アニメ版『けものフレンズ』の主要キャラクターであるサーバルの愛称。なお作中で彼女を「サーバルちゃん」と呼ぶのは「かばんちゃん(以下かばん)」のみである。
Pixivにおいてはアプリ版・漫画版など他メディアで設定の異なる彼女との差別化タグとして使用される傾向にあり、本項においても主にアニメ版のサーバルについて記載する。
けものフレンズプロジェクト全体でのサーバルについてはサーバル(けものフレンズ)を参照。
概要(1期アニメ版)
CV:尾崎由香
本作におけるもう一人の主人公。
ネコ目ネコ科ネコ属サーバル(サーバルキャット)のフレンズで、広大な「ジャパリパーク」のエリアの一つ「さばんなちほー」の一角を縄張りとしている。
ある日さばんなの樹上でくつろいでいる時に、下で誰かが草をかきわけ進んでいく音に気づく。跳び下りて駆け寄ろうとしたが、相手は走って距離をとろうとする。
それを『狩りごっこ』と解釈して追い掛け回し、ついに大きなジャンプで見事相手を捕獲(?)。
「た……食べないで下さーい!」
「た、食べないよぉっ!」
話を聞くと気が付いたらこの場所にいたとのことで、自分が何者なのかすらわからないという。サーバルも持てる知識で相手が何者か当ててみようとするも結局わからなかった。そこで最終手段として「わかんない時は『としょかん』で教えて貰うんだ」と図書館に行く事を提案し、途中までの「がーいど!」もとい案内を買って出る。
しばらく行動を共にするなら呼び名が必要と考え「かばんちゃんでっ。どう?」と、とりあえずの命名をし「じゃんぐるちほー」の入り口へ向かい歩き始めた。
さばんなを二人で移動している間、かばんの持つ個性を徐々に把握していく。また入り口付近で遭遇した巨大なセルリアンとの戦いでは、かばんの作った紙飛行機の誘導により活路を見出すと共に、「ものを作る」ことが出来るかばんに非常に驚いてみせた。
その後じゃんぐるの入り口で一度は別れたものの「やっぱり気になる」と別れて数分と経たない内にかばんに追いつき彼女の旅に同行することを決めた。またこの時からこれまで余所余所しい敬語口調だったかばんに自身のことを「サーバルちゃん」と呼ぶように促し、以降は彼女の良きパートナーとして親密な関係を築いていく。
性格・特徴
天真爛漫で心優しくポジティブな性格で、誰に対しても明るく好意的に接することが出来る。
「かばんちゃん」以外にも「シマウマちゃん」「トムソンガゼルちゃん」と他人をちゃん付けして呼ぶ場合があるが誰にでもというわけではなく、カバは「カバ」と呼んでいた。
サーバルキャットの特長である柔軟な脚力と鋭い爪、優れた聴覚・嗅覚を持ち、自分のこうした能力に自信を持っている。しかしだからといってそうした力を持たない相手を蔑むことはなく、「フレンズによって得意なこと違うから!」と、その個性を受け止め認める寛容さを併せ持つ。実際、かばんとの旅では、非力なかばんに代わって力仕事を請け負う一方で、フレンズの悩み事など知恵を必要とする局面ではかばんに頼るなど、互いに長所を活かしつつ逆に苦手な面を克服することに努めており、良き共存関係を築いている。
非常に好奇心旺盛でもあり、かばんの閃きや他のフレンズの特技、初めて訪れるエリアなど、未知の物を見るたびに「すっごーい!」と感嘆の声を漏らす。そうした意味では、彼女にとってこの旅は驚きや感動に満ちていると言えるだろう。
その好奇心から色々なものに挑戦する行動派でもあるが、結果的に失敗しトラブルを引き起こしてしまうことも度々ある。そのせいか同じエリアに住む友人のカバの「足も速いし鼻も耳もいいがおっちょこちょいで全部台無し」という言葉を皮切りに、「さばんなちほーのトラブルメーカー(フォッサ)」「噂通りのドジっ子(スナネコ)」等々行く先々で散々な評価を受けており、良くも悪くもパークでは名の知れた存在である模様。
こうした周囲の評価や冒頭の「狩りごっこ」のような突拍子もない行動のせいか視聴者からアホの子扱いされることもあるが、彼女以外のフレンズがやたらとアクの強い連中であるためツッコミ役に回ることの方が多い。
また説明を受けた事柄に対しては要点を掴んでいたり(1話でかばんが紙飛行機を使ってセルリアンの気を引いたことに倣い、最終話で同様に紙飛行機を使って黒セルリアンの気を引いたことなど)、チャンバラの武器の持ち方やバスの運転も自分なりに試行錯誤したりするなど、学習能力自体は低くない。
ジャパリバスを持ち上げたまま大ジャンプしたり、高所から転落しても無傷でいられたり爪で野菜をみじん切りにするなどスペックは高いものの、本人曰く「『全然弱い』と言われている」事からフレンズの中でも(あくまでも設定上では)弱い部類だと思われる(実際の猫も動物全体から見て弱い部類に当たる)。
余談
前向きで明るい発言・驚嘆・称賛する台詞を発することが多く、特に「わーい!」「すごーい!」といった非常に端的でわかりやすいものがほとんどであり、そのせいか放送開始以降視聴者の一部が彼女のこうした発言を様々な場面で引用している。なお「たーのしー!」という台詞に関しては第2話に登場したコツメカワウソが初出なので悪しからず(一応、サーバルも第5話で似たような台詞を発しているが)。
また「フレンズ」という単語も何かと頻繁に使用されており、これについても「あなたは◯◯◯なフレンズなんだね!」といった形に変換させて使用されている。ただし、劇中でこのような台詞は実際には使用されておらず、おそらく、第1話でのかばんに対する台詞(「あなた、あんまり狩りごっこ好きじゃないケモノなんだね」「あなた、もしかしてナマケモノのフレンズとか?」等か)が混合されてしまったものと考えられる。
本作の爆発的な人気に肖ってか、ニコニコ生放送(niconico)では本作に縁ある動物たちの観察生中継が放送されることになり、その第1弾として、本項のサーバルのモチーフであるサーバルキャットの中継が行われた。
また、『けものフレンズ』放送終了後に、NHKがけもフレ難民に対する緊急支援策として、自然番組『ダーウィンが来た!』のサーバル特集回「サバンナのネコ 強烈パンチ!」(2007年12月16日に放送されたものの再放送)を2017年4月15日の深夜2時15分から放送したほか、同じく自然番組の『プラネットアースII 草原編』にもサーバルが登場する旨を告知している。
関連タグ
表記揺れ
コンビ・グループタグ
以下ネタバレ注意
道中の各スポットで、ラッキービーストが突然流暢に喋り出すことがたびたびあり、二人も(技術は不明だが)誰かによる「音声記録」であると認識していたが、第10話で滞在した「ろっじ」での謎の人影による騒動を機に、それらが実は「映像記録」であったことが発覚する。
この時、ろっじの一同は初めて記録内の声の主である「ミライさん」の姿を知ると同時に、彼女の傍にサーバル(CV:野中藍)が映っているのを確認する。サーバル自身はミライのことや映像内の出来事に全く覚えがなく、「(同種の)別の子だと思う」と発言している。が…
あれ、おかしいな…早起きしたからかな…
映像越しのもう一人の自分の姿を見た彼女は無意識のうちに落涙していた。
これらの出来事から視聴者の間でも様々な憶測が飛び交い、特に映像内の人物たちが過去のタイトルに関連深いことと合わせ「本作のサーバルの正体(前身)はアプリ版に関連する人物なのではないか?」という意見が多く挙がっている。
そしてその後……新たな旅立ちへ(2期アニメ版)
第2期にあたるアニメ『けものフレンズ2』にも、サーバルちゃんは再び登場することになった。
本作においてももう一人の主人公……なのだが、今回はカラカルも一緒である。
目の形が原作アプリ版デザインに近い猫目(縦長の瞳孔)になっているのが特徴。
ジャパリパークの草原で2体のセルリアンが暴れており、カラカルと謎の子供が襲われそうになっているところに、一方のセルリアンの背後からジャンプして現れる。
そのセルリアンを一撃で撃破したのち、カラカルと一緒にもう一体のセルリアンに挑み、最後は爪すら使わない猫パンチで勝負を付けている。
セルリアンが一段落ついたところで、その謎の子供に名前を尋ねてみたところ、「ぼくは……」と言いかけたタイミングでその子のお腹の虫が「キュルル」と鳴ったため、「ぼくはキュルル」と名乗ったのだと思い、その子に「キュルル」という呼び名を付けた。実際はお腹が空いていただけだったらしいが、その際、
「い、いや、そうじゃなくて、今のはその、お腹が空いて……」(キュルル)
「た……食べないでー!」(サーバル・カラカル)
「食べないよっ!」(キュルル)
といった冗談を交じえて会話をしている。あれ、こんな会話どっかで……
その後、キュルルがやって来たという場所に行ってみたものの、キュルル曰くそこは自分の巣ではないのだという。「お家に帰りたい」と思わず涙をこぼすキュルルに対し、彼女は「探してあげようよ、キュルルちゃんの巣!」と、キュルルが元いた場所を一緒に探してあげることを宣言する。
こうして彼女は、キュルルが住んでいた巣を求めて、キュルル・カラカルと共に再びジャパリパークの冒険を始めるのであった。
CVは1期と同じであり、天真爛漫で元気な姿も1期の頃からそのまま引き継がれている。
しかしながら劇中の行動をよくよく見てみると、
などと、1期のサーバルの冒険の遷移を知る者からすれば疑問符が付くような点もあり、1期のサーバルとは別個体であるという説もある(ただし6話でとある人物と会った際には何かしら反応していたが)。
1人称は「私」で、2人称は「あなた」。カラカルをはじめとしたフレンズのことは基本呼び捨てにするが、キュルルのことは「キュルルちゃん」と呼んでいる(自己紹介の時などでは「ちゃん」を省略することもある)。
とても元気な性格であるがゆえに一人で勝手に暴走することもあり、4話では洞窟の中で狩りごっこをしようと提唱し、他のフレンズが若干引き気味の中、一人狩りごっこで洞窟内をはしゃぎ回っていた(最後はカラカルにより制止)。
一方で、3話でカラカルが散々怖がっていた初めての海でも全く物怖じせず、水の中に飛び込んで助けられても平然とした顔をしている。
カラカルはそんな彼女を「好奇心が強い」と表現しているが、実際好奇心は強く、あらゆる物や風景に対して「すっごーい!」と言うのが日常的な口癖となっている(1期でも言っているが、2期ではその頻度が飛躍的に増加)。
しかしそんなサーバルでさえも、明らかに住処として適していない滝の中の物件をアリツカゲラに紹介された際には、目をまん丸に開いて困惑しながら「すっごーい」と言っていた。
一方で9話においては、キュルルと衝突して素直になれないカラカルに静かに気を利かせ、和解に導こうとする姿も見られる。
他にも、1期のサーバルに比べると大幅にパワーアップしているのが特徴。あり余るほどのポテンシャルに満ちた性格と紐付いたそのパワーは、セルリアンのみならず他のフレンズをも圧倒している。
- 劇中に登場するセルリアンは一部を除いて大方サーバルが討伐しており、戦う際も物怖じせず好戦的な態度で攻撃を仕掛けるケースが多い。1話には、ロバからセルリアン退治を依頼されているかのような描写もある。
- 5話でワニ達やヒョウ達相手にカラカルと勝負した際、4対2という不利な状況であるにもかかわらず、最終的に「なんてパワーだ」と言わしめるほどに相手をねじ伏せた。
- 7話でチーター・プロングホーンとレースをした際、後発でスタートしたにもかかわらず二人に負けないレベルの走りを見せつけた。後半のリレー勝負においては、得意技の木のぼりジャンプでプロングホーンを一時的に追い抜いている(ちなみに現実のサーバルキャットも足は速く、最高で時速80kmほどに達する。ただし持久力はそれほどあるわけではない)。
- 9話では作中で初めて野生解放を発揮する。その結果、イエイヌを傷だらけにするほど凶暴なはずのビーストを、直接闘うこともなくそれだけで退けさせている。
ラッキービーストのことは、1期と異なり「ラッキーさん」と呼んでいる。
以下ネタバレ注意
1話によると、彼女はかつてヒトと旅をしていたことがあったのだという。
ずっと一緒にいたはずなのに、なぜか彼女自身はそのことをうまく思い出せないそうだ。
だがその時、視聴者の前にだけ、よく見慣れたはずの後ろ姿のシルエットが登場する。
そして――5話ラストにおいて、ついに彼女はそのヒトと出会うことになる。
更にその後……もうひとつの新たな旅立ち(2期漫画版)
ベースは概ねアニメ版を踏襲しているが、生真面目で慎重なカラカルに対し、明るく元気なサーバルという役割分担がよりはっきりしている。サーバルがとぼけたことを言う→カラカルが突っ込む、の流れは最早黄金パターン。
キュルル命名にあたっても「わかった!あなたの名前はキュルルちゃん!」「それはどうなの!?」とカラカルに突っ込まれている。(「たべないでー!」もサーバルだけがおどけて披露)
「ネコ科の本能に逆らえず(全員が目を離した時に)"猫じゃらし"に飛びついて海に落下」「滝の裏にある物件の内見(滝登り)に一人だけついて行き落下」と本能と好奇心全開なのだが、それ故のものなのか勘も鋭く、「カリフォルニアアシカの苦悩」や「カラカルの動揺」にいち早く気付いていた。
また普段の印象に反して心の距離の取り方がとても巧く、急激な状況の変化に戸惑っていたキュルルの懐に一息で踏み込んだかと思えば、カラカルがツッコミの勢いのままアードウルフの事情に深入りし過ぎしそうになった時は、やんわりと止めに入り、「カラカルの動揺」に至っては「そっとしておく」を選択するという意外な一面を見せる。
因みに2期で「安売りしすぎ」という意見もあった「すっごーい!」も使用する場面を絞っている。
ビーストとの初遭遇においては、キュルルを守ろうとするカラカルとビーストの激突寸前に割って入り、片手でビーストの顔を掴み止め、もう片手でカラカルを抱き留めて引っ繰り返すという離れ業をやってのけ、さらに笑顔で「ケンカはダメだよ!」と窘めるという凄みを見せつけた。
この時には野生解放と思しきオーラを発生させており、後でカラカルに「無茶しすぎよ!」と叱られていた(カラカルの言う「無茶」は当該場面におけるカラカルの描写も込みで含みがありそうにも思える。野生解放によるけものプラズムの消費を心配された?)。
アニメ版よりも思い出せない思い出についての描写が多いのも特筆すべき点。
具体的には
- アニメ版にもあった「ヒトと一緒に旅をしていたが上手く思い出せない」
- 廃棄されたバスを流用した物件の中で「ワクワクする」と発言
- アードウルフの「思い出が消えてしまう事が怖い」という台詞に対し誰かの姿を朧げにだが思い浮かべる
- カラカルが自分の葛藤に対し漠然としてはいるものの答えを見出した事に対し「すごくよくわかる」と激しく同意
- オフロード仕様のジャパリバスに乗った際「この車はゴトゴト動くんだね」と、他の車の乗り心地を知っているかのような発言
- 『あのジャパリバス』を目にした時に、かつてかなりの無茶をした事と傍らにカラカルが居た事を思いだしたり、「凄くワクワクする」と発言
- お茶に対し、警戒して躊躇うカラカルに対し一息に飲み干すサーバル
- セルリアンの耐水性についてカラカルと認識相違、サーバルは「水に弱い」と思っていた