概要
実験用航空機、略して実験機である。
実験用機材、略して実験機ということもあるが、ここでは取り扱わないことにする。
航空機は時速数百キロで高度数千メートルを飛翔し、凡そ地上からは想像もつかないような環境に晒される。機体形状と大気の相互作用についても人類は未だ研究途上の部分が多く、真に効率的な機体形状は、未だにシミュレーションだけで算出することはできない。
平たく言えば「飛ばしてみなければわからない」部分があまりにも多すぎるため、航空機開発においては様々な実験機が運用されている。
目的別の分類
実証機
構想中の何らかの理論や技術が、実際に上空で役に立つかを確認するための機体。
量産は想定されていないので、既存機の部品の寄せ集めだったりと飛行機としての作りが少々雑なことが多く、パイロットには特別の注意が求められる。
テストベッド
実証機よりももう少しスケールの小さい技術の実証を目的とした機体。
新開発の技術や装備が上空の低温や航空機の加速度に晒されても健全に動作するか確認するものである。
豊富な実績のある機体が母体となっていることが多い。
とりあえず浮かべてみることができればいいので、対象の機材を既存機に雑にポン付けしてとんでもなく歪なシルエットになってしまった機体も多い。
試作機
最終的に量産・運用を行うことを目的として、その際に生ずる想定外のトラブルを洗い出したり、実機に近い仕様で比較試験を行って採用の如何を決めるための機体。先行量産品として運用を前提に作られる場合もある。詳細は当該記事に。
フィクションでは
「試作機」同様に格好のネタである。性質上必然的にワンオフに近い生産数となるため、主人公や強敵の特殊性をアピールするために採用されやすい。
殆どの場合は活躍するに足るだけの強力な機能が実装されているが、何らかの問題を抱えていることも多く、主役機であればその問題が物語上の課題となり、敵であれば攻略の鍵になったりする。