概要
任天堂マリオシリーズのキャラクター・ワリオが「ワリオカンパニー」という会社を設立し、仲間たちと一緒にゲームを作っていくという設定のゲームシリーズ。シリーズごとに「ボタン操作」「タッチ操作」など、操作方法が異なる。
このゲームの特徴は、プチゲームという極めて短時間で終了する簡単な操作のミニゲームを、連続して行っていくという点である。
プチゲームは種類によって異なるが基本的には約8拍子(広告では5秒と表記され、実際は約4秒)の内容で、そして終了するたびにプチゲームの内容指示を含めた合いの手を挟みながら次々と新しいゲームが出されていく。「瞬間アクション」というジャンル名はこのことに由来する。
プチゲームは豊富な種類が存在し、クリアするたびに異なる内容のものが登場する。
特徴的なのは各ゲームで何をするかが一切説明されないこと。各プチゲームの内容指示も極めて短いセンテンスのみで指示される(「いれろ」「とめて」など。基本的に主語はない)。また、各プチゲームでのコントローラーの操作方法も原則説明されない。説明書でさえ十字キーは「何かを動かす」、Aボタンは「押せばわかる」と説明を放棄する始末である。
プレイヤーは初見のプチゲームに出会うと、まずそのゲームのメカニズムを理解する必要があり(それも数秒以内に!)、その行為自体がゲーム性の要になっている。
メカニズムを理解できればあとは楽勝かというとそうでもなく、さらに一定量クリアするたびにゲームスピードが上昇していく。そのため時間に連れてプレイヤーの反射神経や判断力などが要求されるようになっていき、ミスの許される回数も制限が設けられているなど、単調なゲーム内容にならないよう工夫されている。
これらのことからシリーズのコンセプトは「最多 最短 最速」となっている。
各プチゲームのシンプルな操作内容やスピーディに進むゲーム内容などから、短時間で手軽に遊ぶ事ができる。その一方で、慣れてくるとゲームオーバーになるまでどれだけクリアし続けられるかという高得点を目指す遊び方も出来るようになる。
この独創的でありながらも手軽さとやり込み要素を併せ持つゲームシステムや、型破りなゲーム内容を盛り上げるユニークでギャグ色の強いキャラクター及びミニゲーム内容などのバカゲーとしての面から好評を得て、シリーズ化された。
ちなみに、任天堂の岩田社長もこのゲームのテスト版を初めて触った際に「くだらねえ……」と思わず口にしたとか(勿論これは褒め言葉である)。
なお、メイドインワリオの前身となったのは64DDの「サウンドボンバー」で、数は少ないものの元となったミニゲームがあったりする。
歌
初代においては任天堂のゲームボーイアドバンスタイトルでワリオランドアドバンスに続きワリオの登場作品がBGMに歌を収録している作品となった。
「はるなつあきふゆ」「こえのただようなみままで」の二種類だけだったが、これ以降必ずと言ってもいいほど歌が収録される事となった。
ゲーム一覧
タイトル | 発売年 | 対応機種 | 補足 |
---|---|---|---|
メイド イン ワリオ | 2003年 | GBA | 初代作品。シリーズ第一作目。 |
あつまれ!!メイド イン ワリオ | 2003年 | GC | 基本的に「初代」の移植作品だが、多人数モードが追加されている。 |
まわるメイド イン ワリオ | 2004年 | GBA | ゲームカートリッジに回転センサーが搭載されており、GBA本体を回転させて操作する。エイティーンボルト、ワリオマンが初登場。 |
さわるメイド イン ワリオ | 2004年 | DS | DSのタッチスクリーンを使った操作を行う。アシュリー、マイクが初登場。 |
おどるメイド イン ワリオ | 2006年 | Wii | Wiiリモコンを用いた操作を行う。ヤングクリケット、ペニーが初登場。 |
うつすメイド イン ワリオ | 2008年 | DSiウェア | DSi搭載のカメラを使ったプチゲーム。 |
メイドイン俺 | 2009年 | DS | 自分でオリジナルのプチゲームを制作できる。メイドインワリオシリーズで唯一タイトルに「ワリオ」の名前が入っていない。 |
あそぶメイドイン俺 | 2009年 | Wiiウェア | 『メイドイン俺』のプチゲームをWiiにダウンロードし、テレビ画面でプレイできる追加コンテンツ。 |
ゲーム&ワリオ | 2013年 | WiiU | WiiUゲームパッドの機能を生かしたゲームを収録。この作品のみ従来の「瞬間アクション」とは異なっている。ファイブワットが初めて姿を見せた。 |
メイド イン ワリオ ゴージャス | 2018年 | 3DS | シリーズの集大成。登場キャラ全員フルボイスとなっている。ルールーが初登場。 |
おすそわけるメイド イン ワリオ | 2021年 | Switch | ミニキャラ達を操作して行うプチゲーム。同じゲームでもキャラ次第で要領が変わるものもある。 |
超おどるメイド イン ワリオ | 2023年 | Switch | その名の通り『おどる』と同じ感覚でJoy-Conを使って体全体を動かしてあそぶプチゲームを収録。 |
登場キャラクター
メインキャラ
- 声 - 近藤浩徳
担当ジャンル テハジメ/ナンデモアリ(初代/ゴージャス/おすそわける)、おためしかいてん/スピードかいてん/かいてんワリオ(まわる)、おためしタッチ/かんぺきタッチ(さわる)
担当ジャンルの「テハジメ」はその名の通りチュートリアルのようなゲーム、「ナンデモアリ」は様々な要素やテクニックがてんこ盛りのまさしくナンデモアリなゲーム。
また、自己主張が強く、彼の出すプチゲームに必ず自分を出演させている(『さわる』など例外あり)。
ジミー・サング(ジミー・T)
- 声 - 亀谷祐馬
担当ジャンル スポーツ(初代/俺/ゴージャス/おすそわける)、リミックス(初代)、だいかいてん(まわる)、こするタッチ(さわる)
代表的なジャンルは「スポーツ」。また、ほとんどの作品で彼または彼の家族が複数のキャラクターのゲームを混ぜた「リミックスステージ」の担当をしている。
- 声 - 青木瑠璃子
担当ジャンル ヘンナノ(初代/俺)、ちっちゃいかいてん(まわる)、みじかいタッチ(さわる)、せいかつ(ゴージャス/おすそわける)
いつも何かしらのアルバイトをしている(「おどる」だとチアリーディング、「まわる」だとピザ屋)が、作品ごとに職種が異なるため衣装が変化している。
代表的なジャンルは「ヘンナノ」「せいかつ」。日常を題材とした非常にシュールなゲームが集まっている。
- 声 - 小市眞琴
担当ジャンル ニンテンドー(初代/俺/ゴージャス/おすそわける)、ファミコンかいてん(まわる)、にんてんタッチ(さわる)
『まわる』以降は、後述のエイティーンボルトとコンビになり、「27ボルト」となった。
重度のニンテンドーマニアで、ジャンルはシリーズを通して「ニンテンドー」である。
『マリオ』や『ゼルダ』、ウルトラハンドなど新旧の任天堂作品を題材としている。
- 声 - 亀谷祐馬(ドリブル)、山口和也(スピッツ)
担当ジャンル SF(初代)、ポチッとかいてん(まわる)、ファンタジー(ゴージャス/おすそわける)
よく間違われるが、スピッツのほうが先輩である。
代表的なジャンルは「SF」「ファンタジー」。宇宙人やロケット、ヒーローや時代劇などを題材としている。
ダイヤモンド幼稚園に通う双子の姉妹。一人称はどちらもあたち(あたし)。(さ行がた行に発音。)紫の髪が姉のカットで、橙色の髪が妹のアナ。
二人の名前は英語で「Kat」と「Ana」と表記、二つをつなげると「Katana=カタナ(刀)」になる。
主に生き物が登場するプチゲームが多い。
- 声 - 松井謙典
担当ジャンル リアル(初代)、じゅうりょくかいてん(まわる)、かいてんタッチ(さわる)、スポーツ(ゴージャス)、テクノロジー(おすそわける)
いつもヘンテコなものを発明している。後述のペニーの祖父。
初代でのジャンルは「リアル」。文字通り、実写を使ったゲームが多い。
- 声 - 浜添伸也
担当ジャンル IQ(初代/俺)、なが〜いかいてん(まわる)、ファンタジー(ゴージャス)、カルチャー(おすそわける)
地球を侵略するためにやって来たが、何らかのトラブルに巻きこまれる事が多い。
初代のジャンル「IQ」は頭を使うプチゲームが多く、制限時間が通常より長い。
- 声 - 山口和也
担当ジャンル ふいうちかいてん(まわる)
シャイな一方目立ちたがり屋でもあり、『初代』では自分が登場するプチゲームを(他のキャラクターのステージに)こっそり入れている。
一部作品で制限時間が半分しかない「ふいうち」ゲームを担当し、他のキャラクターのステージに突如現れる形で登場する。
- 声 - 木村昴
担当ジャンル にんてんタッチ(さわる)、ニンテンドー(ゴージャス)、テハジメ(おすそわける)
小学生だが2メートルを超える巨体と老け顔から小学生に見られない事が多い。
『ゴージャス』ではひょんなことから、サーティーンアンプとラップバトルをすることになる。
主なジャンルはナインボルトと同じ「ニンテンドー」。
- 声 - 青木瑠璃子
担当ジャンル ニンテンドー(ゴージャス)、リミックス(おすそわける)
真面目で穏やかな性格であり、ナインボルトとエイティーンボルト以上のゲームの腕前を持つ。
『ゲーム&ワリオ』の「ゲーマー」や『ゴージャス』の「こっそりゲーマー」では息子が夜更かししてゲームをしているところを監視にやって来る。
- 声 - 福原綾香(アシュリー)、武藤真子(レッド)
担当ジャンル つまんでタッチ(さわる)、タベモノ/たべもの(俺/おすそわける(アシュリー))、ファンタジー(ゴージャス)ごちゃまぜ(おすそわける(レッド))
以外にも大食いであり、『俺』や『おすそわける』では食べ物をテーマにしたプチゲームが登場する。
- 声 - 鈴木崚汰
担当ジャンル ふ~ふ~マイク(さわる)、リミックス(おすそわける)
DS等の下にある「マイク」に息を吹きかけるゲームが大半。
- 声 - 鈴木崚汰(クリケット)、浜添伸也(マンティス)
担当ジャンル スポーツ(ゴージャス)、テハジメ(おすそわける(クリケット))、げきむず(おすそわける(マンティス))
クリケットはマンティスの弟子だが、日々修行に励む。が、師匠が戦うことを本人曰く見た事が無いらしい。勿論彼らの名前はコオロギ(英語でクリケット)とカマキリ(英語でマンティス)が由来だろう。
- 声 - 榎吉麻弥
担当ジャンル せいかつ(ゴージャス)、ペニーミックス(おすそわける)
ワリオの助手としても登場することもある。
『おすそわける』でのジャンル「ペニーミックス」ではペニーのみを操作してプチゲームをクリアしていく。
- 声 - 武藤真子
担当ジャンル スリリング(おすそわける)
ワリオとお宝のツボをめぐる争いとなって以降知り合いとなり、その際に出会ったクリケットに密かな恋心を抱いている。
サブキャラ
作中に存在する大ヒットゲームの主人公であり、ワリオがゲームを作るきっかけとなる。サブゲームでお馴染みのキャラであったが、最新作の『おすそわける』では…
- ケン
- ジョー
- モナーズ
- 宇宙うさぎ
- ナオ・コモリ
『ゴージャス』で初登場した女子高校生のラッパー。あることをきっかけにエイティーンボルトとラップ対決をする。対決後にエイティーンボルトが小学生という事実を知り、愕然としてした。
- クリナ
おなじみ任天堂を代表するキャラクターであり、ワリオ最大のライバル。本作では主にナインボルトステージのプチゲームに登場するなどチョイ役で出演している。プチゲームの一つであるワリオブラザーズではワリオのライバルとして登場したが、『まわる』ではワリオと仲良く和解するプチゲームもあった。マリオ程ではないがルイージも登場することもある。
ミニゲーム
プチゲームとは異なり、独立したミニゲームが存在しプチゲームだったものを延々とミスになるまで遊べるものも用意されている。
以下、一例。
- PyoRo : てくてく歩く鳥のピョロを操作して豆をベロでキャッチする。PyoRo2は目視不可能の高速弾を吐いて豆に当てる。シリーズを通して何かしら新作が入っているのが多い。
- ネコロイド : アームキャノンを装備したネコ(ニャムス)が転がりつつ迫ってくる変な敵を撃つアクションシューティングゲーム。ゴージャスでまさかの新作『ネコロイド2 ニャムスリターンズ』が収録。タイトル画面ではネコっぽいSFチックなパワードスーツを着込んだ人物が二足歩行メカに乗り込んでいる物々しいものになっているが、肝心の内容は・・・
- ハエたたき : 『マリオペイント』にあった『ハエたたきゲーム』を移植したもの。実は1周目はオリジナル版より難易度が低くなっている。
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