概要
遡行など逆に進むことを意味する言葉。文字通り何らかの進行方向と逆の方向に進むことを意味する。
フィクションにおいては「物体や精神・事象が過去の状態に戻る」現象を扱う時にこの名称を使う。この場合は以下の2つのタイプに大別される。
空間回帰型
直線的な時間軸=順行時間の中で、時間の流れが逆転する現象を主題に据えた作品に登場する。
そのような作品では、墓から蘇り赤子に戻る人間、徐々に新しくなる遺跡、弾痕から拳銃に戻ってくる銃弾など順行時間から見ると非常に奇妙な現象が発生する。
身近な発想で表現すると、木から落下した林檎が再び舞い上がるなどの光景であろうか。
タイムトラベルとの大きな違いは、自身の瞬間的な移動ではなく自分の周囲の物体や生物、他者だけ時間が巻き戻っていく状態となること。
また同じ逆行でも、自分が逆行者であり周囲全体の時間が反対に動く状態になればマクロの逆行、全体の時間が正常な状態で特定の物体だけが時間に逆らう状態であればミクロの逆行と2種類に分けられる。
対象となる作品一覧
- タイム・マシン(H・G・ウェルズ)・・・未来から現代に帰還する際の描写で逆行している
- 永遠の王・・・時間を逆向きに生きるマーリンが登場
- 若くならない男・・・世界の時間全てが逆転した世界を描く
- 逆まわりの世界 ・・・墓から蘇る元死体達が登場する
- テネット・・・順行時間と逆行時間が交錯する
- 時間衝突・・・複数の時間線同士が正面衝突する
- ティアーズオブザキングダム・・・物体の時間を巻き戻すアイテムが登場する
タイムリープ型
とある理由から「過去をやり直したい」「今の状況を変えたい」と願ったキャラクターが、そのときまでの記憶や、当時身につけていた能力を保持したまま過去にトリップするパターン。早い話が強くてニューゲームのようなもの。
その場合トリップするのは精神のみで、過去の自分の身体に乗り移って一時的に乗っ取る・あるいはそのまま成り代わることが大半である。
なお、赤ん坊の自分に乗り移った場合、「見た目は子供、頭脳は大人」のキャッチフレーズをリアルに体現することとなり、授乳やおむつの交換など、大人の精神構造を持っている以上なかなか耐え難い羞恥プレイ、もとい苦行を経験することになる。
また、上記のような過去の後悔がなくとも、「神様の気紛れ」あるいは何が原因かも分からないまま「気がついたら過去に戻っていた」というパターンもある。
過去に立ち戻った際、その時の環境が記憶にあるものと違っているという場合も多々ある。(例えば記憶の中ではA高校に通っていた登場人物Bが、何故か今回はC高校に通っていたというパターンなど)
題材上、小説や漫画に付くことが多いタグだが、イラストにも十数件登録されている。
しかし、そのイラストはどう見ても「逆光」を描いたイラストである。恐らく漢字変換のミスであろう……
対象となる作品一覧
- NARUTO
- 忍たま乱太郎
- 家庭教師ヒットマンREBORN!
- 新世紀エヴァンゲリオン(RE-TAKE)
- 鬼滅の刃 無限列車編(夢を用いた疑似的な逆行)
- 遊戯王 記憶編(再現空間を用いた疑似的な逆行)
稀に対象となる作品
類似ジャンル:逆行転生
過去の自分の体を使わず、別の存在として過去の時代に生まれ直し、過去を変えるパターンの作品もあるが、これは使うタグが変わる。→逆行転生
この場合、若い頃の親世代やそれ以前の世代のキャラクター、ひいては転生前の自分と肩を並べることも少なくない。
また、旧世代のネームドキャラクターに憑依転生して成り代わるパターンもある。
関連タグ
ループもの:何度も逆行しては同じスタート時点に戻ってくることを繰り返す場合
死に戻り:システム上ループ状態になり得る
不思議な薬や魔法の力などでそこに居る対象の肉体年齢を逆戻り(場合によっては記憶も同様のラインまで逆戻り)させるのはこちら。
肉体の状態と居場所はそのまま精神年齢だけ逆戻り(場合によっては記憶も同様のラインまで逆戻り)するのはこちら。