もっと早く
研三は、太平洋戦争中の東京帝国大学(現東京大学)が設計・開発した研究機。機体は川崎航空機で製造された。
各務原の陸軍飛行場で管轄下にあったことから、キ78というキ番号で呼ばれることもある。
簡単に言えばとにかく高速を追求した機体だった。
ドイツのダイムラーベンツ製DB601Aa液冷倒立V12エンジン(出力1,150馬力)を魔改造し1,550馬力までチューンアップした『DB601改』を搭載、翼面積を絞りに絞り、徹底して流線形を採ることで空気抵抗の低減を図った全備重量2,424 kgの機体は、幾度もの試験・改良の結果として最終的に高度3,527 mにおいて699.9 km/hを発揮。
これは日本で開発されたすべてのレシプロ機の中で最速だった。
戦後に機体は進駐軍の手によってスクラップ化されたものの記録映像が現存しており、これは岐阜かかみがはら航空宇宙博物館で公開されたほか、同博の企画展では実物大の胴体が再現された。