曖昧さ回避
- ゲーム『ファイナルファンタジー8』(FF8)に登場する悪役。本項にて解説
- ソーシャルゲーム『魔法使いと黒猫のウィズ』の登場人物。→アルティミシア(黒ウィズ)
FF8
『魔女』と呼ばれる存在の1名であり、主人公のスコール達の時代よりはるか未来に存在する。
「ジャンクション・マシーン・エルオーネ(以下J・M・E)」という機械を用いて過去の世界へ自身の意識を飛ばす。そしてJ・M・Eの原理の元となったエルオーネの力を利用して更なる過去へと遡ろうとスコールたちの時代に干渉し、『時間圧縮』を用いて過去・現在・未来を繋ぐ膨大な時間を圧縮し、自分だけがその中で唯一の存在になろうとした。
その能力と目的ゆえか、ラストバトルの際の彼女は、時の流れの儚さや残酷さを嘆くような感傷的な台詞を口にしている。逆にラストバトル前はSeeDに対する怒りで激昂しており攻撃的な口調となっている。
本編では当初魔女イデアに憑依してエルオーネの情報を引き出そうとする。しかしイデアは自分の意識からエルオーネの情報を引き出されないように自らの身体を空の器として明け渡す事で、アルティミシアの思惑を防いでいた。イデアからエルオーネの情報を引き出せなかったアルティミシアはガルバディアを掌握してその巨大な軍事力を使い、世界中を対象にエルオーネ探しを行う。それは奇しくも、かつて魔女大戦を引き起こした「魔女アデル」の行動をなぞる行為であり、世界に恐怖と混乱をもたらした。イデアが倒されると、魔女の力をイデアから受け継いだリノアに憑依し、封印された魔女アデルの復活を目論んだ。
また一方で、自身の行動をことごとく阻もうとするSeeDに対して嫌悪・憎悪を向けており、一度スコール達を捕えた際に「SeeDは何故魔女の邪魔をするのか」、その真の目的を知ろうとしていた。スコールに対し「伝説のSeeDとはお前の事だったのか」と意味深な台詞を投げかけており、スコールの本編EDに至るまでの活躍が伝承レベルでアルティミシアの時代にも語り継がれている事を匂わせていた。
ラスボスとしては驚異の4形態に及ぶ連戦が繰り広げられる。3回戦目で非常に派手な倒れ方をしてこれで大団円だと思ったプレイヤーを驚愕させた。ちなみに画像が最終形態である。一見すると上半身が本体のように思えるが、下側には逆さまになったアルティミシアの姿がある。
バトル開始時には、戦闘メンバーをアルティミシアから強制的に選ばれてしまうため、メインで使っているパーティー以外には碌にジャンクションもさせていなかったプレイヤーは、泣きを見る場合もあった。しかも倒れたメンバーは時空の彼方へと消し飛ばされるため二度と復活ができない。
スコールたちに敗れた後は、瀕死のまま過去の時代のイデアと接触。子供たちを魔女にはできないとイデアがアルティミシアの力を受け取り、こうして未来に生きた魔女は過去の時代に消滅した。
DFFシリーズにおける活躍
CV:田中敦子
ディシディアとその続編では、カオス陣の一人として参戦する。
原作では相手を威圧するような口調だったが、こちらでは一部を除き丁寧な口調となっている。
主に皇帝と行動を共にしており、その目的も原作と同様に全ての時間が圧縮された世界を手に入れる事である。
何気にカオス陣営の中では割と積極的にコスモス陣営のキャラ達にちょっかいをかけており、皇帝と共にフリオニールを襲う、コスモスに化けてスコールを単独で行動させるよう誘導をかけるなど、抜け目のない暗躍をこなしている。
最終決戦ではスコールと対決するも敗北、最期は彼に一瞬で無慈悲に斬り捨てられて消滅した。
コスモス陣のジタンからは「レディ」と呼ばれるが、クジャ、ティファからは「おばさん」呼ばわりされている(彼女はクジャに対して「戦いにも礼儀がある」と注意している)。
年齢を気にしており、ケフカやバッツに「時間使って若返るのか?」、ヴァンに「あんたって何歳?」と問いかけられた際に機嫌が悪くなる程。
同作品に参戦している暗闇の雲とは犬猿の仲で、互いに嫌味を言い合っている。
戦闘における性能は、遠距離攻撃に完全特化した『マジックシューター』。
技のほとんどはボタン連打か溜め撃ちのどちらかによって性能が大きく変化していく。
近距離向けの攻撃はほとんど使えず、移動速度も遅めで、狭いステージとの相性が悪いなどカオス陣営のキャラの例に漏れず上級者向けの性能だが、技を発動させながら移動できるという特徴を活かす事で敵の接近を一切許さないシューティングゲームさながらの戦法も可能となる。
また、ブレイブ技の全てに「騎士の○○」という名称が用いられているのも特徴。
リノア=アルティミシア説
FF8は多くの謎を残したまま終了している為、ファンがその後の展開やストーリーの謎を考えることが多い。その中でも特に有名で多くの議論が交されているのがリノア=アルティミシア説である。
公式ではなく、あくまで一つの想像にすぎないのでその点に注意。
説の根拠や議論などについては、こちらのリンクを参照されたし。→https://wikiwiki.jp/ffex/%E3%80%90%E9%AD%94%E5%A5%B3%E8%80%83%E5%AF%9F%E3%80%91#g0eb26ae
……リノア=アルティミシア説専用のサイトも存在し、YouTubeなどでも肯定を前提とした考察動画も散見される。
しかし、肯定の根拠となる部分は別の解釈も十分に可能なものが多く、それぞれにFF8を独自に解釈しているファンがいるため、この説はいまだに決着がついていない。
公式が発表してしまえばあっさり解決するのかもしれないが、謎のままでストーリーを楽しんでおくほうが良いのかもしれない。
制作者側の声を記しておくと、
2020年、本作のディレクターを務めた北瀬佳範氏がインタビューにてこの説を否定した。その後別の動画で、「シナリオの最終稿に記載はなかった」という北瀬氏自身の認識は変えず、シナリオを回していた他のスタッフ(野島氏、野村氏)がそういうニュアンスを含んだかもしれない、余地を残しておきたいという意図で、先のインタビューでの答えを撤回してる(ただし、北瀬氏自身の認識は変わっていないというのは留意すべきだろう)。
参照動画:
41:10辺り
また、メインライターの野島氏はインタビューにおいてリノアル説について質問された際「ファンの想像で繋がったシナリオは、自分のよりも出来が良いと思う事がある」という趣旨の答えを残しており、あくまでファンメイドのシナリオとして認識している事が窺える。
野島氏のインタビュー:https://www.finaland.com/?rub=site&page=news&id=6355
このように、ファンの考察や二次創作の範囲に留めるなら優れた解釈と言う事が出来るが、公式からの扱いは微妙なところである。従って、「これが公式の解釈」として流布することは控えるべきである。
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