概要
当初ジェット旅客機は、コミューター路線(需要が少ない短距離ローカル線)では燃費の面で分が悪く、このような路線ではレシプロ旅客機やターボプロップ旅客機が使用される傾向にあった。
しかし時代が進むにつれてジェットエンジンの燃費が向上し、また規制緩和による発展で拡大したコミューター路線にも、より速く遠く静かに飛べるジェット旅客機の需要が高まったため、ターボファンエンジン搭載の小型旅客機がリージョナルジェットとして登場した。
特徴
大体はターボプロップ旅客機と共通するものであり、路線によってはターボプロップ旅客機と競合する関係になる。
- 機体が小さくて軽い
最初から小規模な路線向けに設計されているため、B737やA320のような従来の短距離用旅客機よりさらに小さい。
小型軽量な分、燃費がよく機体重量で決まる空港の着陸料も安く済むという利点があり、元々大きい機体のサイズを縮める形で設計されたB737やA320の最小モデルを経済性で圧倒した。
- 座席数が50~100席程度
機種によっては30席程度しかないものもあるが、ジェットとターボプロップの分岐点(つまりジェットの方が有利になり始める)と言われるのは70席クラス。100席以上となればB737やA320の最小モデルに迫る規模になる。
乗客数が少ない分、必要な客室乗務員の数も少なくて済む(余程座席数が少ない機種でない限り、座席50席につき1人と法律で決まっている)。航空会社によっては、100席以上の座席を設置できる機種であっても、100席を超えない(=客室乗務員を1人増やしてしまわない)ように上級クラスの座席を設置して調整している場合もある。
アメリカではスコープ・クローズという法律の都合で、70席クラスが定番となっている。
- 小さな飛行場でも運航しやすい
地方の空港は大都市の空港に比べて滑走路は短く、設備も限られている。
そのため、短い滑走距離で離着陸できる性能を有している他、ドアを開けるとそのまま搭乗用の階段になるなどタラップなどが空港になくても乗客が乗り降りできるように工夫されている。
ターボプロップ旅客機との比較
ジェット機なので当然速度は速く、その分目的地までの所要時間を短縮できる。また、ジェットエンジンの性質上、遠く飛ぶほど効率が良くなるため、あまり需要はないけどターボプロップ旅客機を使うには遠すぎる「長くて細い」路線の運航に適している。
逆に、短い路線ではターボプロップ旅客機の方が効率の面で有利になる。離着陸性能も優れているとはいえ、やはりターボプロップ旅客機には及ばない。騒音は風を切るプロペラがない分ジェットの方が小さいと思われがちだが、近年はプロペラの改良が進んでターボプロップ旅客機の騒音も小さくなっており、実際のところはどっこいどっこい。