概要
TACOM(タコム)は、日本が航空自衛隊向けに開発を進めていたUAV、無人機。別名は当初「多用途小型無人機」だったが、後に「無人機研究システム」へと変更されている。
TACOMは空自のF-15Jに搭載されて空中から発進し、GPSで位置を補正しながら事前に設定されたプログラムに沿って決められたルートを飛行、敵地をカメラで偵察したのち、味方航空基地の滑走路へ自動で着陸する無人偵察機である。
全長約5.2メートル、最大飛行高度1万2000メートル、航続距離は数百キロメートル。開発は富士重工業と防衛庁技術研究本部。
現在は運用されていない。
沿革
始まりは1995年度、防衛庁技術研究本部で「多用途小型無人機」として基礎技術の研究が開始された。原型となる試作品も完成し、2004年度には「無人機研究システム」へと改称し、2011年まで開発が進められた。
当初は偵察任務後、パラシュートとエアバッグによって海上に着水し、その後回収される方式だったが、改名前に自動滑走着陸する方式へと変更。この際に着陸用の車輪などを追加したことで、機体も大型化したという。
2012年にはF-15J部隊での運用が可能と判断され、4機が空自で部隊運用を開始。しかし2016年度末に退役した。