「新次元のスピードを体感せよ!」
「アクセル全開!決めろ!光速のシンクロ召喚!!」
概要
遊戯王OCGで第6期以降導入された新たな特殊召喚システム。
5期までのOCGでは主に通常召喚、生贄(リリース)を捧げてのアドバンス召喚に加え、カード効果による特殊召喚(融合召喚、儀式召喚)が存在していたが、アニメ『遊戯王5D's』の放送開始と同時に展開された第6期から新たに導入された。
シンクロモンスターは白いカード枠を持ち、召喚条件として「チューナー+特定条件」が別個に指定されている。
融合召喚では素材モンスター2枚以上+「融合」or代替カード、儀式召喚では召喚モンスターとそのレベル分のモンスターで2枚以上+儀式カードが必要とされていたのに対し、シンクロ召喚はシンクロモンスター毎に定められたチューナー+条件に合致するようにフィールドから墓地に送る事で召喚できる。
そのため、従来の融合・儀式が一部を除いて3枚以上のカードを必要としていたのに対し、シンクロではチューナー+αの2枚から特殊召喚を行う事ができるようになっている(例外的にこれ以外の特定条件を満たしたときにシンクロモンスターを特殊召喚できるカードもある)。
このような召喚方式が導入された経緯としては、「GX」時代までのデュエル環境が、同コスト内で最高の効果・ステータスを持つカードに偏重されている傾向が強かったため、原作者である高橋和希氏が低レベルモンスターにも活躍の場を与えられるシステムとして提案したものらしい。
曰く「モンスターの星の数を足していって高レベルモンスターを召喚する!!これなら低レベルモンスターも重要になるからね!!」(漫画版「GX」5巻のおまけより)。
実際、アニメ・漫画においても特定手段で自フィールド上にモンスターを揃え、シンクロ召喚を活用して逆転するといった作劇が可能になった事や、シンクロ召喚時の口上など演出面でのメリットも非常に大きく、「5D's」以降では新ギミック+口上という形式が新たに導入されるのがお約束となっている。
OCG環境においてもシンクロ召喚及びエクシーズ召喚は非常に大きな流れを作った。
というのは、シンクロモンスターは単純にそれまでの上級モンスターと比べると非常にステータスが高い傾向があり、そこに加えて強烈な効果まで付いている場合が多かった為、多くのデッキにとって今までの構築を変更してでもシンクロ/エクシーズを狙う価値があったためである。
更に効果使用後の低級モンスターをこれらの特殊召喚の素材にする事で有効活用できるというメリットも非常に大きく、既存の構築に汎用性の高いシンクロ/エクシーズモンスターを組み込んだデッキが流行し、第5期までの環境と第6期以降の環境はほぼ別物となった。
しかし、多くのデュエリストに斬新な新ギミックとして受け入れられた一方で、モンスターの能力のインフレやデュエルの高速化を招いた部分も少なからずあったり、自ターン中延々フィールド・デッキ・手札・墓地のカードを操作し続けるループのようなコンボによって次々とシンクロ/エクシーズモンスターを繰り出し攻撃or効果発動するという戦法が可能になってしまい、ソリティアと揶揄される事もあった。
こうした現象に歯止めを掛けるため、10期(アニメでは「遊戯王VRAINS」開始時に相当)からは「新マスタールール」が導入され、エクストラデッキからの大量展開や1ターン内中に何度もシンクロ/エクシーズ召喚を行う事に制限がかけられ、このルールに適合したリンク召喚が導入された。
導入直後は目的通りゲームスピードの低速化に成功していたものの、結局カードプールの拡大に伴ってリンク召喚を利用して大量展開を行う事が可能になってしまい、本来の目的とは真逆の状態を招いている事、明らかにリンク召喚のみが優遇されている状況がプレイヤー離れを引き起こした為、11期(2020年4月)以降に更に改変されたマスタールールへと変更された。
この変更でシンクロモンスターにとっても必須化していたリンクモンスターによる支援は必須ではなくなり、再びシンクロ/エクシーズメインの構築も可能になっている。
なお、11期以降のルールでは「フィールドから離れた時」の効果は手札やエクストラデッキに戻る効果で離れた際に発動しないという裁定に変更された事で、10期まで猛威を奮ったシンクロ/エクシーズモンスターを何度も出したり戻したりするコンボは組めなくなった。
また、6期以降コンスタントに新シンクロモンスターが登場していく中で、一部の特殊なシンクロモンスターはチューナー+αを墓地に送る際に、合計レベルでなく2体のレベル差を参照するという特殊なものも出てきている。
これらのモンスターは区分上はシンクロモンスターになっているが、カードテキストの1行目は通常のシンクロとは異なる参照をする都合で「このカードはシンクロ召喚できない」と書かれており、一見ではシンクロモンスターなのにシンクロ召喚不可に見えるというシュールさがネタにされる事がある。
公式ルール裁定
シンクロ召喚に必要なもの
シンクロ召喚を行うには、シンクロモンスターをあらかじめエクストラデッキに入れておきましょう。
また、シンクロ召喚を行うには、シンクロモンスターに記載されている素材となるチューナー及び、それ以外のモンスターが必要です。
必要な素材はモンスターによって異なり、特定のカード名のモンスターが必要となる場合もあります。
メインのデッキには、そのシンクロモンスターの素材となれるチューナーとモンスターを必要な数だけ入れておきましょう。
シンクロ召喚の手順
1.自分フィールド上に、シンクロ召喚したいシンクロモンスターの素材となるモンスターを揃えて準備します。
素材となるモンスターは表側表示であれば攻撃表示でも守備表示でも構いません。
2.必要なモンスターが自分フィールド上に揃ったら、自分のメインフェイズ時に「シンクロ召喚」を宣言します。
素材として使用する自分フィールドのモンスターとチューナーを墓地へ送ります。
3.墓地へ送ったモンスターを素材とするシンクロモンスターをエクストラデッキから取り出し、エクストラモンスターゾーンに出します。
これでシンクロ召喚完了です。
シンクロモンスターを特殊召喚する場合、シンクロモンスターは表側攻撃表示・表側守備表示のどちらの形式で出しても構いません。
シンクロ召喚する場合、エクストラモンスターゾーンとメインモンスターゾーンのどちらにも特殊召喚する事ができます。
シンクロモンスターを出したいゾーンを選び、そのゾーンにシンクロモンスターを置きましょう。
(公式ルールブック マスタールール(2020年4月1日改訂版)対応 バージョン 1.0より引用)
関連タグ
アルティマヤ・ツィオルキン:エクシーズ召喚のような召喚手順を踏むシンクロモンスター