概要
日本だけでも大手(日本航空や全日空)からLCCまで、ジェット機を扱う航空会社ならたいていは保有しており、よほど小規模な(ジェット機が発着できないような)飛行場でない限りどの飛行場でも見ることができる。
また海外のLCCの場合、事業者によってはサウスウエスト航空のように使用する機体は737一択ということも珍しくない(というより、737の「安い・取り回しがいい・航続距離が比較的長い」という特徴が多くのLCCの原動力となったとも言える)。
いわばトヨタ・カローラや国鉄103系の旅客機版といったところである。
歴史
DC-4やL-188などの、レシプロ旅客機の後継機としての需要を見込んで(&DC-9への対抗商品として)企画された機体である。
しかし、そのスタートは決して順調なものではなく、開発に出遅れたが故にアメリカの主要航空会社は既にDC-9の天下になりつつある状態だったため、ローンチカスタマー(一番最初に発注した航空会社)はルフトハンザドイツ航空、しかも開発継続を決めるには遥かに少ない受注数だった。また、初期型は性能不足などで販売が低迷したものの、改良を重ねていった事で世界的ベストセラー旅客機へと成長を遂げた。
機体の基本設計はあの傑作機・727とほぼ同じ物を採用している(言わば双発版727とも言える機体である。もっと言えば、その727の胴体の元になったのはボーイング最初のジェット旅客機・707である)。
初期型の100・200型ではエンジンは低バイパス比ターボファンエンジンだったが、300型以降は低燃費・低騒音の高バイパス比ターボファンエンジンに変更されている。また、エンジンの変更に関してエンジンカウルや装着方法も若干変更されている(後述)。
特徴
割と小さめ
定員150~180人の小型機である。通勤電車一両分の定員しか無い。
座席はエコノミークラスで3+3配置、上級クラスで2+2配置が基本であることからもこの機体のサイズがわかるだろう。
しかし小さいということは燃費がよく、小さな空港でも発着できるということでもある。体力的に不利な中小事業者でも採用しやすい。小さいは正義である。
「プロペラ機の後継機」「短距離用旅客機」としての設計
737はプロペラ機の置き換えのために企画された機体である。
プロペラ機は速力こそジェット機に劣るが、滑走路距離が短くて済む・燃費が(ジェットと比べて)圧倒的にいいなどの、ジェット機には真似することが難しい特徴もいくつか持ち合わせている。
さらに737企画当時のプロペラ機の守備範囲は地方の短距離路線。上がったと思ったら30分くらい飛んですぐ着陸なんてこともある。それくらい離着陸が頻繁なのだ。
…というわけで、「短距離用のプロペラ機の後継機として相応しい設計」が幾つも導入されている。
- 強力な高揚力装置の採用
ジェット機の泣き所である、滑走距離の長さ。
理由は実はプロペラのある・無しにある。
プロペラ機はプロペラで風を起こしているため、その風を主翼に当てれば揚力を水増ししたのと同じことになる(プロペラの起こす風で、主翼の揚力は低速域でも高速で飛んでいるのと同じような状態になり、結果的に揚力が向上する)。
一方のジェット機にはそんなせこいものはない。ただひたすらジェットエンジンで加速して、浮き上がるために十分な速度を得るしか無い。つまり、プロペラ機よりも滑走距離(≒加速するための距離)を長く取らざるをえない。
これが、地方空港やローカル線のジェット化を阻んでいた要因の一つといってもいい。
この問題を解決しなければ、「プロペラ機の後継機」には成り得ない。
というわけで、737には強力な高揚力装置(フラップ)が搭載され、ちょっとしたプロペラ機並の滑走距離(ANAの公式サイトによれば、737-500型の場合1500m程度の距離の滑走路で離発着可能とされている)を実現した。
- 頻繁な離着陸に耐えうる着陸脚
プロペラ機の守備範囲である短距離・ローカル線での運用はとにかく距離(≒飛んでいる時間)が短い。上がったと思ったらすぐに着陸なんてのが多い。
そのため、着陸脚は頑丈に設計されている。
また、主脚(胴体中央部に付いている着陸脚)は完全には機体内に引き込まれず、機体底部の窪みに収めるような形で収納される。これは、飛行中に低温の外気に当ててタイヤを冷却するためである。
- オプションで自前のタラップも追加できます
オプションとして、内蔵型のタラップである「エアステア」を追加することも可能である。これにより、ボーディングブリッジなんていう贅沢品はおろかタラップ車すら無いような小規模な空港でも客扱いを可能としている。
2人で飛ばせる
地方の航空会社の泣き所の一つは人件費。
飛行機の操縦を含め、何かの業務に関わる人数は少なければ少ないほどいい。電車やバスのワンマン運転は、ぶっちゃけると人件費を抑えるための施策である(車掌を乗せずに運転手一人で運行できるようにして、車掌の分の人件費を減らすためである)。
これを見越して、従来の旅客機は機長・副操縦士・機関士の3人体制でコクピット乗務を行なっていたところを、737では機長と副操縦士の2人だけで飛ばせるようにしてある。
勿論、この仕様は当初は「機関士の仕事を奪う気か!」と反発を受けていたが、今では「旅客機は2人で飛ばすもの」というのが当たり前になってしまった。(恐らく機関士達も『操縦士』の免許を取得して、エンジン制御のパネル操作から操縦桿を握る側になったのだろう)
シリーズ(737NGまで)
第一世代(737オリジナル)
- 737-100
全てはここから始まった。737シリーズ最初の機体。
727をベースとした胴体に、主翼に低バイパス比ターボファンエンジン・JT-8Dを装架するという構成で登場した。
エンジンは一般的な旅客機のようにパイロン(主翼に何かを吊り下げるためのハンガー)を介してぶら下げるという方法ではなく、主翼に直接取り付けている(見方によってはイギリス製ジェット機のように、主翼にめり込んでいるようにも見えなくもない)。
これにより、地上とのクリアランス(距離)を確保している。
低バイパス比エンジンのため、逆噴射装置はエンジン後方のノズルに蓋をして、コアエンジンの噴気を逆噴射される形式のものを採用している(低バイパス比エンジンは性格的にはターボジェットエンジンに近く、推力はコアエンジンからの噴気が主であるため)。
ちなみにシリーズ中で最も小柄な機体である。
僅か30機しか製造されず、-200型に製造は移行した。
- 737-200
100型の胴体延長型。
航続距離も延長されている。
また、貨物仕様もラインナップに加わった。貨物仕様型737の特徴として、一般的な貨物機に見られる「メロンパン入れになってまーす」と前後が開くドアではなく、トラックのガルウィング式ドアのように上方向に開くドアとなっている点が挙げられる。
初期型は上に書いたように「2人乗務」への反発や、さらに性能不足もあって販売が伸び悩んだが、改良型は1100機近くを売り上げた。
また、1971年には離着陸性能の強化と客室内インテリアの改善を行ったアドバンスド型が登場している。
第二世代(737クラシック)
- 737-300
USエアウェイズの要望を受けて改良された第二世代の737。
最大の特徴は、なんといってもエンジンが今の旅客機の主流である高バイパス比ターボファンエンジン(CFM56)に変更された点である。
高バイパス比エンジンに変更されたことにより、静粛性と何より燃費が飛躍的に向上。乗客には快適な空の旅を提供でき、空港周辺住民は騒音に悩まされることがなくなり、航空会社は燃料代の節減が可能となった。
しかし、ここで一つ問題がある。
高バイパス比エンジンは、前方に巨大なファンがくっついたため従来の低バイパス比エンジンと比較して直径が大きい、つまり太いのである。
そのまま取り付けたら地上とのクリアランスが確保できない(最悪、地上にぶつかってしまう)。
さて、どうするか。
そこで300型以降では、エンジンカウルをおにぎり型の断面のものに変更し、さらに若干主翼の前方にずらすことで地上とのクリアランスを確保している。
後期型からは757や767のように、グラスコクピット化(針式や数値表示式のメーターではなく、ディスプレイを使って情報を表示するタイプのコクピット)化がなされている。
- 737-400
300型の胴体延長型。
日本航空が導入した機体には花の愛称が付けられていた。
- 737-500
400型とは逆に、胴体を短くして(=機体を軽量化して)定員数を犠牲にする代わりに航続距離を延長したモデル。
ちなみに日本がボーイングと共同開発する予定だったYSXは、本モデルをベースとして90席程度の機体(要するにエンブラエル機とか、DHC-8とかと同クラスの機体)にする予定であった。
第三世代(737NG)
- 737-600
- 737-700
- 737-800
- 737-900
(当時の)最新鋭機・777の技術を取り入れたモデル。
ネクストジェネレーション(NG)の名の通り、もはや、初期の737とは完全に別物である。
どんくらい別物になったかといえば、「アルミ車体とVVVFインバータ制御になった0系」(もはや初期モデルそのままなのは台車のみ)とか、「4WD、四輪独立懸架やパワステやエアコン、CVTを装備、4気筒水冷エンジンを搭載したスバル360」(それって360の皮をかぶったサンバーでは?)みたいな状態である。
主翼は設計を一新した高効率のものに変更。主翼で最も目立つのが、主翼の端についた巨大なウィングレット(オプション)であろう。
このウィングレットは、乱暴に言うと飛行中に発生する空気の渦を減らして空気抵抗を減らすための装備である。
この装備により巡航速度の向上や、航続距離の延長を実現している。
ウィングレットにより空気抵抗が減少したのに加え、燃料搭載量そのものも増えたことにより航続距離は6000km程度にまで向上している。
型番に関しては、数字が大きくなるほど胴体の長さが長くなっていくというルールを採用している(つまり600型が最も短く、900型が最も長い)。
その他の基本仕様に関しては、各形式ともに共通である。つまり、胴体の長さと定員くらいしか差異が無い。
このうち最も胴体の長い900型は、定員数で見ても757とさほど変わらないレベルに達しているため、757のシェアを食ってしまっていたりもする。
他の三機種は、順に全シリーズの500型、300型、400型に相当する定員数とされ、これらを効率良く置き換えできるようにした。ただし600型はボンバルディア、エンブラエルなどのリージョナルジェット機との競合にも巻き込まれて受注が伸びず、700型に後を託す形で生産を終了した。
2010年からは787の仕様を元にして、機内照明にLED照明を採用するなど、インテリアまでも大幅に使用変更した「BSI(Boeing Sky Interior)」仕様も登場している。
ちなみに直接のライバルはエアバスのA320シリーズ(こちらは小さい方から順にA318・A319・A320・A321)。
軍用型
737には軍用型も存在する。
近年有名なのは早期警戒機737AEW&C(イラスト)や哨戒機P-8ポセイドンだろう。
ボーイング737 MAX
- 737 MAX 7(737-7)
- 737 MAX 8(737-8)
- 737 MAX 200(737-8-200)
- 737 MAX 9(737-9)
- 737 MAX 10(737-10)
NextGenシリーズの改良型として満を持して登場した737シリーズの最新モデル。2017年にマレーシアのマリンド・エア(現: バティック・エア・マレーシア)で運用を開始した。
エンジンをさらに高効率化したCFMIのLEAPエンジンに変更し、ウィングレットも新設計のものに変更されるなど機体のデザインを一新した。
更にこれまで在来機の延長であるが故に採用を見送っていたフライ・バイ・ワイヤも採用するなど、またもやほとんど別物レベルに抜本的な改良がおこなわれている。
しかしながら根本的な設計の旧式化がここにきて足を引っ張ることとなり、特に主脚の短さによる主翼と地面の距離の近さが問題となった。
改良を最小限にするため、MAXでは前脚を若干かさ上げし、エンジンナセルを前上方へ移動させることで地面とのクリアランスを確保することに。
だが前進したエンジンナセルは大迎角時に揚力を生んで機体の機首上げを加速させるようになってしまった。
このため、新たにMCASというシステムを搭載することとなった。MCASは機体の迎角が危険な領域に達した場合に強制的に機首下げを行い、迎角を安全な範囲に保つシステムである。
しかしながら、これがMAXシリーズの悲劇の元凶となる。
2つの重大事故と、その影響
このMCAS、暴走しやすい上に解除すると別の電動アシストまでカットされてしまい状況によっては操縦がほぼ不可能になるという、八方塞がりの欠陥を抱えていた。しかもMCASはある種の隠し機能であったためマニュアルに記載が一切なく運用者は誰もその存在を知らなかった。
この欠陥は2018年10月29日のライオン・エアJT610便、2019年3月10日のエチオピア航空ET302便の連続墜落事故(どちらも737 MAX 8)によって発覚。結果的に346人の死者を出す大惨事となり、ET302便の墜落事故の直後に全世界的な飛行停止措置が中国などから始められ、最終的に3月14日にはアメリカ・カナダでも飛行停止措置が取られ、世界の空から737MAXシリーズが一時的に消えることとなった。
- JT610便の飛行記録再現動画(閲覧注意)
- ET302便墜落事故後の報道
更にソフトウェアの改良にも大幅に手間取ったことや信頼が失墜したことで発注のキャンセルが相次いだほか、行き場を失った未納入の737MAXがアメリカの工場に溢れかえる光景も見られた。無論この状態に耐えられるはずもなく、ET302便墜落から10ヶ月後の2020年1月には生産そのものが停止された。安全性が証明されるまで737MAXの生産を再開できない状態に陥り、追い打ちをかけるかの如く新型コロナ禍にも襲われ、ボーイング社そのものが潰れかける事態にまで陥った(一部のメディアで倒産の可能性やアメリカ政府による支援が報じられたほど)。
737MAXの生産そのものは2020年5月から再開され、さらに同年11月頃から各国で運航も再開され始めた。最終的にはこの欠陥の被害者となったエチオピア航空も2022年2月に運航再開、政治的な対立も絡んで早々と運航停止を命じ、最後まで運航再開することのなかった中国のオペレーターも2023年1月に運航を再開した(一方のライオン・エアは墜落したMAX 8型機を全機バティック・エア・マレーシアに移管させてから運航再開させたため、ライオン・エアとしてMAX 8を飛ばすことは結局なかった。ただしMAX 9型はライオン・エアとして運航している)。
なお連続墜落事故時点でオペレーターの多かったアメリカや中国の航空会社は大きなダメージを被ったが、幸運にも日系航空会社では(ANAが発注をしていたものの)この時点で運用を開始している航空会社はなかったため、日本国内では大きなパニックは起きなかった。
ただし韓国のイースター航空やシンガポールのシルクエアー(当時。2021年に親会社のシンガポール航空に統合されて消滅)などが日本の関西国際空港や広島空港などに本機材を使って乗り入れていたため、海外国籍の機材を含めた全ての737MAXを対象とする日本の領空通過の禁止措置が一時的に取られていた(2024年時点では解除済み)。
また、アイルランドのライアンエアーは737シリーズの大手オペレーターでMAXシリーズでも大量発注をしていたにもかかわらず、この時点ではMAXの納入がまだなかったため紙一重で運航停止に巻き込まれずに済んだ(納入遅れなどの被害は受けたが)。
時は流れて墜落事故から5年、この間死亡事故を起こすことはなく安全性が改善されたと思われていたのだが、2024年1月に再びアラスカ航空の737 MAX 9型機で非常ドアが吹き飛ぶ事故が発生。幸い緊急着陸に成功し死者は出なかったものの、この事故をキッカケにかねてから他機種(737NGなど)でも指摘されていたボーイング機の品質不良問題が芋づる式に世間に知れ渡り、ボーイング社内からも内部告発が飛び交う事態となった(また内部告発者の一部が不審死を遂げたこともあり、騒動は火に油を注ぐ形となった)。この事故では737MAXそのものに非があったわけではなかったものの、ボーイング社内のドン引きするような内部事情が次々と露わになったことから、またしてもボーイング社が非難を浴びることになった。
このように737 MAXは様々な騒動を起こしてしまったことで「欠陥機」「空飛ぶ死神」「ポストDC-10」などと数え切れない蔑称を付けられてしまったが、世界中で納入機数が増えていく中でもMCASの件のような事故は再発しておらず、連続事故から5年が経った現在では一応は安全性が確保されたと言えるだろう。
しかしながら、あまりにも事故のインパクトが大きかったが故に737 MAXシリーズについたブランド面での傷が簡単に癒えることはなく、対抗するエアバスA320neoにシェアで大きく水を空けられ、敗色濃厚となってしまった。この騒動の6年ほど前にはボーイング787でもバッテリー問題が発覚していた上、2024年現在でも色々な要因が重なって次期ラインナップの777Xと737 MAX 7 / 10の納入遅延を繰り返している有様であり、近年のボーイング社にはかなり厳しい目が向けられているというのが実情である。
なおこの事故が原因になったのか、(恐らく乗客のパニックや誤解を防ぐためかと思われるが)本シリーズの機種名の略称では「MAX」という単語が省かれて「737-8」などと表記されることが増えており、日本航空などがこの方式を正式に採用している。
製造数
現在までに生産された機体の総数はシリーズ通算で8000機近くにまで到達しており、受注総数ともなると1万機を超える大ベストセラー機である。この記録はジェット旅客機としては世界一であり、どのくらい凄いのかと言うと、日本で年間に受領される旅客機は全社併せてだいたい20~30機程度であり、同じボーイングで40年以上にわたって生産されている747の総生産数はこの4分の1にも満たない1500機程度である。
ただし、プロペラ機にはこれを越える伝説を打ち立てた機種が存在する。50年以上前に日本でも飛行していたダグラスDC-3がそうで、ノックダウン生産を含めると1万7千機以上が製造されたとされる。(ただし、第二次大戦中の輸送機型であるC-47も含む)。MAXシリーズの生産が続けば、あと10年程度で偉大なる記録も塗り替える可能性がある...と言われていたが、MAXシリーズは事故の続出で欠陥機の烙印を押されたため、その実現には暗雲が漂い始めている。
日本での737
日本では1969年に全日空が737ー200を就航させたのが最初。続いて沖縄を主な運航路線としていた南西航空(現在の日本トランスオーシャン航空(JTA))が1978年に737-200Advを就航させた。
第2世代は、1994年にJTAが737-400を就航させたのが最初で、1995年にはJALも737-400を就航させた。また、同年にエアーニッポン(ANK)が737-500を就航させている。他にもソラシドエアやAIRDOが737-400を導入した。日本航空はローカル線用として、JTAとANKは737-200の後継機としての位置づけだった。737-200は2002年に全機が退役した。
737NGは2005年に全日空が737-700を導入した(運航はANK)。2006年にスカイマークが737-800を就航させ、2007年にはJALも737-800を就航させた。その後、ソラシドエアやJTA、AIRDOなども737-800を就航させ、日本の空を代表する旅客機となっている。第2世代型は2020年に運航を終了。
737MAXについては、全日空が737MAX8を30機発注することが確定している(本来はMRJが納入完了するまでの繋ぎとして10機程度の発注だった)ほか、2023年にはスカイマークと日本航空も発注している。
ボーイング737は事故が多いのか?
ボーイング737は「事故が多い飛行機」として扱われることがある。しかしながら737は世界中の航空会社が採用していることもあって絶対数が非常に多く(トヨタのプリウスと似たようなもの)、事故率が上がってしまうのも致し方ないという事情がある。
また737の旧型(-100~-500まで)を2020年代に入っても使っているような会社はアフリカや中南米、東南アジアのような発展途上国に多い。そのような国ではろくに整備施設が整っていないというケースもあり、それが事故に繋がることも。
要は737そのものに非があるケースは事故全体を見ればレアだということである。
過去には-200~-300型あたりでラダーの不具合による墜落事故が起きてしまったことはあったが、これに関しても長期間の酷使や不適切な整備環境が影響したり、単純な飛行回数の多さにより極めて確率の低い故障が発生したりと言うこともあったため、設計上は737が他機より危険という訳では無い。
ただし前述した最新鋭機737 MAXの無茶な設計変更に起因するMCAS騒動は重大な設計ミスとして扱われており、FAAの虚偽報告が露呈するなどボーイングの信頼を失墜させることに繋がってしまった。
関連タグ
ボーイング757 ボーイング767: 737にシェアを食われた機体。
A320: 直接のライバル。