概要
飛行機が隊列を組んで飛ぶことを意味する「編隊飛行」をもじった諧謔表現。
この言葉に、キャラクターが空を飛びながら奇行を発露する描写を添えることでユーモアの手法として用いられる。
類義語:変態が編隊を組んでやってきた
現実世界では
現実においては、ありえねー飛び方をする航空機(飛行物体)に対して使われることがある。以下に挙げるのはその一例。
機種や使用用途にしては明らかにオーバースペック・もしくは不要な能力を持つ機体
- ボーイング707:ボーイング社の記念すべき初のジェット旅客機。開発段階のデモフライト中に空戦機動の一つであるバレルロールを披露。言うまでもないが旅客機にそんな能力は必要ない。
- DC-8:707の同世代機、もといライバル。コメットが設計上の欠陥が原因で墜落事故を起こしまくったトラウマからこれでもかと言うぐらい頑丈に設計した結果、試験飛行にて急降下で旅客機として初めて音速を突破した。言うまでもないが旅客機にそんな能力は(ry
- DC-10:設計上の欠陥がネタにされがちだが、ダグラス社特有の頑丈設計はしっかりと受け継いでいる。実際にフェデックス所属機がハイジャックされた際は武装したハイジャック犯と機長、航空機関士が格闘する中、ベトナム戦争の従軍経験もある海軍上がりの副操縦士が彼らを少しでも有利にするために行った140度背面飛行からマッハ0.8以上での急降下を見事に耐え抜いて見せた。
- YS-11:戦後日本初の国産旅客機。「旅客機の作り方わからん→じゃあ軍用機基準で作ればいいじゃん」となった結果旅客機としては異常とも言える頑丈な機体になった。どれくらい頑丈かと言うと小型機と空中衝突を起こして小型機側は墜落したがYS-11は飛行に全く支障がないレベルだったとか、内圧の増減の繰り返す強度試験を行った結果先に実験装置がぶっ壊れたなど。
- C-1:あの川崎が作った日本が誇る国産輸送機。軍用とはいえ輸送機のくせに90度近いバンクからの急旋回やバレルロール、更には宙返りも可能というふざけた性能を誇る。
- C-2:んで、上の後継がこいつ。C-1の性能をそのままに20t積載状態で7600kmの航続距離と「海外派遣の時に民間航路でも使えるようにしたいから旅客機並みの巡航速度が欲しい」と上が駄々をこねた結果、マジで旅客機と遜色ないレベルの巡航速度を発揮し、世界最速の軍用輸送機と化した。しかも当初から想定はされていなかったが不整地着陸にも耐えられることまで証明済み。やっぱりお前か。
まず性能からしてぶっ飛んでる奴
- OH-1:陸上自衛隊が運用する観測ヘリコプター。機首を80~90度傾けた状態での急上昇や急降下、背面宙返りなどもはやヘリコプターに似つかない動きを平然とやってのける高機動っぷり。結果、優れたヘリコプターに贈られるハワードヒューズ賞を、米国製ヘリ以外で初めて受賞。そして作ったのは、やっぱりこいつである。
- US-1:かの有名な二式大艇を開発した川西航空機の流れを組む新明和工業が開発した救難飛行艇。救難を主任務にするにあたり過酷な海の環境下での使用を前提としているため90km/h以下の飛行性能と高いSTOL性能に加え、波高3mでも着水可能というまず他の飛行機では真似できない性能を誇る。
- US-2:上の後継。性能はそのままに機体の軽量化とコンピュータ制御を組み込んだ結果更に安定した飛行が可能に。速度も若干上がり、与圧機能も追加されたので救難任務における柔軟性がさらに増した。最低速度で飛んでる姿は早い話スターウォーズ世界の航空機が現実世界に迷い込んだ姿である。
- A-10:あの魔王の思想が全面的に体現された攻撃機。自動車一台分の重さを持つ戦車殺しの機関砲を積んでるってだけでも規格外なのに、400発近い弾丸を受けて数日後には復帰するとか携行式地対空ミサイルを食らって尾翼と尾部を吹き飛ばされても帰還(しかもその後復帰)するとか、もう色んな意味で酷い。
- ロシア機の皆さん:デカい領土を持つお国柄の性質上、機体はデカく重くなる傾向にあるのだがその巨体に似合わぬ動きを平然とやってのけたりその速度を生かしてピンポンダッシュをかましに行ったりと枚挙にいとまがない。
存在からして規格外な奴ら
- An-225:デカい。その一言に尽きる。なんでこんなにデカいのかというと、ソ連版スペースシャトルことブランを背負って輸送するため。アメリカもボーイング747で同じことはやったがこいつの場合何と言ってもデカすぎて250もの世界記録を持ち、文字通り世界最大の航空機である。こんなにデカいくせして強力なエンジンと優れた空力特性によって戦闘機並みに動けるらしい。
- VM-T:見た目からしてまず飛べるのかと疑いたくなる奴その1。戦略爆撃機M-4を改造した輸送機で、用途はAn-225と同じブランの輸送。戦略爆撃機の積載力を輸送力に転用しようという発想自体は至って普通なのだが、「胴体ほっそ!まともに荷物詰めんじゃん!→せや!コンテナ背負って輸送させればいいやん」となった結果、機体を軽く超えるドデカいコンテナを背負う形になった。のちにコンテナは常識的な形(と言っても相変わらずデカいが)に変更されたが、飛行性能は案の定劣悪である(そりゃそうだ)。
- スーパーグッピー:中の容積を無理やり増やしたような見た目をしている。ちなみに原型はB-29から派生した大型輸送機C-97。エンジンはターボプロップに換装されているのでそれなりに速度は出るらしいが……どうしてこうなった。
- Bv141:見た目からしてまず飛べるのかと疑いたくなる奴その2。こいつの特徴はなんと言っても左右非対称の構造をしていることだろう。なんで左右非対称になったかというと空軍が「下方視界が確保できる偵察機が欲しい!」と駄々をこねたから。コクピットの下はエンジンや油圧配線などで基本的に下方視界を確保するのが難しいのでならコクピットを胴体から分離させてやればいいという理論である。暴論に見えるが実際視界は良好で、なんなら安定性や飛行性能は競合機であったFw189を上回ってた程である。最終的にFw189が採用されたが不採用の原因はエンジン。逆に言えばエンジンさえ問題なければ普通に採用を勝ち取ることができたのである。
ほぼ同義語にお前の飛び方はおかしいという言葉がある。
また、二次元の世界における「変な飛び方をする飛行物体」に対して使われることもある。
代表例はGAF-1(エースコンバットX2)、ソルディオス・オービット(ACfA)、「ケーツコンバット」(マリオ64に於けるケツワープの派生技。ケツワープで加速度を蓄えた状態で羽マリオで飛ぶとものすごい勢いで飛んで行く)など。