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概要編集

2011年6月24日に全米公開。同年7月30日に日本でも公開された。ピクサー映画として続編が作られたのは何気に「トイ・ストーリー」以降では初めてだったりする。


新人レーサーのライトニング・マックィーンの成長劇を描いた前作から一転して、今作ではその親友でレッカー車のメーターを主人公に据え、スパイとして悪の組織との闘いを繰り広げるというアクション映画となっている。

部隊もアメリカを飛び出して日本、イタリア、イギリスを回るワールドワイドな一作となっている。東京では相撲の観戦や歌舞伎の観劇を楽しむシーンも描かれた。


残念ながら専門家からの評価はあまり高くないが、細部に至るまで徹底された力の入れ具合は流石ディズニー。トイ・ストーリー2などと同様に、難しいことを考えず気楽に見られる娯楽作品となっている。


あらすじ編集

前作から時間が流れ、「ピストン・カップ」の人気レーサーとなったライトニング・マックィーン。ラジエーター・スプリングスに帰省した際に、ひょんな事から「ワールド・グランプリ」に参加する事となる。

この「ワールド・グランプリ」は石油王であり代替燃料・アリノールの開発者であるマイルズ・アクセルロッド卿が企画したもので、全世界のあらゆるレースジャンルのトップレーサーを集めて日本(東京)、イタリア(ポルト・コルサ)、イギリス(ロンドン)でレースを行うという大規模なイベントだった。


しかし東京での開会式の最中、メーターはイギリスのエージェント、フィン・マックミサイルホリー・シフトウェルにアメリカのスパイと間違われてしまう。

実は華やかなレースの裏側で、巨大な陰謀が巡らされていたのだった。


登場人物編集

個別記事があるもののみ。


主人公編集

ライトニング・マックィーン(CV・土田大

ご存知ゼッケン95番のレーサー。「ワールド・グランプリ」参戦に当たり外観が若干変更された。

1作目から時間が流れ、現在はピストンカップで4勝を上げた正真正銘の実力派となっている。人間的(車的?)にも成長しているが、良くも悪くも激情家なところは相変わらず。

「ワールド・グランプリ」のレーサーの1人として国際レースに参加するが、その中で知らず知らず陰謀に巻き込まれていく。


メーター(CV・山口智充

ご存知バック走行が得意なレッカー車。今作ではひょうきんさに磨きがかかり、時にトラブルメーカーとなってしまう事も。

マックィーンのチームのメンバーとして同行するが、東京で行われた「ワールド・グランプリ」の開会式でスパイに間違われる。

その後、第1レースで彼が起こしたトラブルによりマックィーンが負けてしまい、一時的に仲違いしてしまう。彼なりのけじめとしてチームを離脱しアメリカに帰国しようとしていたが、空港でフィン・マックミサイルと接触。「ワールド・グランプリ」の裏で張り巡らされる陰謀に関わっていく。


なお、ラジエーター・スプリングスの住人はルイジグイド、サージ、フィルモアがピットクルーとして同行。他の住人はロンドンで合流する。今回はチョイ役だが、彼等のうちの1台による行動のおかげで結果的にマックィーンは命拾いする事になる。


「ワールド・グランプリ」関係者編集

フランチェスコ・ベルヌーイ(CV・宗矢樹頼

「ワールド・グランプリ」に出場する、イタリア出身のF1レーサー。

ビッグマウスだが実力は確か。今作でマックィーンのライバルとなる。


マイルズ・アクセルロッド卿(CV・落合弘治

「ワールド・グランプリ」を開催する石油王。代替燃料「アリノール」の開発者でもある。

しかしレース中に「アリノール」はトラブルが頻発し、責任を追及されることになる。

一見すると落ち着いた紳士だが、実は…?


また、前作で「ピストン・カップ」の解説を務めたダレル・カートリップが「ワールド・グランプリ」の実況として今作にも出演。


スパイと敵組織編集

フィン・マックミサイル(CV・大塚芳忠

イギリスはMI6に所属するベテランエージェント。ボンドカーさながらに全身に武器や装備を隠し持っている。

「ワールド・グランプリ」の裏に隠れた陰謀を追っており、メーター達と共に敵組織と戦う。


ホリー・シフトウェル(CV・朴璐美

フィンをアシストする若手の女性エージェント。

開会式でメーターと接触し、その後3台で陰謀を追うこととなる。


ザンダップ教授(CV・青山穣

本作のディズニーヴィランズ。犯罪シンジゲート「ペッパーファミリー」の幹部。武器デザイナーでもあり国際指名手配されている。

「ワールド・グランプリ」の裏で暗躍し、フィンやホリー、メーターと戦うことになる。


余談/トリビア編集

●前作で重要な役割を演じたドック・ハドソンは本国板で声優を担当したポール・ニューマン氏が公開前に死去したため、作中でも故人となっている。

マックィーンは彼から伝授されたダートでのドリフト走行をしっかりモノにしている。


自動車乗り物擬人化した当シリーズであるが、本作品はスパイアクション故に拷問・処刑・殺害(キューブ状の残骸にスクラップにされる、海へ落下後、海面にバラバラになった部品だけが浮いている、エンジンごと爆発するetc.)、爆発炎上などディズニーにしては派手でショッキングな演出がされている。とはいえディズニーらしくデフォルメされているので子供が鑑賞しても問題ない。


●お馴染み「A113」は中盤でフィン達に助太刀した飛行機・シドレーの番号。ピザ・プラネットのトラックはエンディングのラジエター・スプリングスでカメオ出演。

更に中盤でフランスを訪れた際にレミーのおいしいレストランのグストーの店が一瞬写る(勿論擬人化ならぬ擬"車"化されている)など、今作も小ネタが満載。


●レース開催地である東京、ポルト・コルサ、ロンドンでカメオ出演するモブ車も細かく変えられている。一例を挙げると、レースのフラッグを振る車は東京だとホンダ・シビック(ただし日本未発売のFK型)、ポルト・コルサだと3代目フィアット500、ロンドンだとニューミニとなっている。

また、ロンドンでの最終レースでは観客としてロイヤルファミリーも登場。


●「ワールド・グランプリ」に出場したレーサーの1人でありマックィーンの知人でもあるジェフ・ゴルベット(ベースはシボレー・コルベットC6R)は各国吹き替え版でご当地キャラに置き換えられている。ちなみに彼のクルーチーフはジョン・ラセタイヤと、どこかで見たネーミング。


●東京の開会式のシーンではPerfumeポリリズムがBGMとなっているほか、日本語吹き替え版のみスタッフロールにも採用されている。


●こちらも特典ディスクから未公開シーンや初期構想を絵コンテで見る事ができる。初期案ではリーランド・ターボに相当するスパイがプレス機に押し潰されて処刑されるシーンを直接流すという本編以上にショッキングな物もあった。


●同時上映はトイ・ストーリー3の後日談である「ハワイアン・バケーション」。冬休み、ハワイと間違えてモリーの家に来てしまったケンを慰めるためにウッディ達が奮闘する。















※ネタバレ注意

今作の敵組織である「ペッパーファミリー」は欠陥車の集団。名称も「ペッパー=胡椒」→「故障車」となる。本国板では「Lemon Family」となっているが、Lemonもアメリカでは「ポンコツ」「役立たず」を表すスラングである。ある意味哀しき悪役

なお登場した車は全て実在の車をモデルとしている。具体的には以下の通り。

ザンダップ教授ツェンダップ・ヤヌス

詳しくは当該記事参照。

・グレムリン→AMC・グレムリン

オイルショック時に販売されたコンパクトカー。セダンが主流の当時、2ボックススタイルは斬新だったが受けなかった(劇中にもスタイリングを揶揄する台詞がある)。しかもハッチバックのようでトランクは無く、利便性は良くなかった。

・ぺーサー→AMC・ぺーサー

グレムリンの後継車種。コンパクトカーを標榜しているが、全幅はアメリカンサイズ。利便性・経済性をアピールしたが、台頭するドイツ車・日本車には歯が立たず。

その後もAMCは販売が伸び悩み、最後はクライスラーに吸収された。

・ヒューゴ→ザスタバ・ユーゴ45

旧ユーゴスラヴィアで販売されていたフィアット・リトモ及び127の焼き直し。価格は安いが信頼性が著しく低いという、共産主義国製自動車の典型例(他にはこれこれが有名)。

なお会社は現在も存続しているため名称は変更されている。

・トランコフ→ZAZ・968

当時ソ連支配下だったウクライナで生産されていた小型セダン。NSUプリンツに似た後期モデル。空冷V4エンジンをRRで積むというすさまじいレイアウトをしている。こちらも名称は変えられている。

また真の黒幕も初期構想と完成版では容貌が大きく変わっている。車好きは元ネタを探るのも一興だろう。


関連タグ編集

ディズニー ピクサー カーズ

アニメ映画 自動車 旧車


ポリリズム - 公式挿入歌

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