概要
そのまんま「飛んで」「蹴る」技全般。「跳び蹴り」とも。
跳躍の勢いが蹴りに加算されるため、技の威力としては格段に強い…と思われがちだが、空手の試割りが基本的にローキックで行われるように、軸足を支えにできる状態で蹴った方が威力は高い。
飛び蹴りは軸足がなくなるため体重を十分に乗せることが難しく、むしろ絶対的な威力は低くなる。
にもかかわらず威力が高く見えるのは、一つは筋肉を連動させるのが下手な素人であれば、実際に飛び蹴りのほうが威力が大きくなるケースがある点。
そしてもう一つは、飛ぶことにより人体の可動域や間合いを凌駕する位置に攻撃を当てられる点。
ローキックで狙えるのはふくらはぎ、せいぜい太ももであり、理論上最強の威力が出るといってもダメージはたかが知れている。
この問題を解決するために「飛ぶ」ことで上半身の急所、特に頭部を狙うことができるのが。実用上における飛び蹴りの最大の利点である。
上のように虚を突きやすいことに加え「転倒すると仕切り直し」というルールがある競技においては出し得になってしまっている場合もある。
競技によっては不利な状況になると適当に飛び蹴り(特に浴びせ蹴りなど)を繰り出し、転倒からの仕切り直しを目論みつつラッキーヒットを狙う、という戦術が取られることもある。
素人目にはアグレッシブに見える動きだが、逃げ腰の手段として批判を受けることも多い。
効果が大きい一方で転倒のリスクが大きいため、軍警察の実戦格闘術や護身術を標榜する場で教えられることはまずなく、反則の存在するルールの上、或いはフィクションの世界でしか成立しない技である面は否めない。
主な飛び蹴り
- ライダーキック(仮面ライダーシリーズ)
- 流星キック(帰ってきたウルトラマン)
- レオキック(ウルトラマンレオ)
- 南斗獄屠拳(北斗の拳)
- 飛燕疾風脚(龍虎の拳)
- 究極!ゲシュペンストキック(スーパーロボット大戦シリーズ)
- とびげり、とびひざげり(ポケットモンスターシリーズ)
- 怪鳥蹴り(るろうに剣心)