概要
『ポケットモンスター Let's Go! イーブイ』にて、主人公(カケル/アユミ)のパートナーポケモンとなる特別なイーブイ。
対となるピカチュウ(※1)に合わせて「進化できない『しんかポケモン』」になっていることを最大の特徴とする。
その他にも、
- 無進化を補う特殊なステータスやわざが設定されている(後述)。
- 従来のひでんわざにあたる「ヒジュツ」を覚える。
- 服の着せ替えと「前髪」部分のセットができる。
- 絶対に色違いのすがたにはならない。
- ♀の場合、尻尾の模様がハートマーク状になる。
- 交換することも逃がすこともできない。
といった独自の仕様を持っている。
なお、通常のイーブイも冒険のかなり後半に訪れる「ポケモンロード(サイクリングロード)」に野生出現する(※2)。これらはシャワーズ・サンダース・ブースターに限り進化も可能。
比較的近いトキワの森に野生出現するピカチュウはともかく、この相棒イーブイがどうやって本来の棲息域から遠く離れたマサラタウンにやって来たかは謎である。
通常のイーブイと共通して
- 声優によるボイスが付く。(※3)
という変化も起きており、これは次回作の『ソード・シールド』にも引き継がれている。
ちなみに♀の尻尾も種族全体の特徴と拡大解釈されて引き継がれている。
※1:『ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ』のリメイク元である『ポケットモンスター ピカチュウ』の仕様、さらには同個体がモチーフとする「サトシのピカチュウ」の設定に基づく。
※2:『ポケットモンスター ピカチュウ』を含む初代作品にはイーブイの野生出現は一度も無かった。このままでは当時から登場していたシャワーズ・サンダース・ブースターの入手手段が無くなってしまうため、救済措置として新たに出現場所が設定されたものと考えられる。
※3:担当声優はアニメ『ポケットモンスター ベストウイッシュ』のアイリス役でお馴染みの悠木碧氏。ピカチュウの方は『ポケットモンスター X・Y』より種族単位で「サトシのピカチュウ」を担当する大谷育江氏の声が付けられるようになっていたため、今回対とするのに合わせてこの部分の扱いも揃えられたものと思われる。
対戦面
HP | こうげき | ぼうぎょ | とくこう | とくぼう | すばやさ | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
相棒 | 65 | 75 | 70 | 65 | 85 | 75 | 435 |
通常 | 55 | 55 | 50 | 45 | 65 | 55 | 325 |
俗に「種族値」と呼ばれる内部ステータスが、上記のように全面的に強化されている。
かつ、それに上乗せされる「個体値」と呼ばれるステータスも全て最大値(6V)で固定される仕様となっている。
レベル100に達するまでに必要とする経験値にも手が加えられており、通常のイーブイが合計100万であるのに対して相棒イーブイは105万と微妙に成長が遅くなっている。
「相棒サイン」と呼ばれる戦闘中に使えるお助けモードがあり、相棒イーブイが場に出ているときにこれを用いると必殺技「ブイブイブレイク」を発動できる(仕様は「おんがえし」と同じ)。
また、相棒ピカチュウ同様に「相棒わざ」と呼ばれる専用技をNPCから教えてもらい、使うことができる。イーブイの場合は各進化形をイメージしたものとなっている。
どのわざも威力90・命中100・PP15で統一されており、命中すれば確定で追加効果が発生する。タイプ相性の影響は受ける。
相棒わざ | タイプ | 教え場所 | 追加効果 |
---|---|---|---|
いきいきバブル | みず | ハナダシティ | HP吸収 |
びりびりエレキ | でんき | 〃 | まひ状態 |
めらめらバーン | ほのお | 〃 | やけど状態 |
どばどばオーラ | エスパー | タマムシシティ | ひかりのかべ |
わるわるゾーン | あく | 〃 | リフレクター |
すくすくボンバー | くさ | セキチクシティ | やどりぎのタネ |
こちこちフロスト | こおり | 〃 | くろいきり |
きらきらストーム | フェアリー | 〃 | アロマセラピー |
みずタイプのHP吸収攻撃はポケモン全体で初出。
対応する進化形の「種族値」配分を意識したのか、「めらめらバーン」と「すくすくボンバー」のみ物理技で、残りは特殊技となっている。
これらのタイプに縁の深い追加効果としては他に「こおり状態」が考えられるが、ポケモンの「こおり状態」は何もできなくなるのとほぼ同義なため自重したものと思われる。
対戦ガチ勢による考察の結果、もしも他作品へ輸出されたら確実にゲームバランスが崩壊するぶっ壊れ技が半数あるとのこと。
それを差し引いても実質的に最大8つの技(「ひかりのかべ」以下はそれ自体で1つの技である)を持てる時点でイカレていると言わざるを得ない。
上がってようやく中の下程度の「種族値」かつ、ストーリー攻略用のポケモンだったからこそ許された仕様といえる。
番外作品
ポケモンマスターズ
2023年11月に女主人公であるアユミと実装されたサポート。
2020年1月にリーフ(『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン』の女主人公)&イーブイが実装されており、初代リメイク作品の女主人公同士でバディーズが揃ったことには驚きの声もあった。
技は「スピードスター」「まもる」「でんこうせっか」。トレーナー技の「みんなで ゴー!」は味方全員のHPを最大HPの約10%回復し、味方全員の急所率を3段階あげることができる。
パッシブスキル「速攻技後T技回数回復9」の効果もあり、「みんなで ゴー!」と「でんこうせっか」を交互に複数回使える。
バディーズわざは「だいすきな相棒と歩む ブイブイブレイク」。
大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL(外部出演)
稼働から間もない2018年12月にスピリッツとして収録された。
当初は『Let's Go! イーブイ』のセーブデータがある本体への配布、後にイベントバトルへの勝利でも入手できるようになった。
ランクはACEで、効果は「食べるといろいろ強化DX」。
余談
ライバルとイーブイ
「ピカチュウの対がイーブイ」という発想の片鱗は旧『ピカチュウ』の頃から見えており、同作ではパートナーポケモンがピカチュウで固定される主人公に対して、ライバル(グリーン)はイーブイをパートナーとしていた。
アニメ版もこれを意識してか、サトシのライバルであるシゲルがオレンジ諸島編ラストでイーブイをゲットしている。この個体は後にブラッキーに進化した。
なお、初代ライバルは戦績によってシャワーズ・サンダース・ブースターのいずれかに進化させていたが、『Let's Go! ピカチュウ』のライバル(シン)はイーブイをパートナーとする所までは踏襲するものの、確定でサンダースに進化させる。