概要
ワリオランドアドバンスは、2001年に任天堂よりリリースされたゲームボーイアドバンス専用アクションゲーム。正式タイトルは「ワリオランドアドバンス -ヨーキのお宝-」。
ワリオランドシリーズ初のゲームボーイアドバンス作品であり、ゲームボーイアドバンスで初めてボーカル入りの曲を収録したソフトでもある。
ストーリー
ある日の朝ワリオは「ジャングルの奥地で謎のピラミッドが発見された」というニュースを新聞記事で目にする。
お宝のにおいを感じた彼は、さっそく自慢のワリオカーに飛び乗り目的地へと到着。お宝を求めて、ナゾに満ちたピラミッドの捜索に走り回るのであった。
ゲームシステム
基本システム
ワリオが主人公の横スクロールアクションゲーム。
前作までとは異なり不死身ではなくライフ制を採用しており、敵の攻撃を受けるとダメージを受けて体力が0になると攻略失敗となり、手に入れたコインや宝物を全て没収されてステージから追い出される。
ただし残機の概念は無いために死亡扱いにはならず、何度やられてもゲームオーバーにはならない。クリア済みのステージで既に入手したコインや宝物はロストしない。
トゲなどの攻撃手段のない敵に触れても多少はじかれるだけでダメージは受けない。ステージによってはトゲ付きの床やマグマの噴き出しなどの地形があるが、これらに落ちてもライフを1失うだけで即アウトにはならない。谷底への落下により即死する場所も無い。
また前作までと同様にワリオには「リアクション」の概念があり、敵の攻撃によっては状態や行動が変化する(リアクション攻撃でダメージは受けない)。
ステージ攻略
ステージに突入すると同時にスタート地点のゲートが閉じてポーズメニューのギブアップ以外では戻ることができなくなる(ギブアップすると攻略失敗扱いとなり、当然宝物は全没収)。ステージのどこかにある「カエルスイッチ」を押すことでスタート地点が再び開き、そこがゴール地点となる。
しかし押した瞬間に時限爆弾が作動し、ステージ崩壊のカウントダウンがスタート。画面上に表示される制限時間内にスタート地点まで引き返し、脱出しなければならない。なお多くのステージは行きと帰りが別ルートとなっており、単純に来た道を引き返すようなステージ構成とはなっていない。
時間切れになるとコインが飛ぶように失われてゆき、0枚になるとステージは爆破され、体力0同様にステージを追い出される。
ただゴールするだけでは次のステージへの扉は開かないが、ステージのどこかにいるカギのはしを捕まえてゴールすることで次のステージへ行けるようになる。一度カギのはしを見つけてゴールすればカギのはしは消え扉は開きっぱなしになるので、カギのはしを捕まえる事が各ステージのクリア条件とも言える。
ステージ構成
ピラミッド内は最初に訪れる最初の通路と4色の通路、中央の黄金のピラミッドの合計6つのエリアで構成されており、それぞれの通路は4つのステージ(最初の通路と最後の通路は1ステージのみ)からなる。各ステージごとに4つの宝石のかけらがあり、それをすべて回収するとボスのいる部屋への道が開く。
最初の通路のボスを倒すことで4色の通路への道が開け、4色の通路のボスをすべて倒すとピラミッドの中核への道が開き、中央の黄金のピラミッド内部に進むことができるようになる。最後の通路のボス「ヨーキ」を倒すとエンディングとなる。
難易度設定
ワリオランドシリーズでは初の難易度設定が可能。難易度は「ふつう」「むずかしい」が設定でき、「むずかしい」で全てのお宝を集めてクリアすることで最高難易度の「げきむず」が開放される。
敵の挙動やステージの大まかな構成は変わらないものの、それぞれの難易度によってカエルスイッチや4つの宝石、カギのはしの場所が変わるほか、難易度が上昇する毎にカエルスイッチやボス戦の制限時間が短くなる(ステージにもよるが、難易度「ふつう」を基準として「むずかしい」でも約半分、「げきむず」だと3割程度の制限時間となる)。
「げきむず」のみ極端に難しくなっており、通常ステージの初期ライフは1な上、制限時間はどれも短い。
さらにステージ中盤や、ステージが始まった瞬間にカエルスイッチを押してしまうステージも登場し、探索そのものに制限時間が設けられるステージも多くなる。
ボス戦
各通路の最後にはボスが控えており、このステージは制限時間内にボス敵のライフゲージを0にすればクリアとなる。当然ながらタイムアップ、またはワリオのライフが0なると敗北となる。
チュートリアルを除くボスステージ背景には3つの宝箱が配置されており、ボスを倒すことでこれらを入手できるが、残り時間1分を切ると20秒おきに宝箱が1つずつ消滅してしまう。ただし再戦時には消滅した宝箱も復活する。
難易度によってボス戦のクリア条件も厳しくなり、ボス敵のライフ量こそ変わらないものの、「むずかしい」以上ではワリオのライフは最大値の半分(4ライフ)であるほか、制限時間も難易度に応じて短くなる。特に「げきむず」の制限時間はかなりギリギリのものとなっており、うまくハメられないと宝箱を全て手に入れるどころか、時間内にボスを倒し切ることすら難しい。
ステージ
舞台となるピラミッドの中は、中心部を取り巻く5つの回廊に分かれている。ボス以外のステージは壁に飾られた絵画の中の世界であり、ピラミッドの内部とは思えない光景が広がっている。
さいしょのつうろ
最初に開いている紫色のエリア。実質的なプロローグ面で、クリアすると以下4つのつうろが開く。
- はじまりのいせき
チュートリアルのステージ。基本操作を覚えられるよう、壁画で操作を説明している。
みどりのつうろ
自然をテーマにしたエリア。
- ヤシのきじま
熱帯の島を進む簡単なステージで、ほぼ1本道。
- おはなばたけ
広大な花畑を進んで行く。ハッチに刺されてバルーンワリオとなる場所が多く、故に縦の長さも広め。
- なぞのちていこ
森の地底湖の中を泳いでいく。泳ぎのアクションを多用するステージで、水中の敵も多い。スイッチを押した後はイガグリが降る危険な道から帰ることになる。
- あめのジャングル
運河の上にあるブランコを乗り継いでいく。タイミングを外すとトバワニがうろつく池に落ちてしまう等、アクションの応用性が幾つも問われ、難易度はやや高い。
あかのつうろ
機械をテーマにしたステージ。
- あやしいこうじょう
ピストンやベルトコンベアが大量にある工場地帯。アクションの腕が要求されるステージ。
- ひみつのはいきぶつしょりじょう
ブロック状となった粗大ゴミだらけのステージ。壊せるブロックが多く、アイテムも沢山隠されている。
- 40℃のれいとうこ
つららや雪、滑る床など、氷に関するトラップが多い。スノーマンワリオでしか壊せない雪のブロックも多数登場。
- ピンボールタワー
ピンボール風のステージで、全ての入賞口に玉を入れると先に進める。ゲームっぽく楽しい雰囲気ではあるが、トゲや電気のトラップも大量に存在するため、難易度は高め。
きいろのつうろ
玩具をテーマにしたエリア。
- つみきのおしろ
仕掛けに積み木をはめ込むことで先に進めるステージ。アタックすると転がせる丸い積み木、下のブロックを壊すと落ちてくる四角形の積み木も登場する。
- すごろくのくに
ルーレット型のブロックを叩いてすごろくを進めて行くステージ。止まったマスによって行動範囲が広がるが、ダメージを受けたりタイムロスをしたりする場合もある。
- らくがきのもり
のどかな雰囲気ながら、ほとんどの場面でキヨブーが追跡し、奴が描いた絵から敵が次々と振ってくる危険なステージ。後半は壁の絵からも出てくる。
- ドミノストリート
ドミノと競争する場面が多いステージ。ゲートを通り抜けるとドミノが倒れ始め、先に終点にたどり着くと行けるエリアが増える。一部のアイテムはドミノと勝負しているときにのみ実体化する。
- あおのつうろ
怪奇現象をテーマにしたステージ。
- みかづきのゴーストタウン
寂しげな夜の廃町。つき纏う大きな幽霊はダメージこそ与えてこないが、コインやカギを奪いタイムロスを招いてくる。
- アラビアンナイト
魔法の絨毯がふわふわ浮かぶ夜の宮殿。うまく絨毯を乗り継いでいく事が求められる。
- ほのおのどうくつ
マグマが吹き出してくる危険な洞窟。スイッチを押すと一瞬で氷の洞窟と化し、攻略手段も大きく変わってしまう。
- ホラーマンション
複雑な構造の大型マンション。仕掛けや非常階段など、部屋や階層を移動できる手段はバラバラで、中にはスイッチを押すまで入れない部屋もある。
おうごんのピラミッド
上記全てを突破すると入れる最後のエリア。
- さいごのつうろ
豪華な黄金の遺跡を進む最終ステージ。どの難易度でもスタートと同時にカウントダウンが始まる為、最奥にいるカギのはしを回収して戻ってこなくてはいけない。
登場キャラクター
相変わらずのパワフル系な主人公。今回は新たに、助走を付けて攻撃する「ダッシュアタック」、高所から飛び降りてとてつもない威力と地震を起こす「スーパーヒップアタック」が使える。
ボス戦の前やステージでしばらく放置しておくと、トレーニングをしている彼の姿を拝むことができる。
- 黒猫
ワリオの前によく現れる謎の黒猫。ピラミッドにワリオを引きずり込んだほか、ボス戦の前にもよく現れるが…?
- シュールなヤツ
ピラミッドの内部にあるアイテムショップの店員。黒い棒人間のような姿をしている。メダルをはらってアイテムを買うとボスのいる部屋までついてきてそのアイテムで攻撃してくれる(場合によっては自分が変身してボスを攻撃することも)。
鼻がカギのような形をした幽霊のような生き物。ふだんは寝ているが触れることで目を覚ましワリオについてくる。ボスのいる部屋までの通路を開くことができる。
主にボーナスエリアに登場。独自にピラミッドを調査・研究している。その割には弁当を食べていたり、寝ていたりすることも多々。謎解きの道具としてワリオに投げ飛ばされる。実は『カエルの為に鐘は鳴る』にも登場したキャラクターである。
かつてピラミッドが存在した付近を治めていた王の姫君。現在は亡くなっているものの、その魂はヨーキによってピラミッドに囚われている。
美人なお姫様だったと言われるが、その素顔はいかに…。
ボスキャラクター
- ピンキー
最初の通路のボス。ナスのような姿の可愛いモンスター。
ゆっくり歩くだけで何もしないが、ピンチになると凄い形相となり、正面からの攻撃を受け付けなくなる。
緑の通路のボス。植物のような幽霊で頭が弱点。
鋭い葉っぱを伸ばし攻撃する他、口からはゾンビワリオになってしまう涎を垂らす。
- キャバット
弱点は頭だが、口からばい菌を飛ばしたり、足元の水路から津波を起こし邪魔してくる。
- コンダラー
赤の通路のボス。鳩時計のようなマシンに身を包んでいるが、体力が減ると正体であるコンドルの幽霊という姿を現す。
どちらも頭頂の風見鶏が弱点だが、そのままでは届かないため敵の攻撃を利用する必要あり。
- シッキー
黄色の通路のボス。クマのぬいぐるみに捕まっているネズミの幽霊。
ぬいぐるみを巨大に膨らませて空高く避難してしまう為、攻撃が届く高さまで降ろさなくてはならない難敵。
ピラミッドを乗っ取った悪霊で本作のラスボス。普段はおかめの面や扇で素顔を隠している。これまでの通路のボスと似た攻撃をしてくることもある。
今までのボス戦で入手した宝箱(最大12個)を賭けた最終決戦となり、残り時間2分を切ると10秒おきに宝箱が消えていく。最終的に手に入れた宝箱の数でエンディングが4種類に分岐する。
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Pizza Tower:制限時間以内にコースから脱出する場面や一部のボスキャラクターのデザインなど、本作のオマージュが見られるゲーム