エルネスト・デラクルス イヴリン・ディヴァー・・・一見善人に見えたヴィランズ繋がり。