「集中…スピード…僕は、速い。」
CV 英語版:オーウェン・ウィルソン 日本語版:土田大
概要
ピストン・カップ(現実世界でいうNASCAR)に出場しているプロレーサーである。ゼッケンは95番で、スポンサーはサビ取り剤の製造・販売会社であるラスティーズ。
口癖は「カチャウ!」
1作目の冒頭では天才ルーキーとして有頂天になっており、唯我独尊で自分勝手な性格だった。
その身勝手さはクルーチーフをクビにして、ポンコツ車だらけのスポンサー・ラスティーズにも嫌悪感を隠さないほど。信頼しているのはトレーラーを牽引するマックだけという有様。
しかしラジエーター・スプリングスに迷い込み、(当初は不本意ながらも)町の住人達と交流していく中で少しずつ変わっていく。最終的に他者を思いやることを学び、人間的(車的?)に大きく成長した。
2作目では実績も伴った腕利きのレーサーに、そして3作目ではベテランとしてルーキーに追われる立場になっている。
外見は真っ赤なボディーとイナズマのステッカーが特徴。そのためサリーから「ステッカー君」と呼ばれていた。中盤ではラモーンの手により市販車風の外装にカスタマイズされている(最終レース時には戻されてしまったが)。
なお1作目ではヘッドライトを装備していなかったが、2作目からはヘッドライトを装備した。またリアスポイラーも翼端板がついたもの(所謂GTウイング)に変わり、ホイールもメッシュタイプへ履き替えている。
3作目では最終的に師匠のドック・ハドソンをオマージュしたカラーリングとなった。
なお本作の他の登場キャラクターと違い、彼にはモデルとなる車種は明確には設定されていない。監督のジョン・ラセター氏曰く「近年のNASCARは空力優先の平坦なスタイルであるので、フォード・GT40のような往年のスポーツカーのエッセンスを取り入れてアレンジした」とのこと。
ファンの間では「アメリカのスポーツカーといえば…」ということで、様々な考察が為されている。
なお、名前についてはアニメーターとして活躍していたグレン・マックイーン氏に因んだとされる。
劇中での活躍
カーズ
ピストン・カップの新人チャンピオンを狙っていたマックィーンは、チックが起こしたバンプ(NASCARでいう体当たりでの妨害)による大規模なクラッシュ妨害によるビッグ・ワンも切り抜け走りまくっていたが、優勝にこだわるあまりピットクルーのアドバイスを無視し最終ラップまで走った結果、後輪が2つともバースト。それでもなお粘った結果、キング、チックと同着でゴール(なおその際、キング達とわずかに差があったがベロでその差をカバー。)。しかもその後、タイヤ交換していたチャックを(インタビューの最中だった)自身の稲妻ステッカーが写らず邪魔だと言った結果、堪忍袋の緒が切れたチャックに続きピットクルーは全員は辞めていった。
そして最終レースの開催地であるカリフォルニアにいち早く到着して移籍を希望する大手石油会社「ダイナコ」への好印象を与えようとしていた。そしてお抱え運転手のマックが丸1日走った末、トラックサービスエリアに寄り、仮眠を取りたいという意見を一蹴し、「起きててやるから。一晩中。」と言ってグースカ先に寝る始末。結果、彼の居眠り運転と暴走族のいたずらが原因で(暴走族達がマックを車線変更させたせいで、振動でトレーラー内に飾ってあったマックイーンの置物がハッチ開閉ボタンの上に落ちたことで、ハッチが開いてしまった)トレーラーから落とされて真夜中の高速のど真ん中で迷子になってしまう。(ちなみにこの暴走族の登場シーンは多くの車好き少年の性癖を発露させたようで、やたら人気がある)。
やがてマックらしきトレーラーを見つけて高速から外れ猛追するも(この時、遮断機がないのをいいことに電車がくるギリギリで踏切を通過している)人違いならぬ車違い。高速に戻ろうとするも、Uターンする場所を間違えてルート66へ。保安官パトカーのシェリフに見つかりスピード違反で追われ、シェリフのバックファイアの破裂音を発砲と誤解してパニックのまま道なりに逃げ続け、ラジエーター・スプリングスという田舎町に迷い込み無我夢中で逃げる中、町の創始者ス・スタンレーの銅像が逃げる中で自身に絡みついていた有刺鉄線に引っ掛かり、そのまま引きずりながら走ったことでそのメイン通りの路面を荒らしてしまう(ちなみにマックイーンはなんやかんやで電線に絡まっていた)。
翌朝、地元の交通裁判所及びそこの判事であるドック・ハドソンの決定で道路アスファルトの再舗装を命じられたマックィーンであったが、そんな時間はないと一蹴。道路工事のために車止めを外された瞬間風のように逃げ出すも、サリーにもくろみを予見されており、あらかじめガソリンを抜かれていたことで失敗。
「自由だ!!さらば、ラジエーター・スプリングス。さらば、ベッシー!
待ってろよ、カリフォルニア!風を感じる、いいぞ!
え?ウソウソウソ!? ガス欠!?この僕がガス欠!?」
シェリフ「ハッハッハ、お前が思ってるよりも俺達は甘くないぞ」
自分をレーサーとして全く知らないのんきな住民たちにバカにされ(?)ながらの道路工事は中々進まず、作業中ラジオでチックがカリフォルニアに着いたことを知り、焦ったマックイーンはベッシー(道路舗装車)を勢いで引っ張り道路工事を終わらせたものの、アスファルトが固まらない状態で急いで終わらせたことで帰ってデコボコの路面に。
この状態に憤慨、「もう一度丁寧にやり直して」と言うサリーをつっぱね早くカリフォルニアに行こうとする中、ドックが「自分と(ラジエーター・スプリングスの近くにある)ダートでレースし、マックイーンが勝てば出てってよいが、自分が勝ったら道路工事をやり直す」という賭けを出してくる。
いざレースが始まり、年でエンジンの調子が悪くスタートに失敗したドックにたかをくくり、意気揚々と走るも慣れないダートが災いしてカーブを曲がりきれず、崖から落ちてサボテンに突っ込んでしまう。
結果、賭けは事実上ドックの勝ちでしぶしぶ道路工事をやり直し、レースまでの時間も刻々と過ぎていく。
しかしメーターたち住民の温かさに触れたことで今まで強欲だった一面は消えてゆき、実は伝説の元レーサー「ファビュラス・ハドソン・ホーネット」であったドックの壮絶な引退劇、唯一の同年代として急接近したサリーから連れてってもらったドライブで聞かされた町の栄枯盛衰を知り、レースに出場するよりも町の住民を元気づけようと奔走する。
タイヤのスペアを買うついでに住民達の店を回っておめかしし、道路工事をやり直したこともあって、すっかり打ち解けて仲間として迎えられる。いつの間にか直しておいた町のネオンを眺めつつ、夜のラジエーター・スプリングスを楽しんでいたが、ドックの連絡を受けて町にマック(とマスコミ)が到着、押し寄せたマスコミに囲まれ、お別れも満足に言えぬまま出発するはめになってしまう。
晴れて最終レースに出場したマックィーンであったが、ラジエーター・スプリングスの仲間たちが忘れられずに試合に集中し切れていなかった。するとメーターや考えを改めたドックたちが整備チームのクルーとして会場に駆けつけた。戦意を取り戻したマックィーンはドックからの的確な指示や伝授してもらった技術を生かし、グイドの神業なタイヤ交換などのアシストを受けて優勝間違いなしのポジションを取る。
しかし直前にチックのラフプレーでクラッシュ、ボロボロにされたキングを確認するとゴール直前で停止し、チックに勝ちを譲る。キングのそばに近づくと後ろからゆっくりとゴールへ押し、自身の栄光よりも今期限りで引退する歴戦の王者の花道を2位で完走という形で飾らせたのであった。
キング「優勝カップを捨てたんだぞ?…………いいのか?」
「あぁ、あるじいちゃんレーシングカーが教えてくれたんだ。
あんなのただの"置き物"だって」
彼の人道的行為はスタジアム中の大歓声を呼び起こし、更にその活躍に感動したダイナコの社長・テックスからは引退するキングの後任としてスポンサー契約を持ちかけられたが、自分を支えてくれた仲間やこれまでのスポンサー企業に恩義があると丁重に断り、代わりにヘリコプターに乗りたがっていたメーターの観光フライトをお願いした(一方優勝したチックはぞんざいな扱いと大非難の嵐を受けた)。
終盤ではラジエーター・スプリングスへの居住を決め、仲間たちと結成したレースチームの本拠地として人気となった町は再び地図に載り、多くの客が訪れるようになっていた。
カーズ2
2作目ではイギリスのスパイ2台の協力者にされたメーターが主人公となり、マックィーンは準主人公あるいはW主人公を務めた。
あれからピストン・カップで4度の優勝を重ねて中堅のスター選手として有名になっていたマックィーンは、フランチェスコ・ベルヌーイの挑発を受けて、新たなバイオ燃料・アリノールを開発した大富豪マイルズ・アクセルロッド卿が主催するワールドツアーレース『ワールドグランプリ』への参加を決める。
整備チームのチーフクルーとしてメーターも同行させるが、東京での試合前の懇親会では騒ぎを起こされたり、同試合当日にてレース用無線をホリーとの会話に使われたことに動揺したせいでフランチェスコに敗北した(後に彼の出身地イタリアにて一応リベンジは果たしている。そう、一応。)事から彼に厳しく当たってしまう。結果メーターが責任を感じてチームから離脱する事態を招いてしまったことで、ロンドンのレース中で彼に再会した際は仲直りをしようとレースも忘れて追いかけた。
その後、追い付いた先でメーターと合流したフィン、ホリー(と捕縛されたザンダップ)からメーターには爆弾が仕掛けられており、自分をメーターもろとも葬ろうとしていることを知る。
ザンダップ教授の部下達に囲まれ絶体絶命に陥るがフィンとホリーの連携、メーターとマックィーンを心配して追いかけていたラジエーター・スプリングスの仲間達の助太刀(とメーターのうろ覚えの空手)により危機は免れ、女王陛下の前で真実を説明し、真犯人を追い詰めるメーターを見守った。
なおワールドツアーはある大きな犯罪組織「ペッパー・ファミリー」が絡んでおり、アリノールを使用した選手たちを意図的にエンジンブローさせる細工が仕込まれていた。マックィーンもこの燃料を使用していたつもりであったが、少なくとも第3戦においてはこの燃料を怪しんでいた仲間のサージとフィルモアによってオーガニック燃料にすり替えられていたため、結果的に被害に遭わずに済んだ。
一連の事件の解決後、打ち切りとなったワールドグランプリの仕切り直しとしてラジエーター・スプリングスで開かれたレース「ラジエーター・グランプリ」に他の選手らと共に参加した。エンディングではメーターと共に世界各国を訪れる様子が流された。
カーズ/クロスロード
デビューから10年近くが経ち、歴戦の王者としてベテランレーサーとなっても第一線で活躍を続けていたが、ジャクソン・ストームをはじめとする新世代のレーサーたちが一度に登場し、新型車としての最新テクノロジーや若さ故の体力差に圧倒されるようになる。同年代の戦友たちが次々と引退や更迭に追い込まれていく中で奮闘するマックィーンであったが、あるレースで焦りのあまりクラッシュし負傷してしまう。
修理と静養は無事に完了し新しいレースの仕方を模索する事になった矢先に、ラスティーズが新しいオーナー·スターリングに買収された事を知り、新設のトレーニングセンターと若い女性トレーナークルーズ・ラミレスを紹介される。
しかしクルーズの組むメニューは専ら理屈によるイメトレやトレーニングマシンに終始したものばかりで、実戦派であるマックィーンには馴染めないものばかりであった。
(ちなみに3分14秒から流れている曲は実際のエクササイズにも使われている「Bouje」という曲である)
クルーズのイメトレやエクササイズに飽きたマックィーンはストームも使っている最新鋭のシミュレーターを使おうとするがクルーズの説明もろくに聞かずに無理矢理使った結果、シミュレーター内で暴走、挙げ句の果てにはシミュレーターの画面に突っ込んで壊してしまう(そりゃそうだ。ちなみに画面は貫通していた)。
シミュレーター「クラッシュしました。クラッシュしました。クラッシュしました。」
クルーズ「大丈夫?」
マックィーン「クラッシュしました···」
(停電)
目立った成果が見られない事にスターリングからは引退を勧告されるが、これに抗議。次にフロリダで開催されるレースに優勝できれば現役続行と引退のタイミングは自分で決めていいという条件を取り付ける。
こうしてマックィーンは、メーター、ルイジ、グイド、マック、そしてクルーズと共に特訓をしながらの旅に出る。だが実戦やダート走行の経験のないクルーズに逆にレクチャーしたり、手違いで2人で参加させられたバトルロイヤル型式の8の字レース「クレイジー・エイト」で終始面倒を見させられた上にマスコミにバレた事などから嫌気を差すようになり、彼女に怒りをぶつける。
だが元々はマックィーンに憧れていたレーサー志望で、挫折してトレーナーに転向したというクルーズの過去を聞き、彼女を理解するようになる。
この時、あれほど嫌がっていたエクササイズのリズムにのせて謝罪の気持ちを伝えた。
「♪ごめんね ごめんね 怒鳴って、ごめんね
君の せいじゃ ないんだ僕が 殺されかけたのは
でも今 君は出てく 僕と 一緒に行かない 一緒には行~か~ない♪」
その後は今は亡き師匠ドックの故郷へ赴き、彼の旧友である元コーチ·スモーキーやレジェンドのレーサーであるルイーズ・バーン・ナッシュをはじめとした大ベテラン達からスピードに頼らないスキルと経験を活かした走り方を教わる。またドックが生前彼らに宛てた手紙に、今一番の幸せはレーサーを続ける事でなく弟子の成長を見守ることだと綴られていた事を知る。
そして因縁のあるストームも参加するフロリダのレースに出場したマックィーンは順調なペースを稼ぐが、御役御免ばかりとスターリングから帰社を命じられたクルーズを哀れに思い、呼び戻した彼女にリレーを渡す形でレースに参加させる。
旅を通して彼女のレーサーとしての素質に気づいていたマックィーンは、ドックや大ベテランたちから教わったスキルや自身の経験を的確に指示し、あのストームを焦らせた上で見事優勝に導いた。幸運にも大会の規定でリレー出場はマックィーンの優勝としても扱われる事になり、現役続行も決まった。
その後2人の会社はダイナコに買収され、クルーズは専属のレーサーとしてドックのナンバーであった51番を、マックィーンはドックから受け継いだファビュラスペイントを背負い、レーサーを続けながらクルーズのコーチとして新たな生活を始める事となった。
2人の新たな姿
その後のワンシーン
カーズ・オン・ザ・ロード
メーターの姉の結婚式に出席するために彼と二人旅をすることに。どういう訳か、ペイントは元の赤色に戻っている。また、短い間だがクルーズとも再会を果たしていた。
ハリウッドでのディズニーショーでの活躍
ついに次元の壁を超えて皆(観客)の前に姿を現す。
通信でメーターとクルーズも交えて『クロスロード』でのシミュレーター失敗にリベンジしようと、ステージをシミュレーターにチェンジ、意気揚々と挑む···が突如チックにシミュレーターを乗っ取られてしまい、挑発をふっかけられる。
挑発に乗ったマックィーンだがチックはスタートからフライング。タイヤの空気を抜かれたり、(シミュレーター内の)オイル圧(?)をいじられたり、ガソリンを抜かれたりとやりたい放題。
だが、クルーズの機転でシミュレーターを「チームモード」に設定、ラジエーター・スプリングスの仲間の協力で妨害を突破、チックに追いついてゆく。
駄目押しとばかりにチックに壁に押し付けられるがドックの切り札である横宙返りで脱出、みごと1位を勝ち取った(ちなみにチックはマックィーンの勝利を信じられなかったようで抗議していたが、突如乱入してきたミス・フリッターに画面外に押し出されてしまった)。
余談
carsのDVDに収録された特典のひとつである短編「メーターと恐怖の火の玉」のメーターのドッキリにビビるシーンが海外にウケたのか雑コラ動画(ミーム)として海外からよく投稿されている。
※1分33秒あたり
また、メーターの世界つくり話では、必ずメーターの作り話のはずなのに何かしらの役回りで毎回登場している。
関連イラスト
関連項目
マクサリ:サリー・カレラとの公式NLカップリングタグ。
マクマク:マックとの腐向けカップリングタグ。
ドクマク:ドックとの腐向けカップリングタグ。
フラマク:フランチェスコ・ベルヌーイとの腐向けカップリングタグ。
ジャクマク:ジャクソン・ストームとの腐向けカップリングタグ。
サイゾウ(カクレンジャー):中の人繋がりだが、敵に買ったばかりのマイカーを30分も乗ってないうちに壊されるエピソードがある(まあ、こればっかりは彼の女好きが災いして、人間態を見てナンパしてしまったことが原因だが)
ちなみに、師匠の中の人は(こちらは悪役だが)スーパー戦隊に出演した。
メジロマックイーン(ウマ娘):名前繋がりでこちらも走る。なお偶然にも、ライトニングマックイーンの中の人は後にその世界でトレーナーをやっている。