これから死を迎えるだろう私は、
自分の人生というものが何だったのか、
評価しなければならない。
これは─────────私の遺書である
概要
アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』を原作とした、サークル「スタジオKIMIGABUSHI」のきみまるによる同人誌作品。性描写が含まれているR-18作品だが、現在加筆が加わった全年齢版も通販サイトなどで販売されている。
劇場版の最終話「まごころを君に」の惨禍、誰もが救われない終わり方をしたとも言える最期から、主人公の碇シンジが時を逆行し記憶を持ったまま運命をやり直そうとする物語となっている。またシンジ✕アスカ(惣流・アスカ・ラングレー)のLAS派のストーリーである。
またストーリーや設定は漫画版(貞本エヴァ)より引き継がれているが、一部原作の設定も引き継がれている(相違点はおそらく制作当時に漫画版が未完結だった為と思われる)。
ファンの多くが見たかったエヴァ劇場版のIF展開が描かれており、同人誌という域を越えたクオリティのストーリー性を有し、更に「あらゆるエヴァ二次創作へのアンサー」というべき展開も描かれている為、この同人誌を「エヴァ同人史上最高傑作」と評する者も多い。
2003年12月30日~2007年12月31日までの期間で連載されており、「RE-TAKE(無印)、0、1.5、2、3、4」と4のその後を描いた「~After~」を以て完結となる。全年齢版は全3巻となっている。
そして10年後の2017年には、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の要素を含んだ新たな物語「改」が公開されており、こちらも「改(無印)、2」までが販売されている(こちらはすべて18禁同人誌で、全年齢版はない)。
あらすじ
Air / まごころを君に
全ての使徒が殲滅されたことを機に人類補完計画を発動しようとするゼーレは、戦略自衛隊を使ったNERV本部の武力占拠を開始する。廃人状態のアスカは戦自から逃れる為、EVA弐号機のコクピットに移された。彼女は死の恐怖に震えるが、弐号機の核に母の魂が取り込まれていることに気付き、復活を遂げる。
弐号機は戦自部隊を壊滅させたものの、ゼーレが送り込んだEVA量産機9体の襲撃を受ける。一度は全ての量産機を倒すも、再生・復活を遂げた量産機が投擲したロンギヌスの槍で頭部を串刺しにされ、活動限界を迎えて身動きが取れなくなった弐号機に量産機が群がり、鳥葬のように機体を食らいつくす。そして更に投擲された8本の槍によって完全に沈黙した。
精神的に追い詰められ、生きようとする意志を失っていた碇シンジは、この時エヴァに乗れない状態にあり、アスカの救出を諦めていた。
90分後、サード・インパクトを中断し元の世界に戻ったシンジは、L.C.L.の海に面した白い砂浜で、一切の反応を示さないまま共に横たわっていたアスカの首を絞める。補完された世界で最後までシンジを拒絶したアスカだったが、首を絞める最中にアスカから頬を撫でられ、シンジはアスカの真意に気づき、首を絞めるのを止めて嗚咽する。アスカは一言「気持ち悪い」と言い放ち、シンジは絶叫するのだった。
RE-TAKE
シンジは病院のベットで目を覚ます。そして第12使徒レリエルのディラックの海に初号機に乗ったまま取り込まれ、3日間眠っていたことを聞かされたシンジは、今まで見ていた光景は全て夢だったと思い込んだ。
しかし徐々に夢が現実になってゆくことに気づいたシンジは、自らの行動で運命を変えようと試みる。そしてアスカへの好意を自覚したシンジと、それを知ったアスカは互いに愛し合うことを誓い、肉体関係に至る。
破滅的な未来の回避とアスカとの恋愛、全てが順風満帆に進むかに思われたが、未来を変えた代償のようにある人物が衝撃的な死を遂げる。更に追い打ちをかけるかの如く、シンジの前に旧劇場版の傷ついたアスカが幻覚として現れ……?
登場人物
関連動画
プロモーションビデオ (PV)「TAKE」
- (EVA)[STUDIO KIMIGABUCHI] RE-TAKE完結記念PV「TAKE」
完結記念として、2007年5月9日にニコニコ動画にて公開された。