※『ジョジョの奇妙な冒険』第6部「ストーンオーシャン」最終話までの内容を含みますのでご注意ください。
概要
『ジョジョの奇妙な冒険』第6部「ストーンオーシャン」のラスボス:エンリコ・プッチが手に入れた時を加速させるスタンド「メイド・イン・ヘブン」により発生する事象のこと。
ただ誤解や誤記も多いため注意しておくが、エンポリオ・アルニーニョに阻止されているため宇宙は一巡はしていない。また、第7部以降の世界を第6部最終話の世界と同じ世界線だと仮定しても「一巡後」という表記は誤りである。
顛末
エンリコ・プッチが求めたのは、すべての生物が自分の運命をあらかじめ魂に記憶し知っておき「覚悟」ができる世界。そのために「メイド・イン・ヘブン」の能力「時の加速」で一度宇宙に終焉を迎えさせ、新たな宇宙を作ろうとした(世界が一周するため、その中で全生物は運命を記憶する)。『一巡』こそ、彼とDIOが求めた「天国」の完成なのである。
『ジョジョの奇妙な冒険』は人間讃歌の物語。人間の素晴らしさは勇気の素晴らしさであり、例え変えることができない不条理な運命が待ち受けていようとも、強い覚悟のもとそれに真っ向から挑むのが眠れる奴隷なのである。
エンリコ・プッチが求めたその天国は、運命があらかじめ記憶されてしまっている世界であり、ジョジョ世界の運命論を完全に否定してしまうもの。主人公たちは加速に抗い、1人の少年に希望を託した。
エンリコ・プッチは、宇宙が一巡する直前で加速を中断した。一巡してしまえばエンポリオがプッチから逃げ切る運命も決定されてしまうからである。故、まだ運命を変えることができる直前で加速を止め、エンポリオを始末しようとしたのだ。
だが、「希望」と黄金のように輝く気高い精神を託され受け継いだエンポリオの策に嵌り、プッチは一巡を完遂することなく死亡した(決着についてはこちらも参照)。
能力の使用者が死亡し暴走した「メイド・イン・ヘブン」は、その後もう一度時を加速させた。
次にエンポリオが気がついた時、エンポリオはどこかのバス停に1人佇んでいた…。
補足・備考
第6部ラストの世界
エンリコ・プッチとエンポリオ・アルニーニョの最終決戦の決着後にエンポリオが降り立った「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド」。この世界の立ち位置は『一巡』が失敗したことにより生まれた第6部以前のパラレルワールドである。
ただし、プッチは「時の加速の中で死んだものは魂ごと振り落とされる」という趣旨の発言をしているため、その世界に登場したアイリンらが空条徐倫達と同じ魂を持つかは定かでない。
なお、完全に宇宙が一巡する前にプッチは時の加速を中断しているため、この世界に住まう生物たちは自らの運命は知り得ない。
第6部以前の生存者たちの行末
1. 宇宙ごと消滅した
第6部最終回の世界がパラレルワールドとなっているのならば、一巡寸前の世界にたどり着くことができた者たちは、プッチ死亡に伴いその世界ごと消滅したとする説。この場合まだ生きていたキャラクター達全てがエンポリオ以外死亡してしまったという最も絶望的な観測。
2. そのままパラレルワールドで生きている
第6部最終回の世界にエンポリオ同様降りたてたと仮定。なお、そのパターンであった場合かつ第7部以降の世界が2. であった場合、第7部以降との整合性が取れなくなる(後述)。
3. 元来の世界に戻った
加速によりめちゃくちゃになったが、その後世界が元に戻ったとするパターン。最も希望的な観測。ただしその場合、エンポリオが降り立ったアイリン達がいる世界とは別物であることは確定。
第7部以降の世界との関係性
1. 無関係
「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド」は第7部以降と同様の世界線にはないとする説。
2. 地続き
第6部ラストの世界がそのまま第7部以降に使用されているとする説。作者の発言などからこの説が有力視されているが、特別明言されたわけでもない。
ただし、上記の生存者たちの行末のうち2. であった場合、ジョースター家の没落など第6部以前の世界との致命的な相違が見られる他、杜王町等でいくつかの矛盾が発生してしまう(D4Cの対消滅の法則を取るならば、東方仗助は東方定助と対消滅を起こす可能性すらある)。