BAe146
びーえーいーいちよんろく
短距離のローカル線向けに開発された小型ジェット旅客機、いわゆるリージョナルジェット。
最大の特徴はリージョナルジェットながらターボファン(ギヤードターボファン)エンジン4発式となっている点である。
このクラスの機体は普通は(ジェットなら)MRJやボンバルディアCRJ、エンブラエルE170/190などの例を見る通り双発が主流であるが、本機は4発エンジンとなっている。
そのため一部地域では「ジャンボリノ」という愛称でも呼ばれている。
この設計は別に紳士の発想なら仕方がない…というわけではなく、「STOL性能を確保する」と「小出力・低騒音のエンジン4発とすることで都市部の空港でも発着できるようにする」というちゃんとした理由がある。
このため騒音の規制がきついロンドン・シティ空港には掃いて捨てるほど飛んでくる。
うーん…なんとなく伊丹発着便に使えそうな気がするんだけどなあ…
1990年代にはグループ内の組織改編もあって、近代化版のアブロRJが登場し、2001年まで生産されていた。
座席は3+3列配置、乗客数は70~110名程度の一般的なリージョナルジェットの構成となっている。
主翼は高翼式(機体の上の方に主翼が付いている)、尾翼はT字尾翼、主脚は胴体側面に格納するという、どことなく軍用輸送機に似た構成。
高翼式の主翼にはハネウェル(ライカミング)製のギヤードターボファンエンジン・ALF502が合計4発ぶら下がっている。
…このALF502、実はターボファンエンジンとしても結構独特なエンジンである。
まず元ネタがヘリコプター向けのターボシャフトエンジンだったりする。最初から(ギヤード)ターボファンエンジンとして設計されたとか、或いはターボジェットエンジンを元にしたとかそんなのですらない。
そして高圧圧縮機に遠心式圧縮機(掃除機のタービンみたいなのをぶん回して空気を圧縮するタイプ)が使用されている。まあこっちに関してはHondaJetのエンジンである、HF120も採用している方式だが。
ちなみに遠心式圧縮機は吐出量こそ軸流式圧縮機(羽根車を何段にも連ねているやつ)より小さいが、一方で少ない段数で高い圧縮比を得られるという特徴があり、小型ジェットエンジンの高圧圧縮機には向いている。これも実はへそ曲がりや趣味で採用したわけではなく合理的な選択と言えるのだ。
日本の航空会社では採用例は無いが、近隣のアジア諸国の航空会社が保有する機体がチャーター便で日本に飛来する場合がある。