プロフィール
「モンスターと同じだあ? 俺は魔女イデアの騎士だ。群れて襲いかかるモンスター。そりゃ、おまえたちだ。」
※KH2に登場時のCV。ちなみにオペラオムニアでも中の人は一緒である。
KH2では黒い色のニット帽を被っており、臍部の開いた服装を着ている。
概要
傭兵養成学校『バラムガーデン』に所属するSeeD候補生の青年。
主人公であるスコール・レオンハートとは実質的なライバル関係にあり、物語でも彼とスコールはオープニングから刃を交えることとなる。
スコールと双璧を成す実力者でありながら、学校一の問題児として知られる。
ある事件を機にスコールたちと敵対することになる。
シンボルマークは『十字剣』。
人物像
スコールと並ぶ天才的な資質がありながら、それ以上に我の強さが前面に出てしまう奔放で直情径行な性格のために、学園始まって以来の問題児として教師たちの頭痛の種になっている。スコールたちとは歳が一つ上であり、とっくにSeeDとして活躍していてもいい実力もあるのだが、先述した性格が災いして独断行動や不必要な戦闘を度々起こすため、毎回試験では落第点となっている。
なぜか風紀委員の委員長をやっているが、実体は学園の番長といったもの。自分に刃向かう者は『骨のあるやつリスト』という謎の名簿に記録している。その他、校則違反と称して一般生徒の私物を巻き上げたりもしているようである。
舎弟に風神と雷神がおり、二人から下心なしに慕われているところをみると、人の上に立つ素養は充分にあるといえる。
リノアからはかつて想いを寄せられており、出会いについて詳しいことは判明していないが、開発スタッフ曰く「ティンバーあたりでブイブイいわせていた頃に知り合った」ということらしい。
ゼルを『チキン野郎』、セルフィを『伝令の女』といったように、あまり興味のない第三者は名前を呼ばず、勝手に付けたニックネームで呼ぶクセがある。
物語では、序盤のSeeD資格試験でスコールとゼルとチームを組むが、やはり試験中にスコールたちを独断行動に巻き込んでトラブルを起こす。結果、反省用の独房で謹慎処分となるも、ガルバディアでのリノアの危機を聞いて独房を抜け出す。その先で魔女イデアに誘惑され、彼女の騎士となってスコールたちと敵対することとなる。
これにより徐々に孤立していき、終盤では、それでもついてきた風神と雷神も彼を諫めてという形で離反されてしまった。ただし、彼らは「大切な仲間だからこそ悪いことするなら止めないといけない」と、サイファーを思っての事であり、サイファー自身もそのことは理解し、「今までありがとよ!」と、袂を別ちながらも感謝の言葉を述べていた。
武器
スコールと同じくガンブレードを武器に戦う。
彼の使うものは『ハイペリオン』というオート拳銃型で、構えはフェンシングのように片手で地面と平行に構える独特なもの。
ちなみにその変わった構えは、ある人物が映画で戦闘時にやっていたポーズで、サイファーはそれを真似ている。
SeeD資格試験のみプレイヤー操作が可能で、スコールと同じ感覚で扱える。
瀕死時に発動できる特殊技は始末剣『雑魚散らし』で、火炎魔法で敵を吹き飛ばし、とどめに大きく一閃を見舞う剣と魔法の複合技による全体攻撃。サイファーはボス戦には一度もパーティーに加わらないため雑魚敵にしか使用できない、名で体を表している技である。
ちなみに始末剣には「鬼斬り」「血祭り」という上位技が存在する(敵として出現したときに使用)。
「鬼斬り」はガルバディアガーデンでのイデアの前哨戦から使用。ファイアで相手を怯ませたのち、猛スピードで体を回転させながら相手を滅多斬りにしてくる単体攻撃で、なかなかの威力を誇る。
「血祭り」はルナティックパンドラでの最後の戦いで使用。ファイアで全員を怯ませたのち、上空から十字に剣を振り抜くと、地面が十字に裂けて敵がその中に落下していくという何ともスケールの大きい全体攻撃。しかしその時点でパーティーのレベルが上がりすぎていると、この技を使用してくる前に決着が付いてしまい、一度も見ることなくエンディングを迎えてしまうプレイヤーも少なくない。
斬鉄剣返し
最終決戦時に召喚獣オーディンを所持している場合、イベントが発生する。
オーディンが戦闘に乱入し、サイファーに斬鉄剣で斬り付けるも、サイファーは「斬鉄剣返し」という技を披露し、オーディンを真っ二つにしてしまうのだ。
今まで強力な召喚獣として活躍してきたオーディンの無残な最期に、驚愕したプレイヤーの数はかなり多いものと思われる。
……ところが、サイファーに一定ダメージを与えるか、時間が経過すると、異次元からギルガメッシュが現われ、サイファーを一撃で吹き飛ばして戦闘が終了してしまうのである(そしてこれ以降オーディンが使用不可になり、ギルガメッシュが召喚獣に加わる)。
この吹き飛ばされる際の「ぎにゃあああああ!!」という情けない叫び声と、ストーリーに全く関係のない、しかも他作品からの乱入キャラによって倒されるという末路により、オーディン敗北の衝撃も吹き飛び、呆然となったプレイヤーの数も相当数にのぼった。余談ではあるが、この断末魔は悲しい事にキングダムハーツ2のタイマンバトルでも採用されている。
またこのときのサイファーは、貴重な補助魔法「オーラ」(味方が瀕死にならずとも特殊技を出せるようになる)を持っているため、がっつり鍛え上げられたパーティーに散々オーラをドローされるづけた挙句、特殊技でボコられたのちにギルガメッシュに吹っ飛ばされるという、目も当てられない仕打ちを受けることに……。
余談だが、ギルガメッシュの中の人は、ディシディア以降雷神の中の人と同じになっている(FF15ではひとつ前のシリーズの派生に登場する人物の中の人になっていたが)。
結末
魔女の騎士としてアルティミシアに仕え、ガルバディア軍やルナティックパンドラの指揮官にまでなったサイファーだったが、スコールや風神などかつての仲間たちから見放される道のりでもあった。
最終的にはルナティックパンドラの戦いでスコールたちの前に膝を突くが、それでも止まりたくないとリノアを拉致。アデルの前に無理やり連れて行き融合させてしまう。
これを最後にストーリーから退場して消息不明となるが、エンディングでは雷神、風神と一緒に釣りをするなど放浪の旅に出ていることが示唆される。
なお、サイファーの所業に関してかつて教師だったキスティスは「サイファーはママ先生だから仕えていたわけじゃない。魔女なら誰でも良かったのね」と述べている。
劇中では語られないが、実はラグナ・レウァールが演じた『魔女の騎士』に憧れていた。サイファーの暴走の根底にはそんな思いがあったのだ。