概要
2021年7月17日発売の第11期第6弾基本パック「BURST OF DESTINY」において登場した「D-HERO」融合・効果モンスター。
アニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』において登場したD-HEROを用いるデュエリスト、エド・フェニックス(イラスト手前の白いスーツ姿の青年)が自らの真の使用カードであるD-HEROの存在を明かす前に使用していたカードであるE・HERO フェニックスガイをモチーフとしたD-HEROとして登場した。
カードテキスト
D-HERO デストロイフェニックスガイ/Destiny HERO - Destroyer Phoenix Enforcer |
融合・効果モンスター |
星8/闇属性/戦士族/攻2500/守2100 |
レベル6以上の「HERO」モンスター+「D-HERO」モンスター |
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。 |
(1):相手フィールドのモンスターの攻撃力は、自分の墓地の「HERO」カードの数×200ダウンする。 |
(2):自分フィールドのカード1枚とフィールドのカード1枚を破壊する。 |
(3):このカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。次のターンのスタンバイフェイズに、自分の墓地から「D-HERO」モンスター1体を特殊召喚する。 |
解説
相手ターンでも使える除去と自己再生により、単体で機能する制圧要員である。
自己再生は一般的に「墓地以外へ行く除去」に弱いのだが、このカードの場合は破壊効果に自身を巻き込むことで先に墓地へ隠れることができ、回避した上で自己再生できてしまう。
また、破壊するカードは効果解決時に選択するため、対象耐性を無視できる上に、相手にチェーンされても柔軟に対象を変更できるため、とにかく小回りが行き届いている。
このカードだけで効果が完結していることと、フュージョン・デステニーによるデッキ融合可能なため、第2の超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズと話題になるほどの出張性能を持つ。
お供は当然、捕食植物ヴェルテ・アナコンダ。
制圧能力などの単体性能はドラグーンに遠く及ばないものの、効果モンスターが素材に出来る、召喚制約の違いによる融合魔法の素引きの強さ、自己再生効果、アーティファクトなどのセルフブレイク系ギミックとの相性の良さなど、本体性能以外ではむしろドラグーンよりも強力と言えるだろう。
上述の小回りから、ドラグーン・オブ・レッドアイズが禁止される前に登場となった海外環境においては、ドラグーン・オブ・レッドアイズすらも受け流し抑え込む制圧力を見せている。
出張で使われる主な融合素材は同弾で出たD-HEROディナイアルガイとD-HEROディアボリックガイ×2によるリンク数伸ばしが出来る組み合わせや、ドローしたモンスターを展開できるD-HEROダッシュガイと2ドローが狙えるD-HEROディバインガイの組み合わせが定番となっている。
出張では融合の後に続かないことも多いが、元のカテゴリである【HERO】では続けて展開できる。
先攻であればフュージョン・デステニー1枚から2妨害、後攻であればワンキルラインまで届かせる展開が出来るため、「出張でも強いが、元のカテゴリで使ったらもっと強い」という点はドラグーンでは成し得なかった要素(?)と言えるだろう。
ただしV・HEROファリス、X・HEROクロスガイなどの展開途中でHERO縛りが付くカードもあるため、捕食植物ヴェルテ・アナコンダとの併用をする際は注意。
自己再生効果は「ヒーローアライブ」を阻害してしまうが、破壊効果でこのカード自身を巻き込んでしまえば再び使用することができる。もしくはアライブをセットして破壊効果の的にしてしまえば無駄もない。
あらゆるデッキに出張し、特に勇者デッキと合わせた【勇者GS】、【勇者フェニックス】といった単体で成立するデッキが結果を残した事により、2022年1月1日のリミットレギュレーションにてフュージョン・デステニーが無制限から1発で禁止カードとなった事で、問題となっていた出張採用は不可能となった。
その後、フュージョン・デステニーは制限に復帰するが、入れ替わりでヴェルテ・アナコンダが禁止となり、やはり環境に返り咲くことは無かった。
さらに、環境がもっとインフレしてし過ぎた結果、モンスター・魔法・罠すべてが効果で墓地に送られると追加効果でサーチや特殊召喚に繋がってしまうぶっ壊れテーマのティアラメンツ、強力なデッキ破壊能力で出張セットを潰しやすい上に墓地メタ機能が強力極まりないイシズ(現冥)関連、そのティアラメンツへのメタでありこのカードにも刺さるビーステッドなどが登場したかつてない遊戯王のインフレ年である2022年になって環境が逆風となった。
パワーカードには変わりがないが、COVID-19の影響で物理ゲーム全般が売れにくくなった対策としてか強カードばかりが刷られたことで僅か一年で立ち位置が大きく変わってしまったカードでもある。
現在では、もともと関連カード自体が主軸のHERO系列のデッキでは依然として切札として活躍しつつ、そうでないデッキでは事故要員となる状態となっている。
マスターデュエルでは
DCG版遊戯王のMDでは、環境が紙の一年遅れということもあって、稼働後の実装となり登場当初はやはりパワーカードとして環境を席巻し出張セットとしても多用された。
モンスター対策をすり抜けやすいブラマジなどの、環境外だが一部のメタには強いテーマも置物まで手を出せる汎用性で木端微塵に粉砕できた。
MDはシングル戦なためサイドから対策されず、地雷的に耐性のないデッキは皆食い物にされていたので結構なヘイトを買っており、紙同様にフュージョンデスティニーが規制された他、出張セットに多用されたディバインガイが禁止カードに指定されるなどの措置を受けている。
また、MDではアナコンダが禁止を免れている(2023/06現在)ために、出張セットとしてはいまだ健在ではあるが、遅れて実装されたティアラメンツやイシズやビーステッドのおやつとなるので、出張セットとしてデスフェニを使わざるを得ないテーマ自体が低パワーという現状である。
こちらでも実用的にデザインに組み込めるのはやはりHEROくらいである。
余談
そのデザインからE・HERO シャイニング・フェニックスガイに相当する、「フェニックスガイ+なんらかのD-HERO」を意識したモンスターである。
融合素材はD-HEROでもフェニックスガイでも使える指定となっており、効果もあちらの「不死」や「墓地参照で攻撃力を下げる」を引き継ぎつつ、元のあまりに貧弱だった守備特化を攻撃的な効果で補っている。
しかし、あまりにも少数出張しやすい素材指定であった結果、出張セットとしての方が盤面に並ぶメンツが強く、あげくフュージョン・デステニーを規制させてしまい、D-HEROを大幅に弱体化させる結果となってしまった。
特に、フュージョン・デステニーと同時期以降のD-HEROはそれを前提としたような重量級融合や墓地依存が目立つため、制限でもなお大きな痛手となっている。
また、こちらが融合モンスターをさらに融合したモチーフのくせに、融合モンスターを使わなくていいのでデッキ融合に対応することでやらかした結果、対応する十代のE・HERO シャイニング・ネオス・ウィングマンではウィングマンと名の付く融合モンスターが必須となり、デッキ融合はできなくなっている。
加えてあちらは他の収録が、本来は事故要素である「Nとコンタクト融合」「ネオス以外の融合E・HERO」を混ぜるためのサポートとなっており、こちらも最初から「EとDを混ぜるサポートと、フェニックスガイ融合モンスターを指定」であれば、惨劇は回避できていた。
結果として、このカードがあまりに単体で強すぎたために、エドデッキはかえって規制強化で弱体化してしまい、十代デッキは新規が過剰に警戒したような仕様でこのカードに比べ非常に見劣りするという、双方にとって残念な結果となっている。
ドラグーンはデスフェニと違って「逃げはしなかった」というネタもある。
よく用いられる通称「デスフェニ」
よく用いられる通称は「デスフェニ」
……なのだが別のカードゲームの暗黒王やそのリメイクカードたる“不死鳥から成り上がった神”と間違えられることも多いので注意(あちらは派生カードの1枚の名称から「デスフェニ」が公式略称かほぼそれに近い扱いを受けていると思われる)。
関連タグ
E・HERO フェニックスガイ E・HERO シャイニング・フェニックスガイ
「D-HERO」一覧
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