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B-52

びーごじゅうに

アメリカ・ボーイング社が開発した長距離戦略爆撃機。1955年の運用開始以降、幾度も改修を重ねつつ、現在もアメリカ空軍最古参の戦略爆撃機として運用が続けられている。愛称は「成層圏の要塞」を意味するストラトフォートレス。
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ボーイングB-52戦略爆撃機…

空中給油を駆使すれば航続距離はほとんど無限

核兵器を含むおよそ地球上で開発されたありとあらゆる破壊兵器を腹の中にのみ込んで

地球上のどんな場所でも12時間以内に爆撃可能…

全天候性(オールウェザー)の死の大鷲…

(『エリア88』より)


概要

ボーイング社が開発しアメリカ空軍に採用された戦略爆撃機。愛称はストラトフォートレス成層圏要塞の意)。

B-17フライングフォートレス、B-29スーパーフォートレスに続く三代目の空中要塞である。

搭乗員からは「BUFF(Big Ugly Fat Feller):牡牛」やら「オールドドッグ」とも。


1955年に運用開始され、すでに半世紀以上を経過しているが後継機に恵まれなかったため幾度もの改修を経て今なお現役であり、当面は2045年まで使い続ける予定である。

後継機がなぜ恵まれなかったのかというと、

B-58はB-52に比べ航続距離が短く、ペイロードが少ない上に核攻撃に特化しすぎた設計が仇となり任務の拡張に対応できなかったため。

XB-70は高コストな上に地対空ミサイルの発達でその存在意義を失ったため。

B-1はペイロードと速度こそB-52を上回るものの、核軍縮条約の煽りを受けて通常兵器の運用に特化されたため。

B-2はペイロードがB-52の6割弱程であったため。


またB-1、B-2は数多くの新機軸を投入した結果、本土基地以外では運用がままならない状況になり(現在はある程度克服しているが)、調達・運用コストも高騰、B-52を代替するだけの数を揃えられなくなった。


おかげで親子三代にわたって搭乗員になった家系がある有様。


同世代の機体にTu-95が存在することはよく知られている。こちらも現役。しかし日本ではもう1機、イギリスのアブロ・バルカンが存在したことはあまり知られていない。こちらはイギリスの財政難から1984年に全機が退役している。


pixivにおいては、初音ミクオリジナル曲「恋は戦争」のイラストでバックにこのB-52が描かれていることから、これに関連したイラストによくつけられるタグである。


また、『ラストオリジン』のB-7ストラトエンジェルはB-52がモチーフである。


詳細

機体設計

大型かつ大重量の核兵器を機体の重心位置に収めるため、主翼の間に爆弾倉を備える。主脚は爆弾倉を挟むように機体の前後に左右非対称に設置される。これは「自転車式降着装置」と呼ばれるもの。


特徴としては、飛行中は無駄な重量物となる車輪を、短く・軽くできる。しかしこの方式では旅客機などでよくやるように、迎え角を付けて徐々に減速し、主脚⇒前脚を順に接地するという動作が取れない。後が先に地面に着いたら、反動で前が地面に叩きつけられてしまうのだ。ならどうするのかというと、『姿勢を水平に保ったまま、前後の脚をほぼ同時に接地させる』のである。


非常に細長い主翼をしており、舵を切ろうとすると主翼が捻じれてしまってエルロンが利きにくいのが問題になった。この解決のためロール制御には「スポイレロン(スポイラーとエルロン両方の機能を果たすことから来た造語)」を使用するものとなっており、これはロール方向の振動を起こしやすい。方向安定性は非常に高く、方向舵をほぼ失っても着陸できた事例がある。G型以降の垂直尾翼は切り詰められたが、これでも機能は支障ないものとなっている。


エンジン

搭載

8発のエンジンを2発ずつペアにし、パイロンで主翼から吊架している。

当初はP&WのJ57ターボジェットエンジンを搭載、離陸出力向上のために水噴射(空気に混ぜられた水分でエンジン冷却が促進され、冷却限界いっぱいまで回すことができるようになる)機能があった。しかし不完全燃焼も同時に起こる事になり、このため昔は離陸時に派手な黒煙を噴出していたのである。H型ではTF33ターボファンに換装され、黒煙は出なくなった。


8発のエンジンというのは整備性や燃費の観点から非効率的であり、より大出力の4発に変更する話がしばしば持ち上がるが、変更にかかる初期投資の高さから難色を示された。2020年のエンジン換装計画では、GE社・P&W社がそれぞれ4発案を、ロールスロイス社が8発案を持ち込んだが、結局ロールスロイスの8発案が採用された。


火薬カートリッジ式エンジンスターター

B-52は火薬を使用したエンジンスターターに対応している。

これはB-52が最終戦争に備えた最後の機体であり、核攻撃を受けた場合には速やかに離陸しなければならないため……と説明されるが、実際のところは単にB-52が自力でエンジンをスタートできないためである。


ジェットエンジンは最初にエンジン始動装置(GPU)から圧縮空気を送り込んでやらなければタービンが回らず、内部で燃料が燃えずに始動できなかった。しかもB-52の場合はそのエンジンが8基もあるため、全てのエンジンに火が入るまで1時間もかかってしまうのだとか。


GPUの用意の無い基地に着陸してしまった場合、もしくはその数が足りない場合は離陸できなくなってしまうため、状況によっては強引な始動手段も必要だったということである。これはB-52に限らず冷戦中期ごろまでのジェット機に共通する仕様であり、自衛隊が運用していたF-4も火薬カートリッジに対応している。


しかし、この火薬カートリッジ式エンジンスターターは要するに「起こした爆風でタービンを回す」という強引なもので、同時にエンジン本体を傷めるため、現在では重量増加を忍んで機体側にもスターターを装備するようになった。これは部品同士の隙間がほぼ許されない程度にまで公差が高まったせいでもある。


武装

もともとは核攻撃専用機であったがベトナム戦争から通常爆弾の運用にも対応している。核攻撃専用レイアウトのため機体規模の割に爆弾倉の容積は狭めだが、主翼下の二か所にパイロンを増設することで以降の需要に対応した。

北爆での絨毯爆撃の写真が有名だが、湾岸戦争からは巡航ミサイルや誘導爆弾を使用した精密攻撃プラットフォームとして多用されている。


余談

  • MGSPWではB-52のシルエットの周りに円を描いてピースマークを模したロゴが作品ジャケットや作中に描かれている。
    • これがMGS特有のマークではなく、同様のB-52を用いたピースマークがアメリカを中心として使われている。
  • ベトナム戦争ではMiG-21を後部銃座により2機撃墜(不確実)している。のちにベトナム側の資料も併せて検証され、該当する機が無いことから取り下げられている。

派生型

制式採用の後はアメリカ空軍の中でも戦略爆撃を担う「戦略航空軍団(SAC)」に配属され、「大量報復戦略」を採る期間の主戦力として在り続けた。制限戦争論や相互確証破壊論の時代になると、徐々に役割はICBMSLBMにとって代わられるようになるが、B-52は有人爆撃機の主力として一線に留まることになる。


その後冷戦が終結し、それまで戦略爆撃任務一本だったB-52は、戦略空軍の解体とともに戦闘航空団に改編されることになった。以降はB-52は「巨大な移動式兵器庫」として使われることとなり、そうした任務では他のいかなる戦闘機・攻撃機をも凌駕する対地攻撃力を秘めている。


なお、ひとつの戦闘航空団につき、配備されるB-52は3機程度のもよう。戦闘航空団では戦闘飛行隊1個(6機)を基準に、任務・目的に応じて攻撃機や爆撃機を追加していく仕組みになっていて、最大編成ではB-52やB-1も加わる事になっている。


XB-52

最初の原型機で縦列複座式コクピットを備える。1951年11月29日にロールアウトするものの、初飛行までに手間取ってYB-52に先を越されてしまう。完全なる空力試験のために作られたので武装なし。


YB-52

元はXB-52の2号機だったが、費用を開発費ではなく生産費として計上するために試作機として完成する。1952年4月15日に初飛行。機体そのものはXB-52と同じ。テスト終了後、ライト・パターソン基地の博物館に寄贈されるが、ジョンソン大統領夫人率いるレディーバード党によりスクラップ処分の憂き目に遭う。


B-52A

3機生産。コクピットを並列式にした先行量産型。各種飛行試験や兵器運用試験などに供される。爆弾倉も本格的に艤装され、最大搭載量は約22t。11t級核爆弾2つ、あるいは爆弾(750lb)24発を搭載できる。


RB/B-52B

50機生産。爆撃関連装置を完備し、ここから実戦機となる。爆弾倉内部の装備変更により、戦略爆撃・電子偵察というふたつの任務に対応でき、しかも装備が充実しているのでそれまでの偵察機(RB-47など)よりも効率的に任務を遂行できた。

                                   

RB/B-52C

35機生産。主翼外側の増槽を大型化している。エンジンを改良して飛行性能は一段と上がった。のちに低空侵攻能力を追加(ビッグフォー計画)している。


B-52D

170機生産。これまでの型から偵察装備への対応を削除し、より爆撃に特化させた。のちの改造(ビッグベリー計画)で通常爆弾への対応が強化され、それまで24発しか積めなかった爆弾は最大108発搭載可能に。ベトナム戦争といえばこのD型が主。


B-52E

100機生産。電子機器を換装したもので、爆弾倉関連の装備も更新。


B-52F

89機生産。エンジンを換装している。


B-52G

193機生産。戦法に低空進入を取り入れた初めてのB-52。主翼タンクをインテグラル式に変更、操縦翼は油圧補助装置つきに、またリモコン銃座となり、唯一仲間はずれにされていた防御機銃手が前部乗員区画に席替えした。のちに赤外線暗視装置・低光量対応テレビ装置が追加され、機体下部には独特のコブが加わった。


ただB-52ほどの大きさとなると、どうしてもレーダーには映りやすくなってしまい、こうなると目標上空に侵入しての核攻撃はあまり現実的ではなくなっていた。これに対して考えられたのが巡航ミサイルを使った攻撃で、専用のロータリー式ランチャーを備えている。一部の機(69機)はこうした改造を受けず、制海用の対艦ミサイル母機として使われた。


のちに核軍縮条約が結ばれ、旧式エンジンを搭載したB-52Gはすべてスクラップ処分とされた。


B-52H

102機生産。現在も飛び続けているのがコレ。

エンジンを燃費のいいターボファンエンジン(TF-33)に換装し、飛行性能の改善と増える電子妨害機器の消費電力に対応した。のちに主翼付け根にフェアリング(覆い)がつき、レーダー反射を少しでも抑える工夫も加わった。


B-52J

既存のB-52Hを改修したらこの型式になるといわれている。


EB-52(B-52I)「メガフォートレス」

架空機ではあるが、珍しいので付け加える。

EB-52とはデイル・ブラウン「オールド・ドッグ出撃せよ」(1987)に登場する、B-52Hを基にB-1(執筆当時は次世代の戦略爆撃機として配備が進んでいた)用の改良実験に供された実験機である。


B-52とはいいつつも、実際には内外ともにほぼ作り直したといっていいほどの改装が施してあり、尾翼はV字型に統合、さらに炭素繊維系による大胆な素材置換により高いステルス性まで備えた、まさに空飛ぶ戦艦となっている。主翼パイロンや後部爆弾倉にはHARMやAMRAAMといった自己防衛装備(先制用)を備え、さらに15000lb(およそ7t半)の爆装が可能。空力も改善を尽くして最高速度もマッハ0.96となり、音速に近い速度を可能にしている。作中では、これら改装はすべてB-1改良に応用されるとしていた。


そんな作者、デイル・ブラウンは元B-52の搭乗員(航法士)であり、また機械オタクの気でもあったのか「新世代のテクノロジー」を作品中にも積極的に取り込んでおり、これ以降は作品ごとに奇抜な(しかしそこそこ現実的な)兵器が多く登場する。


なお、作中では非公式という意味も含めてB-52I(Iは1と間違えやすいので、本来は使用しない)とされていたのだが、いつの間にかEB-52となっていた。確か「戦闘機チーターの追撃」(1989)くらいまではB-52Iだったと思うのだが。その後はEB-52も発展を続け、「レッドテイル・ホークを奪還せよ」(1992)の頃には毎年4機のペースで改装が可能として作中すでに6機が完成しており、「台湾侵攻」(1997)では旧式のエンジン8基が新型のターボファンエンジン4基に換装されている。


また、当時の本国ではそこそこ以上の話題になったようで、どうやらPCゲームにもなっていた模様。こことかここで紹介されているが、なにぶんスーパーファミコンに相当するくらい古いゲームなので色々とご愛敬。



関連タグ

爆撃機 ミリタリー 戦略爆撃 博士の異常な愛情

B-17 B-29

恋は戦争 初音ミク VOCALOID 鏡音リン 8時だョ!全員集合 B-7ストラトエンジェル

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