トラバント
とらばんと
広く使われた愛称は「トラビ」。
エンジンは594ccの2ストローク式空冷直列2気筒型で、FF駆動。
冷戦における「東側」の工業製品の例に漏れず、共産主義政権による圧政から競争原理と技術発展が働かなかった事から、1958年から1991年までの長きにわたりそのままの基本設計で生産されていた。
一応モデルチェンジをしないつもりはなく、生産を担っていたVEBザクセンリンクは何度か東ドイツでミドルクラスセダン「ヴァルトブルク」を生産していた国営自動車メーカーのアイゼナハー・モトーレンヴェルクや、共産主義政権下のチェコスロバキアにおいても存続していた自動車メーカーのシュコダと共同でトラバントのモデルチェンジ計画を立てたが、いずれも試作品止まりに終わるか、東ドイツで政権与党を担った社会主義統一党からの中止命令によって実現しなかった。
東ドイツや東欧諸国における自動車需要の拡大に対し、生産能力が不足していた為長期の納車待ちが常態化。
しかし他に入手できる自動車がほぼ全く無かった事から、市民はトラバントを選ぶ他なく納車待ちを更に延ばすいう悪循環に陥っていた。東欧共産圏末期の停滞の例として現在でも語り継がれている。
ボディシェルは当初人工樹脂であるFRPで作られていたが、戦争末期には品質の低下を受けて「ボール紙で出来ている」と揶揄されるようにもなった。
実際にFRPの材料不足から、一部に紙パルプを混ぜて補強していたようである。
ドイツの再統合と東欧諸国の民主化後は、旧共産圏国時代文化の象徴のひとつになっている。
現在でもベルリン市内では、環境などの各基準を満たす改造をしたトラバントをレンタルできるサービスもある。
1990年にベルリンの壁が崩壊し東西の車が初めて顔を合わせるようになったが、西ドイツから出向いたのは当時世界最先端のBMW、メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲンなどであった。
これに対して1958年から殆ど進歩していないトラバントの姿は、東西のドイツ人に大きな衝撃を与えた。
その後は急速に廃車が進んだが、その小さく愛らしい個性的なデザインから愛好家の手により大切に保存されている車両も多い。
日本にも複数台が輸入されているが、国内の公道を走行できる基準に満たさないため登録車が1台も無かったといわれている。(SPY×FAMILYのクレジットにも本車を保有する愛好家団体の名称が記載されているが、当該車両も公道へは出られない)
排ガスの温度の低さにより触媒を追加してもうまく働かず、日本の排ガス規制への対策が困難であったという記述が多く残っている。
が、バイク用の触媒をヒーターで加熱することで対応した例もあったとされる。
最大の問題点は、燃料ポンプ省略のためエンジンの真上に置かれた燃料タンクが衝突事故や腐食時の安全性を欠く為であったようである。
漫画「MASTERキートン」で、主人公の車を修理に出した際の代車として登場。特徴を活かし活躍した。
トラバント1.1
東西ドイツ統一後の1990年5月に販売されたトラバントシリーズの最終型。
エンジンは従来の594cc直列2気筒2ストロークではなく、ワーゲンポロの1,100cc、42馬力の直列4気筒SOHC型に変更。
燃料タンクはフロントからリアに移設、フロントブレーキは従来のドラム式からディスク式に変わり、フロントサスペンションがコイルスプリングに、外装もグリルやバンパーが従来の金属製から樹脂製に変更された。
内装や電装系も大幅に変更され、翌1991年に生産終了するまでクーペ、ワゴン、ピックアップトラック型などのモデル登場した。
コメント
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