「やると決めたからには素人が相手でも手加減はしない。プロとアマの間にどれくらい差があるのか思い知らせてやる」
声優 | 中田和宏→遠藤大智 ※1 |
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搭乗車種 | ホンダ・シビックタイプR(EK9後期) ※2 |
ボディカラー | サンライトイエロー |
主な外装パーツ | SPOON製カーボンレーシングミラー・ホイール・カーボンボンネット(ルーフスポイラーのみホンダ純正) |
ナンバー | 栃木57 き 10-547 |
※1.余談を参照
※2.東堂商会のデモカー
概要
東堂塾のOBで現在はプロレーサー。仲間からは「トモ」「トモさん」と呼ばれる。その実力は同期の須藤京一からも「別格」と恐れられており、2年ぶりに走る塩那で、藤原拓海が2日前に記録したばかりのコースレコードを、二宮大輝のEK9シビックタイプRを借りて、たった1回のタイムアタックで塗り替えてしまうほどである。
加えて、その時に乗っただけで大輝のシビックにホイールアライメントの微妙なずれがある事を指摘し、足回りについてアドバイスもするなど、プロドライバーに必要な「速いクルマを自分で作っていく(セッティング)」能力も持っている理論派。
慢性鼻炎なのか、定期的に鼻を「ず」とすすっている。
劇中の活躍
以下ネタバレ注意
プロの世界の厳しい現実や壁にぶつかり苦悩の日々を過ごしていた中、かつての師匠である東堂に「素人相手の公道レースにこそ、探している答えがある」と促され、二宮大輝と酒井の仇を討つ形でプロジェクトDへのリベンジの依頼を承諾する。
使用したシビックは自身のものではなく東堂塾のデモカー。負けられないという意思を込めてレーシングスーツを纏って勝負に臨んだ。
舞台となった八方ヶ原は4連スネークヘアピンを境に下りと上りが入れ替わる複合コースで、それを途中で折り返し往復するレイアウトであったが、プロジェクトDの高橋涼介は啓介と拓海のどちらが起用するか直前まで決めきれていなかった。東堂塾側は上り区間もあるためFDが出てくると踏み、舘のシビックもその想定でセッティングを施していたが、それとは裏腹に涼介はハチロクを起用。
ドラテクではどちらもプロに敵わないことは承知した上で、サーキット由来の正統派なテクニックで走る啓介ではなく、ストリートスペシャリストである拓海の感性に賭けての判断だった。
スタート後は拓海を先行させて観察するが、戦闘力をすぐ見きった舘は苛立ち半分に仕掛ける。前走車の視覚から見えなくなる「消えるライン(ミラーの死角をつき、最短距離をカットしながら相手のラインへ進入していく技術)」を駆使して拓海を差し切った。
そのまま余裕で逃げ切るつもりだったが、ストレートの速いFD対策として高速区間にギア比を合わせたセッティングが裏目に出て、上りの低速区間でギア比が合わず拓海に張り付かれてしまう。
折り返しを経た下り区間、拓海は一時的にヘッドライトを消して相手を攪乱する「ブラインドアタック」を閃き奇襲し、オーバーテイクに成功。しかし舘も軽くぶつけてバランスを崩させて抜き返し、実戦テクニックを駆使した接戦を繰り広げる。
追い込まれた拓海は先のブラインドアタックを発展させ、ヘッドライトを消し前車のヘッドライトの照らす風景を頼りに走り回るという狂気とも思える手法を編み出す。流石の舘も動揺を隠せずに拓海の飛び込みを警戒したラインで走り、拓海を引き離せなくなってしまう。
ブラインドアタックで走り続ける拓海のラインを塞ぎながら走り続ける舘だったが、ゴール直前で道路に飛び出してきたイタチらしき動物を反射的に避け、ブロックしていたラインを空けてしまったところで拓海に並ばれ、鼻の差で抜かれて敗北した。ヘッドライトを消していた拓海には動物が全く見えておらず、舘にとっては前にいたこと、前が見えていたことが敗因になるという皮肉な結果に終わった。また先のようにFD対策のセッティングも拓海勝利の一助となっている。
当初はプロジェクトDとの勝負に乗り気ではなく、「恩義のある社長の頼みで受けた」「あんた(社長)耄碌したよ」と思っていたが、勝負の後には動物の飛び出しという不運にも「ツキも実力のうち」「勝利の女神って奴がどこかにいるとしたら…そいつを感動させるだけの何かが今日のおまえ(拓海)にあったってことだろう」と素直に負けを認めた。
更に東堂には「立ち戻るべき原点が必要だった」「今は清々しい気分ですよ」と、今回の勝負をセッティングしてくれたことに感謝し、帰っていった。
プロジェクトDの最終戦では大輝、酒井とともにギャラリーとして再登場した。
余談
- 舘智幸を演じていた中田和宏氏は、アニメ版登場に先駆けて2003年発売のPS2用ソフト『頭文字D Special Stage』でキャスティングされ、約1年後に放送されたアニメ版『頭文字D Fourth Stage』でも引き継がれた。なお、中田は舘以前にドラマCD『ドリキン青春グラフティー』にて土屋圭市の回想に登場する彼の先輩を演じていた。
- その中田だが、理由は公表されてないが2010年前後から声優活動を縮小し他作品で声優交代が相次いでいたが、本作も例外ではなく『頭文字D Final Stage』で遠藤大智が演じている。アーケードゲーム『頭文字D ARCADE STAGE』シリーズでは家庭用EXTREME STAGEとARCADE STAGE 5は新録だったが、6・7作目では5作目の音声をそのまま使用し、8作目でTVアニメ版と同じく遠藤と交代となった。
- モデルはジムカーナやレースで活躍している山野哲也。プロジェクトDとのバトルで舘が着ているレーシングスーツは、1998年にチームクニミツとしてスーパー耐久に参戦していた山野が着ていたレーシングスーツに酷似しており(参照1、参照2)、書籍「頭文字D THE MESSAGE」では山野自身もそのことを指摘している。山野はホンダ使いとしても有名であり、先のS耐の他、全日本ジムカーナ選手権でもシビックを含む多数のホンダ車を駆り、好成績を収めている。
- モデルについては他にも佐藤琢磨(東堂塾のモデルとされる中谷塾出身であるプロレーサー、ホンダに関わりが深い、若い頃の顔立ちが似ている等)や舘ひろし等もモデルの一部ではないかという声も存在する。
- ゲーム『頭文字D ARCADE STAGE』シリーズでのレーシングスーツは山野選手のものに準拠した赤色、PS3版の「頭文字D EXTRME STAGE」ではレーシングスーツ全体のデザインが若干と各ワッペンが架空のものに変更されている。TVアニメ版ではゲームPS3版と同等の変更に加え、スーツの色が緑色に変更されている。
- しばしば館智幸と誤植されることがある。
関連タグ
須藤京一:東堂塾時代の同期。