概要
春の大戦映画(東映)も参照
春の映画枠を使い、2012年から上映されるようになったシリーズ。「春映画」とも呼ばれる事があった(スーパーヒーロー戦記のみ夏映画の枠を使って上映された)。
仮面ライダーとスーパー戦隊、ニチアサの二大ヒーローがクロスオーバーする痛快活劇である。代表的スタッフの頭文字を取って白金米映画とも呼ばれた。
基本的にはこの2シリーズの為の映画だが、メタルヒーローが登場したこともありスーパーヒーロー大戦の名の通り東映ヒーロー全体を巻き込んだシリーズでもあった。
ただ、過去の春映画の流れもあるためためかシリーズ全体としてはオールライダー映画的な側面も強く、メタルヒーローらの出番が無くなり戦隊側が当時の現行作品を含めた一部キャラのゲスト出演程度の扱いだった事もあった。
発足暫くは連動企画も含め、ヒーローが作品の垣根を越えて集まるお祭り作品として話題を集めた。しかし突拍子も無い展開やシリーズ内でも
- 既に見た事あるようなストーリー(敵を騙すためにヒーロー同士で争ったフリをする等)
- 一部本編とのキャラの乖離
- 一部キャラの雑な扱い(『Z』での一条寺烈の扱いや仮面ライダーJの扱い、スーパー戦隊についても追加・番外戦士の大半が参戦しないなど)
- 格闘しているシーンが多すぎる
- 映画としてのクオリティ、登場キャラ数に反して所々でカットされたかの様な物語の進行速度の速さ
- 設定や原作のリサーチ不足
- ウルトラマンと違い客演商法が定着していない、過去の名作を流用されることへの反発(特に平成一期は独立した物語の傾向が強い)
- レジェンド商法乱発によるマンネリ化
と言った批判点も多く、アンチもかなり多くなっていた。
尤も、日本特撮界の中でも屈指の作品数/ヒーローの登場数を誇る東映特撮を全てカバーするのは無理がある(戦隊だけでも2012年当時で36作品、仮面ライダーシリーズは26作品もあった)上に一人一人に描写を割いてしまうと尺を取ってしまう為、膨大なキャラクターを作品に登場させるという試みが無謀だったとも取れる。
その為か、プロデューサー白倉伸一郎がtwitter上で「春映画はもうやらないつもり」と語っており、実際に2018年春に公開する映画自体は『アマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』があったが2019年には春の映画自体が無く、2021年夏に公開予定の『スーパーヒーロー戦記』まで4年のスパンを空けることになる。
なお、シリーズ中殆どの作品のシナリオを米村正二が手掛けている(担当していないのは2021年時点の最新作である『スーパーヒーロー戦記』だけであり、そちらは毛利亘宏が担当)。
フォロー
上記の様な不満点が挙げられているが、実は争ったフリに関しては『レッツゴー仮面ライダー』を除けば『初代』と『仮面ライダー大戦』の中盤までの2回とそこまで多くなく(尚、平成期間に制作されたのは5作品)、ヒーロー同士が戦う理由も意見の対立による戦いや洗脳されていたヒーロー達からの応戦、ゲームキャラとのトーナメントの勝ち抜き等、普通に色々なパターンがあった。加えて、そもそもライダーと戦隊が戦う事自体が無かったり、ライダー同士が戦う事はあっても戦隊とは戦わないと言った事もあったので毎回ヒーロー同士が戦っている訳でも無かった(トーナメントや競技という形での戦闘はスーパー戦隊最強バトル!!やテン・ゴーカイジャーでもやっている事である)。
また、能力・見せ場に関しても『初代』の時点でメイン以外のヒーロー達にも能力・必殺技等を使った戦闘があり、最終的には必殺技で敵を撃破するシーンも結構多い上に、強力な攻撃にはキチンとエフェクトもあり、只の格闘だけで敵を倒している訳では無い事が多い。特に戦隊サイドは合体武器の使用もあった。初代のBGMは戦闘しているヒーローの主題歌アレンジメドレーになっているというお遊びもあった。
一部キャラの雑さに関しては続いたものの、メイン以外のヒーロー達の見せ場・戦闘シーン等は新作が公開されるに当たって必殺技や特殊能力等を使う場面が徐々に増えて行き、改善されていった。
また、何やかんや言われていても、ストーリー自体を好評価された事もあり、現行のライダーと戦隊によるクロスオーバーはガッツリ行ってくれる事が多かった他、モチーフ等の関りがあるヒーロー同士の共演やライダーが戦隊ロボに搭乗する、戦隊ロボと肩を並べて戦う、春映画限定の新フォームの登場、新ヒーロー誕生、シリーズを超えた合体技(宇宙刑事の母艦のクロスオーバー技など)、魅力のある新キャラ、等と言った作品毎でそれぞれ目玉となる要素もあった為、そのクロスオーバーを楽しみにしていた声もあった。
この他にもマイナーなネタや本編未使用技を拾ってくれたり(ビッグマシンや仮面ライダー3号の他媒体限定キャラの登場など)、扱いはさておいて往年のキャラクターが久々に登場するなどの楽しみもある(さそり男やサボテグロン、トリニティフォーム、歴代レッドメカの再登場など)。
忘れてはならないのは『スーパーヒーロー大戦GP』以降、夏映画と同時に公開される短編ネットムービーを廃して映画と連動したサイドストーリーの配信(『仮面ライダー4号』〜『仮面戦隊ゴライダー』)を定着させたという功績がある事。映画との繋げ方はともかくとしてこれらの作品ではキャラクターの登場数を絞り、尺もそれなりにあった為か、ストーリーが評価されている。一時期はこのネットドラマがない年もあったが、『仮面ライダージオウ』にて『RIDER TIME』シリーズとして復活…したが、この頃には逆に大戦シリーズはなかった。以降は映画との連動はなくなるものの、度々本編の補完としてサイドストーリーが配信される試みは行われている(『仮面ライダーセイバー スピンオフ 剣士列伝』など。ただし『仮面ライダーリバイス』に関しては同時上映という形で行われた)。
これらのように悪い面も目立つが、評価点もちゃんと存在するというまさしく賛否両論の立ち位置にある作品群である。
シリーズ一覧
年代 | タイトル | 概要 | 関連作品 |
---|---|---|---|
2012年 | スーパーヒーロー大戦 | 仮面ライダーディケイド率いる大ショッカーVSゴーカイレッド率いる大ザンギャック。 | 仮面ライダーディケイド×海賊戦隊ゴーカイジャー/仮面ライダーフォーゼ×特命戦隊ゴーバスターズ |
2013年 | スーパーヒーロー大戦Z | ギャバン30周年も兼ねて「宇宙刑事」も参戦。二代目ギャバンこと十文字撃らを始め、次世代宇宙刑事らが活躍。また、前作のメインだったフォーゼとゴーバスターズも続投。この内ヨーコは主役の一人である。 | 仮面ライダーウィザード×獣電戦隊キョウリュウジャー |
2014年 | 仮面ライダー大戦 | 仮面ライダー鎧武ら平成ライダーズと昭和ライダーズの戦い。正式名称に「feat.スーパー戦隊」と付いており当時の戦隊らも登場してくれた。一応はスーパーヒーロー大戦シリーズの一つと数えられる。ほんの僅かだが平成・昭和ライダー達と獣電戦隊及び烈車戦隊がコラボしてくれた(これはイマジン戦隊デンオウジャーも参照)。 | 仮面ライダー鎧武×烈車戦隊トッキュウジャー |
2015年 | スーパーヒーロー大戦GP | 正式名称には「仮面ライダー3号」と付く。ファンの間では「仮面ライダー側ではないのか?」と色々不評があった… | 仮面ライダードライブ×手裏剣戦隊ニンニンジャー |
2016年 | タイトル無し | 劇場版『仮面ライダー1号』公開の為同年度は無かった。但し前日談とされる春休み合体スペシャルの様な企画は行われた。 | 仮面ライダーゴースト×動物戦隊ジュウオウジャー |
2017年 | 超スーパーヒーロー大戦 | 基本的には『エグゼイド』と『キュウレンジャー』のクロスオーバーではあるが、『ジュウオウジャー』からアムも主役の一人に抜擢されており、クロスオーバーしている。『集う全ヒーローの力』※外部リンク | 仮面ライダーエグゼイド×宇宙戦隊キュウレンジャー+動物戦隊ジュウオウジャー |
2021年 | スーパーヒーロー戦記 | 仮面ライダーシリーズ生誕50周年&スーパー戦隊シリーズ通算45作目を迎えた事を記念した作品。『劇場版 仮面ライダーリバイス』が同時上映。 | 仮面ライダーセイバー×機界戦隊ゼンカイジャー |
連動企画
春休み合体スペシャル:『仮面ライダー大戦』及び・『スーパーヒーロー大戦GP』の前日談に当たる話。『仮面ライダー大戦』及び『スーパーヒーロー大戦GP』でも戦隊側とクロスオーバーはキチンと行っているが、どちらも戦隊側がほぼゲスト扱いである事もあってか「こちらの方がガッツリクロスオーバーしている」なんて言われる事も。なお、TVSPという体裁で放送されたのは2作だけで、以降はそれぞれのTVシリーズにそれぞれのヒーローが出演という形になった。
関連タグ
春映画…
レッツゴー仮面ライダー 199ヒーロー大決戦:これの先駆けと言っても良いだろう。
仮面ライダーアマゾンズ:スーパーヒーロー大戦の世界でもないと仲良く共闘ができないシビアな世界観の生まれであり、『超スーパーヒーロー大戦』では主役3人が共闘した他、コウモリアマゾンも出演している。
Over_Quartzer:夏映画だが、ノリはこちら寄り。
スペース・スクワッド:こちらは戦隊とメタルヒーローのクロスオーバー作品。