概要
別名サーバルキャット
体長70㎝~1m、尾長30~45㎝、体重8.5~19kg。
豹柄の体毛にほっそりした顔立ちや体型が特徴的で、サバンナのスーパーモデルなどと称される。
ネコ科には珍しい、すらりとした長い足と大きな耳は、草丈の高い草原での狩りに役立つ。その耳は土の中のネズミの動きも聴き分けられるとされ、強靭な脚は高さ2メートルまでジャンプする事も可能。そのシルエットから、ラテン語で「鹿のような」を意味する【cervo】、さらにそれがフランス語になった【Serval】が名前の由来とされる。また尾は体長の3分の1と短い。
子供は1年程で親から一人立ちし、野生では10年あまり、飼育下では長ければ20年以上生きる。
「ニャウ」とイエネコに近い鳴き声を立て、イエネコとの交雑種ができた例も少なくない。
イエネコとの交雑種は「サバンナキャット」とも呼ばれる。
基本的には夜行性だが、気温上昇が少ない日は昼間でも行動する事がある。
時に犬等も殺すほど気性が荒いが、若い個体は人に慣れやすい。
食物連鎖の頂点近くに位置するため外敵は少ないが、幼獣は他の肉食獣や猛禽類に狙われやすい。
何世紀にも渡って、家畜・家禽の保護のために捕殺されたり、他の野生ネコ同様毛皮利用の目的で狩猟されており、個体数は減少傾向にある。
また、人間の居住区近くに出現した個体が自動車にはねられて死亡する例も少なくない。
ネコ科同様突然変異する事もあり、黒変種と白変種が存在する。前者はそのスレンダーな体型からポケットモンスターのヘルガーやブラッキーに見えなくもない。
飼育にあたって
ただし一般人が飼育するハードルはかなり高い。
値段が子猫で200万前後と高額な上、ワシントン条約に基づいた許可を持っている信頼できるブリーダーやショップを探す事からまず大変な作業になる。
海外のブリーダーと交渉する事も必要になる可能性が高く、後述の点も手伝って事前に必要な勉強量はかなり多い。
普通の猫より気も荒く力も強いため「特定動物」に指定されており、飼育には必ず届け出て都道府県知事の許可を貰わなければならない。
純血のサーバルはもちろん、イエネコの血が混ざったサバンナキャットでも特定動物としての手続きが必須になる場合もあるので(特にサーバルの血が濃いF1などの場合)、関係各所への問い合わせや申請は必須である。
頑丈な金属製の檻や脱走防止の鍵等、設備も整えなければならず、初期の出費は相当かかる。
ブリーダーの方も、これらの設備ができていないと引き渡さないとする方針のところもある。
また餌も専用の肉缶詰は相当高価であり、対応できる獣医師も限られているなど、飼育中の苦労も大きい。
また人に懐かない個体も少なくないため、ブリーダー選びには「生後間もない頃から人に慣れさせているか」と言うのも大事な点である。
生半可な覚悟と財力で飼える動物ではない。
ついでに言うとサーバルに限らず、特定動物全般が20年6月の法改正に伴い愛玩飼育が禁止されたため、ハードルは一層高くなった。
…「そこまでして飼えないよ!」という人の方が多いのは当たり前なので、「それっぽい柄のペットを可愛がりたい」程度であれば、ベンガル(祖先にベンガルヤマネコを交配しているイエネコの品種)などの野性味のある模様のイエネコを飼う事をおすすめする。尚、日本では流通していないに等しい品種だが、サーバルを祖先に交配している「サバンナ」というイエネコの品種は実際にある(他にジャングルキャットとの交配によるチャウシーというマイナーな品種も存在する)。
『けものフレンズ』におけるサーバル
カラカルなどと比べれば決してメジャーな動物とは言えず、今まで『ジャングルの王者ターちゃん』に3コマ出た(アニメではそのシーンはピューマに変わっていた)くらいしか日本では知られていなかったサーバルであるが、この『けものフレンズ』では原作アプリ及びTVアニメでメインヒロインとして扱われていたため、2017年以降爆発的に知名度が上昇した。
なお、『けものフレンズ』の人気からサーバル目当ての客が各動物園で増えたため、動物園の公式twitterアカウントでもサーバルの展示予定をこまめに告知するところが増えている。
羽村市動物公園では2017年3月20日にニコニコ生放送でサーバルの特番を放送した程。
狙ったのかどうかはわからないが、『けものフレンズ』最終話(12話)放映直後にサーバルの写真集「サーバルパーク」が発売された。
100Pフルカラーで900円というリーズナブルな価格で、しかもあのしんざきおにいさんのインタビューまで収録されている。
また、NHKでも『ダーウィンが来た!生きもの新伝説』で、10年前に放映したサーバルの回を急遽2017年4月15日に再放送している。