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ボーイング707

ぼーいんぐせぶんおーせぶん

米国ボーイング社が開発した大型ジェット旅客機
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現在まで脈々と続くボーイング社の7X7シリーズの始まりであり、ダグラスDC-8コンベア880と並ぶ第1世代ジェット旅客機を代表する機種でもある。
また、E-3E-8などの軍用機のベースになった他、兄弟機としてKC-135がある。

日本の航空会社では採用されていない(日本航空は当時ボーイングとの接点がなかった事に加え、協力関係にあったユナイテッド航空に合わせる形でDC-8を採用した)ので馴染みが薄いが、国外の多くの航空会社が日本路線に投入していた。初号機の就航から50年以上経過する現在でもプライベートジェットや貨物機などで運用されている機体が存在する。

歴史

今でこそ旅客機メーカーとして名高いボーイングだが、当初は爆撃機などの軍用機には強くても旅客機業界ではダグラスやロッキードに大きく水をあけられていた。
第二次世界大戦後もしばらくそれは全く変わらず、その状況を打開する一発逆転の切り札として、軍用への転用も想定したジェット旅客機をプライベートベンチャーで開発する事になった。

1950年代は、世界初のジェット旅客機デ・ハビランド コメットが鳴り物入りで登場したものの、度重なるトラブルで信用が地に落ち、ジェット旅客機は時期早々という声まで上がり始めた。
そんな中でジェット旅客機を開発するのはまさに大賭け事であったが、「近い将来軍・民ともにそれらを必要とするであろう」という揺るぎない信念の元、開発が始まった。

こうして誕生した原型機367-80(通称「ダッシュ・エイティ」)は、1954年7月15日に初飛行。
このダッシュ・エイティは、当時軍が早急に欲していた空中給油機KC-135としてまず採用され、そして胴体を太くした旅客機型が707となった。
乗客数も巡航速度も標準的なプロペラ機や初期型コメットを大幅に凌駕する性能はもちろん、コメットの教訓から入念な安全対策が図られ、さらに初の大西洋横断飛行を果たしたチャールズ・リンドバーグをアドバイザーとして招聘し、最初から大西洋無着陸横断が可能な仕様で設計された事で、707はデビュー前から圧倒的な人気を集め、リンドバーグが顧問を務めるパンアメリカン航空を皮切りに、たちまち多くの航空会社から受注を獲得した。
こうして、1958年10月から就航を開始した707は、遅れて登場したライバル機のDC-8と並んでたちまち世界中の航空会社で運行されるようになり、旅客機のジェット化に貢献。そして、ボーイングを世界規模の旅客機メーカーに成長させる大きな原動力となった。

767などの後継機が登場して旅客機型が1982年に製造終了して以降も軍用向けに製造され続け、最終的に1991年まで1,010機が製造された。

機体の特徴

客席数は170~200席程度、エコノミークラスで3+3配置。それまでの旅客機の客整数が最大でもせいぜい80~100席程度と現在のリージョナルジェット程度しかなかった当時としては、相当大きな部類であった。
翼から吊り下げる形で装備したエンジンや、小さくしたキャビン窓をたくさん並べて座席をどのような間隔で配置しても窓なしの座席が生じないようにしたのは旅客機では初めてで、以後の旅客機の標準となった。

操縦システムには、油圧式ではなく信頼性を考慮して人力による操縦装置を採用したが、片側のエンジンが2つ止まると人力では操縦できなくなる問題があったため、油圧式操縦装置の採用と垂直尾翼・方向舵の面積拡大により改善された。

当初は燃費の悪いターボジェットエンジンを搭載していたため、大西洋横断も1、2回給油が必要でせっかくの速度を活かせなかったが、JT3Dターボファンエンジンを装備した707-320型は燃費が改善されて条件次第では太平洋無着陸横断も可能になり、707の決定版となった。
他にもバリエーションとして、イギリス向けにロールスロイス製コンウェイエンジンを搭載した707-420や、胴体を短くした短距離型ボーイング720(正式には707-020)などが存在する。

後発のDC-8と比べると主脚が短いために長胴型が作れなかった事、胴体が太いために空気抵抗が大きく航続性能がやや悪いなどの難点はあったものの、広いキャビンの快適さと大きな搭載量は多くの顧客から支持されたのは言うまでもなく、軍用機のベース機としても人気だったのも頷ける。

707の胴体は、改良されたうえで後発の727737に転用されており、その血筋は半世紀経った現在でも生き続けている。

KC-135とどこが違うの?

兄弟機であるKC-135とは似ている事もあってよく混同されるが、同じ原型から枝分かれした別の機種である
そもそも、前述したようにKC-135の方が先に登場しており、「707を空中給油機にしたのがKC-135」という訳ではない(ややこしいのだが、アメリカ以外の空軍では707を空中給油機に改造している所が多い)。

前述したように胴体は707の方が太く、全体的なサイズも707の方が一回り大きい。しかしKC-135の床下は全て燃料タンクになっているので、燃料搭載量はKC-135の方が大きい。
また、在日米軍の航空ショーで機内を見学した人ならわかるだろうが、KC-135の機内には旅客機のような座席はなく軍用機らしい武骨さがある。

707はKC-135とは別にアメリカ空軍でも採用されているが、こちらの形式はC-137ストラトライナー(大統領専用機「エアフォースワン」として使われたのもこれ)。航空会社から放出された中古機にはC-18という別の形式が与えられていたりするのだが、どちらにしてもKC-135とは形式も別である。

ちなみに、KC-135は途中でCFM56エンジンに換装されているが、これは元々707の近代化案として試作されたものを転用したものである(757などとの競合を避けるため民間向けには実用化されなかった)。
他にも、かつては退役した707からエンジンや尾翼を外してKC-135に移植したモデルもあった(現在は退役)など、707とKC-135とは切っても切れない関係にある。

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