概要
漢字表記は「雲豹」。
体長60㎝~110㎝、尾長60~90㎝、体重15~25Kg。
最大の特徴は体格に比して長い尻尾と、名前の由来ともなっている独特な雲状の斑紋。
南アジアと東南アジアの森林に生息。台湾や海南島の亜種は戦前から戦後に絶滅したとされる。
足が短く面長でタレ目で、牙は長め。
樹上活動に高度に最適化された身体構造を持ち、自慢の長い尻尾でバランスを取りながら、回して反転させることが出来る後ろ足を活かし、器用かつ俊敏に樹上や木々の間を縦横に動き回ることができる。
木の上で狩りをしたり、後ろ足で枝にぶら下がって地上の獲物を襲うことも出来る。
元々全般的に木登りや樹上活動が得意なネコ科だが、ウンピョウはその中でもマーゲイと並んで能力の高さが突出しており、その特殊な身体構造もネコ科ではこの2種だけであり、樹上こそが彼らのホームグラウンドと言っても過言ではないレベルである。
野生では小型のサルや鳥を狩っているが、泳ぎが得意で魚を獲ったり、ヤギやスイギュウの子供など大きな獲物を狙うこともあると、実際は幅広い獲物に対応できる。
ヒョウとネコの間の存在とも言われ、犬歯の長さの比率が現生のネコ科では最大の種類の一つであり、顎も他のネコ科の倍近く広く開けることができ、長い犬歯を獲物に突き刺して出血多量による衰弱を狙う狩猟スタイルから「現代のサーベルタイガー」と言われることも。
基本的に単独生活で一度に2、3匹の子供を出産するが、同じく密林棲のヒョウやトラ以上に人前に姿を現すことが少ないため、実は余り詳しい生態は判明していない。
寿命は飼育下で12〜15年ほど、長くて17年前後。鳴き声は猫に近く「ナーオ」と鳴く。
漢方薬や毛皮目当てとして乱獲されてその数を減らしており、絶滅危惧種の範疇にある。
人に懐きやすいことから一部の国ではペットとして買い求めようとする者もおり、違法取引の犠牲にもなっている。
日本では飼育頭数が少なく、近年次々と高齢のため死亡しており現在は高知県ののいち動物公園にいる高齢のオス「リュウ」と神奈川県のズーラシアの4頭だけになっており今後が危惧されている。
一部では、西表島に伝えられてきたUMA、「ヤマピカリャー」の正体なのでは、と言われている。ヤマピカリャー同様、「対馬のオオヤマネコ」も近年に動物学者や知識人に目撃されているらしい(こちらは、小型のピューマかアジアンゴールデンキャットを思わせる見た目である)。マタギなどから見られていた?「本州の山にいるデカイ猫」(参照)も、縄文時代に人間に狩られたオオヤマネコの生き残り…は流石にないだろうか。ヤマネコやヒョウ、トラ、ライオンも大昔は日本にいたが、人間の影響が絶滅に関係していたかは不明。